走る時に私が考えること Run, don't walk!

古い写真。今はもっと草ぼうぼう


また走れるようになった。

ワクチン2回目終了後、そろそろいいかな…ということで走りはじめた。最初は走り出すと、足の方に身体中の良くないものがたまり、足がズンと重くなるような感覚があり、足があがらなかった。だから1km歩いて、1kmゆっくり走るくらいの感覚で土手を2kmだけ歩いていた。

でも最近はやっと3kmとか3.5kmとか走れるようになった。面白いのは、腕にしているスマート・ウォッチが「もしかして、今、走ってます?」とたずねてくることだ。

普段は普通にスーパーに買い物に行くと「歩いてます?」「屋外? 室外?」というメッセージが出てくることが頻繁にあるのだが、「走ってます?」と聞かれたのは初めてだ。なんでわかるんだろう。心拍数なのかな? 

というか、マメな人間なら、本来ちゃんと歩き出す前、走り出す前にこれから走りますから記録を取ってくださいね、と時計に指示を出さないといけないのだが、面倒くさがり屋の私はそういうのをマメに登録しないで、ちゃっちゃと行動にうつす。

それでも時計はズボラな私よりもうんと賢くて「もしかして、今、走ってます?」と聞いてくれる(笑) 賢いやっちゃ。

なんか嬉しくなって、これからも時計に走っていると認知されるようになろうと思ったのだった。しかも走ると「準備運動中」「脂肪燃焼」「有酸素運動」とかレベルがわかるようになっている。なかなか面白い。

走るのは本当に気持ちが良い。あいかわらず足が持ち上がらず大変なのだけど、それでも身体が運動していたころの気持ち良さを思い出しつつあるのがわかる。もちろん「距離の目標達成」する喜びもそこにはある。

一時は7kmとか、10kmとか走っていた自分だ。あんな風にまた走れるようになるんだろうか。

そういえば、私たち50代は「努力ができる世代」というのをどこかで読んだのだけど、あれは良かった。それは私たちの世代に与えられた強みだ。

「向上心のない人間はバカだ」は夏目漱石だったっけか? そういう思想が私の中にないでもない。そんなのは一歩間違えば、メンタリストみたいな思想になっちゃうわけで、そういう危険な優生思想を自分の中にみつけてドキッとしたりする。

先日友人でノン・フィクションライターの川内有緒が「ラッキーでしたね」と言われてムッとしたという話を自身のNoteに書いていたが、本当にするどい話で、そういう傾向は自分にもあることを私も気づいた。

自分はバカなのだから人の2倍働く、というのを若いうちは真面目に実践してた。実際に20代の頃は16時間くらい働いていた。

でも努力すればどんな人でもどうにかなるなんて、もうこの世の中、誰も信じちゃいない。でも私たちの世代は努力が好きだ。特に私は努力が好きだ。それでちっちゃな目標をチマチマ達成して、自分で人生をコントロールし、それに喜びを感じている。

それで、いいじゃないか。でも、それを他人に強要してはいけない。それを肝に銘じて…とにかく努力ができる、というのは、もうそれだけで一つの財産なのだ。それだけで本当にラッキーなんだから。

走るのは気持ちがいい。ある一定まで行くと、走り終わったあとも身体の中にだるーい感覚が残って、それが半日くらい続く。この疲労感が気持ちよく、これを感じていたくて、また荒川土手を走る。

走るのと歩くのとどう違うのか分からないけれど、「走る」方は内臓にいいことはほぼ間違いない。走り始めて1週間くらいたったのだけど、最近はお腹の調子がすこぶるよい。

私と同じ手術を受けた人は手術後、下痢が止まらなくなる人が多く、私もずっとお腹を下したまんまだが、なんだかそれも落ち着いてきた(ように思える)。

同じ病気の人が「16年間、お腹くだしてます」という手記をネット上に書いているのを見て震え上がったとことがあったが、そういう人はもしかしたら走ることで出口が見出せるかもしれない。

とにかく銭湯にいって長くお風呂に入ってひたすら内臓をあっためる。そして走る。薬をちゃんと飲む。この3つの攻め方で当分がんばろうと思う。

で、またこれで成功してしまうと「努力をしない人間はバカだ」とか思っちゃったりしちゃうんだろうから、私も修行が足りない。困ったもんだわ… 走っているのは決して努力ではない。単に好きなだけだ。それを確認しつつ…   でも実際、本当にキツい。ま、いいや、理屈はともかく走るのみ。

フジロック、始まりましたね。スマッシュの方がインタビューに答えている。誠実な内容だ。津田さんがアトミックカフェを辞退したそうだが、それも津田さんらしい。みんながみんならしくやればいいと思う。それで世界はより良い場所になる。

出演者の皆さん、関係者の皆さん、そしてお客さんたち。フォースを送りますね。そして十分気をつけて、こんな思いをしてまで作り上げるフェスなのだから、十分楽しんでください!