【フィンランド大使館広報部の堀内都喜子さんに聞いた】幸福度ランク「世界1位」のフィンランド、午後4時に帰る「100%を求めない」働き方-弁護士ドットコム https://t.co/0GtQXDSFHn 「100%のサービスは求めない・意識・家事はがんばらなくていい・1日6時間労働に挑む・うまくいかなければやめ」— TOCHINAI Shin (@5goukan) January 15, 2020
かつては日本と同じ状況だった…34歳の女性首相誕生のフィンランドに学ぶ「女性活躍」|ウートピ https://t.co/Bv3X2G45Sr #wotopi #フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか #堀内都喜子 #フィンランド @wotopinews— ウートピ (@wotopinews) January 16, 2020
いや〜勉強になりました。フィンランドのことは割と知っているつもりでいたけど、やっぱり知らないことがたくさんあるわ。知ってるつもりになってたらダメだね。大使館のとっこ姉さんこと、堀内都喜子さんの新刊。
この本にも書いてあるけど、あらためてフィンランドっていいなぁ、と思う。徹底した合理主義的なところも大好き。そもそも国民の数が少ないから、合理的機能的に全員を活かしていかないと国がたちゆかないんだ。ノルウェーみたいに資源があるわけでもなく北海道くらいの人口なのにかたや北海道、かたやフィンランド。日本はもっともとっと努力しないといけない。いや、そもそも根本的に人口が多すぎるのが問題なのか等、いろいろ考えてしまった。そもそも「努力」ってのも違うような気もする。もっと頭を使って、やらなくていいことはやらず、「やってる感」(某代理店勤務の友人の表現)だけを生み出すためだけに時間使うのやめよーよ、ということなんだと思う。
フィンランドをみていると勇気がでてくる。「やればできる」ってのを教えてくれるからだ。そりゃあ大変だしイバラの道だけど、イバラの道も進めば良い道へとつながっていく。そういう希望があるからみんな真面目に努力するのだろう。そしてそれが彼らの自信となって自分の筋肉となっていくんだろう。素晴らしいな。日本人も努力家だとは思うけど、やっていることの無駄が多すぎるんだよね…なんか。
加えて、なんか北欧のかっこいい家具やデザイン、可愛いテキスタイルをみて「素敵〜」とか言うだけで、本質を知ろうともしない人たちをみるとイラッとするんだわ。ほんとバカだよね(by 黒のざき)。いい国を作るにはこういう頭を使った地道な努力が必要なんだって。努力が。何もしないで人のやることに文句ばかり言っていてはダメなんだよ、と。
堀内さんの語り口は冷静だ。フィンランドの今の位置に甘んじることなく「世界一幸福な国」という評価も冷静に分析する。あれは「自分にとって最良の人生から最悪の人生の間を0から10で分けた時、今、自分はどの段階にいると感じるか」という統計なのだそうだ。だからあの結果も「自分は、まぁ、こんなもんだろ」っていうフィンランド人の謙虚さのあらわれかもしれない。いや、でも結局幸せってそういうことだろう、とも思う。自分らしく自由に生きていける国、それがフィンランドなのだ。(ちなみにフィンランドは自由、というより、自由にたいする壁や圧力がない、というの堀内さんは語っている)
そして今やフィンランド はヨーロッパのシリコンバレーとしての役割も担っている。スタートアップの興隆には目をみはるばかりだ。なんかこうワクワクするよね… 確かに映像とかみてると、まるでロック・フェスのような盛り上がりだ。
あと職場においても就業時間を必要以上に長く拘束することに非常に神経質で、夕方のミーティングはいやがられるとか、そういえば、私にもいろいろ思い当たる節がある。いつぞや、初めてフィンランドに行ったとき、彼らから呼び出されたミーティングが朝の9時で、えーーーっと思ったのだが(8時だったかもしれない。記憶不確か)行ったら朝食が用意されていたのが、嬉しかった。そうかー、こういうことか、と。フィンランド人は朝型だ。重要なミーティングほど朝に行う。しかも大陸ヨーロッパ、ひいいてはアイルランドとかよりも日本との時差が少ない。そこに加えてスタートが早いから日本時間の午後3時ともなれば、この国からのメールががんがん入り出す(笑)
フィンランド人と仕事していて思ったし、堀内さんも書かれていることだが、彼らはなんでもこちらのことを尊重してくれたり、丁寧に扱ってくれる。正直多少厳しいことを言ったとしてもストレートにバーンと説明してくれれば早いのになとも思ってた時期もあるのだけど、あれも彼らの優しさかもしれない、と今ならわかる。彼らはわたしが自分で気づくまで待っていてくれたんだよね。そういう忍耐強い部分もフィンランド人にはあるね。で、いったんいろんなことが始まってしまえば合理的だし無駄なこともいっさいなく、本当に仕事はギュンギュン進む(笑) フィンランド人に甘やかされた身体に他の国との仕事はこたえる…(笑)
コーヒー休憩が重要でランチはぱぱっと合理的に、ってのも確かに。これはヨーロッパ全域に言えるかも。ランチはりんごだけかじって終わりという人もいるし。一方で結構豪華な3コースのビジネスランチは時々ある。一切ないのが夜の会食だ。まぁ、ライブのあと飲みに行くとかありだけど、家族持ちの人たちは音楽業界でもそういう付き合い方はまずないね…
あと職場のレクリエーション・デイやリトリートというのも興味深かった。それにしても、まだまだ知らないことが多すぎる。こういう本を読んで、情報を整理しないとダメだよな。
他に会議の仕方! サウナでの会議もそうだけど、会議のはじめに、まずこれはなんのための会議で本当に必要なのかの是非を今一度確認するというのが重要らしい。日本の会社もこれ、取り入れようよ!!そして出席者をしぼる、ということも重要。いつぞや某大きな会議に行ったら、会議用の円形のテーブルに10人くらい座り、その周りの椅子に20人くらい座り(この20人には発言権はなし)、二重の輪になって会議したことがあった。(その中で個人はわたし一人だった・爆)まったく時間の無駄!
またフィンランドですら、ボスが休まないと下のものが休みがとりにくいとかあるらしい。そりゃーそうだよね。同じ職場にいれば。人間なんだもの。
あと日本の連絡先の紹介ってのも、ちょっと笑えた。連絡先がわかるなら、どうぞ勝手に連絡せよ、というのがフィンランドスタイルなのだが、日本人は紹介を好む。それが時間の無駄につながっているのは事実だ。確かにこれは言えた。わたしも割とそういうのはドライで、どんどん自分で飛び込み営業とかしていく方なのだが、それでもあそことあそこが仲がいいと知れば、ひとこと断ったりお伺いをたてたりする。そもそも日本の社会の場合、知らない人には連絡をしないという慣習があるように思う。それが行くところまで行ったのがヤクザの世界だ。いつぞや某有名芸能人がウチの公演に来るのに、ものすごい遠回しでやってきたことがあった。あれには驚愕だった… どう考えてもウチのホームページに連絡くれればそれで済むことなのに、ヤクザは知らない人にいきなり電話はしないのだ。知ってる人の糸を辿って紹介してもらうものなのだ。この時は、ちょっとびっくりするとともに感心した。(その芸能事務所さんはとても丁寧だった)
話がそれた。あとフィンランドの相手を信頼して任せてみる、というのもいい。いつぞや一等書記官のパヤリネンさん(あぁ、歴代大使館員の中でも最高のかっこよさだったわ、パヤリネンさん。お元気かしら)の東洋経済の記事で「決めるのは担当者です」と言い切ったのはかっこいいと思った。でもそれって当然じゃない? 担当なんだし。こんな単純なことですら、日本では徹底されていない。だからメールのCCばかりが増えて、時間の無駄もどんどん増える。合理的になるようにコンピューター化したのに、それが余計な紙を産む。時間は節約されず、さらにかかる(パワーポイントとかその最たる例)。
それから休み方! 1年は11ケ月なんだ、と割り切る。長い休みの最初の1週間目はやはり仕事をひきずる。最後の1週間はあわたらしい。結局4週間休んでやっと休んだことになるという話にのもなるほど、と思った。
あとこの本で嬉しかったのは私も大好きなフィンランド人の「シス」にページが多くさかれていること。「シス」について知りたい方は、この堀内さんの本や無印良品BGM24の私が書いたライナーノーツをご覧ください。堀内さんの「シスは自分の強い決意や気持ちだ」というのが心に残った。うん、ほんとにそうだ。
またフィンランド人は時にはちょっとドライすぎるのではないかというくらいの態度を取ったりすることがある、とも。そうね、へんなスモールトークで時間をつぶさないし。加えて親切の押し売りは絶対にしない。でも困った時には本当に頼りになるというのは、わたしもフィンランドの友達たちに対して持っている印象と同じだ。この国民性がわたしには最高に心地がいい。
堀内さん、ほんとうに素敵な本をありがとうございます。うん、いろいろ学ぶところが多いよ。