TOKYO SCREENING VOL.1 ウォリス・バード

さて緊急事態宣言もまだまだ続く今日このごろですが、こんな企画を考えてみました。

ミュージシャンにギャランティを払うことが、わたしの仕事の存在意義だというお話は以前「バンドにエイド」のクラウドファンディングをやったときにお話しましたが、今回はそんな企画の続きです。

が、果たしてまったく新しい試みであるので、これが成功するのか…  なんというか今回ばかりはまったく自信がない。

でも企画者、主催者としてはやると決めたことについては人がどう受け止めようが、批判も覚悟ですべて受け止めないといけません。

このあと普通に来日公演が作れるようになるためには、あと1、2年かかってしまうのかもしれない。その場合、この期間、うちの実績も空白になってしまう。それはなんか悔しいのです(笑)。

今、5月に次の来日公演が控えていますが(まだ発表していません)、これもどうなるかわかりません。一方で状況は日々刻々と変わる。

そこで、この状況が当分続くとして、今、音楽ファンに何が必要とされているか。それを考えました。すごーく考えました。音楽ってなんだろう、コンサートに行くって、いったいなんだろうとすごく考えました。

最初は動画配信でも何かやってみようかな…とも思いました。でもなんだか自分も含め、どうも最近の動画配信にはすでに食傷気味なんじゃないかなとも思うんです。動画配信、がんばってる皆さん、ごめんなさい。でも動画であの臨場感を作りだすのはなかなか難しい。

一方で生配信で何千人という人と一緒に動画を見たり、大量のコメントがリアルタイムで流れていったりするのを見ていると、それはそれでかなりの臨場感を味わうことができます。同じ音楽を好きな誰かと一緒に見ているという、あの感覚。

そしてあと一番問題なのが、家での音響機器のしょぼさです。わたしはこんな仕事をしているわりにはじっくり音楽を聞くということはあまりなく、だいたいは仕事中、spotifyとかを流しながらデスクトップのiMacの内臓スピーカーからの音を聞いています。最近やっと疑似サラウンドみたいなスピーカーを買って、だいぶまともになりましたが、コンサートホールのあの臨場感あるスピーカーの低音とは比べ物にならない。なんというか、ちゃんとした音で好きな音楽を聴きたいんですね。

この二点をカバーできる何かがあるのではないか。そう考えた時、ライブハウスを借りてライブ映像をみんなと一緒に見るというのは、どうか…という考えが浮かびました。でもそれは、普通は上手くいかない。そもそも日本でライブをやる際に、一番費用がかかるのが「場所代」だからです。場所をミュージシャンではなく、リスナーのために借りるという感覚が、そもそもコンサートプロモーター側にはありません。

またこの状況下、密を避けるために会場を準備すれば、ただでさえ高い会場は倍の値段になります。これをカバーすることは到底難しい。

一方で言ってみれば、単なる映像上映会ですから、お客様に2,000円以上の金額を取ることは非常に難しい。なんというか、昔のフィルムコンサートの感覚です。

でももしかしたらやってみる価値はあるかもしれない。会場費をカバーするため、入場料はどうしても高くなってしまいますが(4,500円+オーダー)、ここで参加してくれる方が多少でも満足してもらえるようにCDを2枚つけるという案を思いつきました。

しかし、ほんと人が来てくれるんだろうか。なかなか難しいですよね。でも、さらに考えればミュージシャンはそこにいないわけだから、お客が少なくても傷つく人は誰もいません。

というわけで、ギャラはわたしがきっちりミュージシャン・マネジメント側に払いつつ、一般には見れない映像をそろえてもらう…という形式で、何度かこのイベント「TOKYO SCREENING」を実行してみたいと思います。

基本的に内容はアーティスト本人に任せています。もしかしたら生でスカイプとかZOOMとかつないで挨拶とかしてくれるミュージシャンもいるかもしれません。でも、まだまだ生配信をつないで音が良いライブをお届けする状況にするにはテクノロジーの不安がありますので、申し訳ありませんがライブ部分は事前に録画したものになると思われます。

第2回のアーティストまですでに決まっており、どうなるかわかりませんが、なんとか石にしがみついてでも(笑)3回まではやってみようと思っています。また上手くいったら、日本に来日しないアーティストから上映のために演奏してもらえないか、また何か協力してもらえないか交渉することもしていきたいと考えています。いずれいにしても始めてみないことには、何も始まらない(笑)

というわけで、第1弾は、これを聞けば絶対に元気になれるウォリス・バード!! 彼女とマネジメントにこの件を相談したら、この上映会のためのスペシャルな演奏を録画してくれた他+彼女が昨年6ヶ月にわたり続けててきた6枚のアルバムの全曲ライブ演奏(有料でした)のハイライトシーンを編集したものをつけてくれることになりました。ですので、この映像は、当然他では見られないようなスペシャル映像になります。

お土産でお渡しするCD2枚は、昨年好評をいただいた「バンドにエイド」のCD(非売品)と、ウォリス・バードの元気なライブアルバム「YEAH!」の2枚。

開演時間は18:30とちょっと早めですが、19:45には終わらたいので、そうなりました。なので演奏(上映)時間はきっちり70分、現在字幕などを鋭意調整中です。

会場は感染予防防止策にばっちり協力いただけることになった代官山の「晴れたら空に豆まいて」さん。ぜひみなさん渋谷経由ではなく恵比寿から徒歩とかできていただければ混む渋谷を避けて来場することができるかな、と思います。恵比寿からも歩いて12、3分。ご存知のとおり「晴豆」さんは地下にある会場ですが、階段のところが吹き抜けになっているので、外にいるのと同じ感覚でいられると思います。キャパシティは半分にしていただき、かつ会場の扉は開けたままでサーキュレーター2台を稼働して空気を循環させます。

その他入場時に検温にご協力いただいたり、消毒液で手を消毒いただいたり、会話を控えていただいたり、お客さまのご協力もとても必要です。

また日々刻々と状況が変わることを加味し、情報公開から実行まで二週間という超短期企画。また予約のみ承り当日精算という、お客様が具合が悪くなるなどした時にキャンセルしやすい方法を取ることにしました。

そういうイベントです。お客さんが多少でもきてくれるといいな。わかりませんが、ぜひ皆さん、PAの大きい音と大きなスクリーンでウォリスの演奏を一緒に楽しみましょう。

それこそウォリスが動画の中でしゃべってますが「東京は(制限はあっても)みんなで集まれるんだ。ちょっとうらやましいわ」って感じです(笑)。

本当は自分の中で「緊急事態宣言解除」→「このイベント発表」というシナリオを描いていたのですが、解除どころか、そのまま1ヶ月延長となり、本当に何もかもシナリオ通りにはいかなかったわけで(笑)、2月25日はまだ緊急事態宣言下である予定なのですが、いずれにしても、こんな状況の中こんなことをやったよ、そしてみなさんに安全に楽しんでいただいたよ、という実績を残したいということで自分を納得させています。

特設ホームページ本日午後にでもオープン予定(オープンしました!)。どうぞみなさんよろしくお願いいたします。