真夏の北欧会:黒パンの思い出

薄めに切って〜

フィンランドのパン、ペンナリンプは黒いルックスのにくい奴です。美味いんだ、これが。黒パンなんて若い頃は苦手だったけど、今は普通のパンよりも好き。

人生最初の黒パンの思い出は学生時代に乗ったアエロフロート。貧乏学生の私にはロンドンまでの航空券を日本や欧州のナショナルキャリアの航空券なんてとてもじゃないけど買えなかった。当時夏になれば航空券はいやおうがなしに20万以上していた。そしてロンドンにリーズナブルな値段で行くにははるかに遠回りの南回りで24時間とかかかるキャセイパシフィック航空か、シンガポール航空、大韓航空、そしてアエロフロートくらいしかなかったんです。

当時シベリアの上空はロシアの飛行機しか飛べなかったんですよ。アエロフロートのガタガタする座席に座りながら、エンタテイメントは何もないし、出てきた機内食では食べられるものがなく、プレートの上にちょこんと座っていた黒い物体を眺める。それが私の人生初の黒パン体験でした。キャビアが添えられていたのをなんとなく記憶していますが、そのキャビアにしても黒パンにしても、こんなにまずいものがこの世の中にあるんだと驚愕したものでした。経由地のモスクワ空港はたくさんの兵隊さんが鉄砲を持って警備にあたっており、寒く、暗く、印象は最悪。そもそも行き先のイギリスだって、夏だというのに雨ばっかりジトジト降って食べ物はチャイニーズくらいしかいけるところがなく悲惨なものでした。お金もなかったしね…

初めていわゆる「エスニック」な料理を食べたのは社会人になってからでした。ベトナム料理で、それは池袋にある店でしたが、抜群に上手いと思い、結構通いました。イギリスで食べたグレイビーソースやマーマイトの味を懐かしく思い出せるようになったのも、その頃から。そういや日本で初めての英国料理屋さんを発見したのもそのころで、結構高かったけど、時々行ったよなぁ。1066だっけ、ベストクックさんっていう英国人さんがやってらした英国料理店。(今、ベストクックさんはどうされているのかなと思ったら、お元気そうで嬉しかった。お会いしたいなぁ。向こうはもちろん覚えていないだろうけど。こんなホームページもあるけど、連絡先とか生きてるのかな…。何かのタイミングでイベントにお呼びしようかしら…)

そんな私の味覚も年齢を重ねて徐々に大人になっていった。美味いものが何かわかるようになっていった。

さて今回「真夏の北欧会」で登場するペンナリンプは、じゃがいもが練り込まれたお食事パン。この黒いルックスも抜群。実はそんなにライ麦の癖も強くないので、ライ麦パンを食べ慣れていない人にも優しいお味です。なんて言うか、ライ麦パンってぼろぼろしていることが多いんだけど、このパンにはもっちり感はあります。ジャガイモは言われなければまったくわかりません。

あとこちらは決定ではないのですが、今回このペンナリンプを提供してくれる母のベーカリーさんによると、カルダモンロールも予定されてるそうです。こっちはソフトな感じなんですが、あれ美味いんだよなぁー。そういやだいぶ前に、moi cafeさんが吉祥寺にあった時、何かのイベントのためにカルダモンのロールを提供していただいたことあったけど、あの感じは本当に北欧です。

しかしやはり今回の北欧マルシェのニシンにぴったりあうのはペンナリンプ。これにバターを贅沢に(厚さ1mmくらいべっとりと)塗って、葉っぱを何かちょびっとしいてジャガイモの茹でたやつものっけてニシンをのっけたら、もうそこはもう北欧。

なおこちらもまだ「予定」だそうですが、焼き菓子としてハッロング・ロットルも登場予定。これはバターたっぷりで卵を使用をしておらず、真ん中にジャムが入ってるクッキーみたいなルックスのお菓子です。ショートブレッドに近いものがあるかな。ま、でも予定はあくまで未定ですので。いずれにしても、母のベーカリーさんのやつはいつもすごく美味しいので、とても楽しみです。直前になるとは思いますが、もし余裕があれば正確なメニューをご紹介したいと思います。

さてさてペルナリンプについて、写真でご紹介。写真は母のベーカリーさんからお借りしました。

こねこね…

熟成…

焼き焼き…

塗り塗り…

テカテカ!!

薄めに切って〜 綺麗な断面!!

バターも大事だよ

以上、写真提供はすべて母のベーカリーさんでした。

真夏の北欧会は8月8日(日)、9日(祝月)の2日間、JR巣鴨駅から徒歩3分のレソノサウンドさんにておこないます。特に食品関係は早く売り切れてしまう場合が多いので、ご希望の方はお早めに。また新型コロナウイルス感染症防止のため、入場人数には制限があります。すでに残席が少なくなっている時間帯もあり。詳細はこちら。

今回の北欧会のテーマ曲。こんなに暑いと涼しいいところでほっと一息つきたいですよね…