キングレコード民族音楽シリーズ「THE WORLD ROOTS MUSIC LIBRARY」

ポーランドのビーツのスープ作った。お皿がセブンイレブンのノベルティなので、ダサいが、まぁ、良しとしよう。


なんと! こんなニュースが。懐かしいなぁ。

まぁ、キングレコードの財産だよねぇ、これらの音源。プロデューサーの星川京児さんや、担当だったキングレコード井上剛さんが亡くなっても、サラームさんがこれらの音源を紹介していってくれるだろう。音楽は残るな。関係者が亡くなったとしても。

当時会社にいたころは、この統一されたジャケットがいやだった。デザインうんぬんではなく、それぞれのジャケットもそれぞれの関係者がこだわりを持って作るものなのだから、表現の一部なのだから、という考えが私にはあった。帯で統一すりゃいいやん、と思ったもんだけどね。それじゃ売れないらしい。

このほかにもキングレコードはユーロ・トラッド・コレクションみたいなものも発売し、それもデンツーの方が持ち込んだ統一デザインに統一され、なかなかの素晴らしい眺めだった。井上さんのいた部署は、確かに面白い物をリリースしていたけど、私の記憶が間違いなければ「営業企画部」という名前で、営業からあがってくる企画=つまりは売れる企画ということで企画ものの部署だった。決して本流の部署ではない。(とはいえ、井上さんには私は本当にお世話になった。キングを離れてからも外部プロデューサーとして仕事を振ってもらったりもした)

が、それも何十年もたってしまえれば、音楽の真価が生き残れるのかを決める(と、思いたい)。

お店が強かったバブル時代は、レコード会社もそういう企画をたくさんやっていた。「旧譜率」(売り上げにおける旧譜の割合)が60%を切った、と会議でよく問題になってたっけ。旧譜率は高い方が、事業としては安定していることになる。つまりは一時的なヒットに頼らない運営、ということだ。そんな会社だったから、営業の立場は強かった。制作には「もっと売れるものを出せ」と言い、宣伝には「もっとちゃんと宣伝しないと売れないだろうが」と言い、そのくせ店頭在庫がないことや、在庫が切れることについて営業が責められることはなかった。特に宣伝は制作からは「もっと宣伝しろ、売れないじゃないか」、営業からは「もっと媒体に露出させろ、売れないじゃないか」と双方の間で責められた。それでも広告費を握っている課長はまだしも、一兵卒である私は一銭たりとも自分は使えない。弾もないのに戦えと言われているのと一緒だ。今振り返れば、きちんと企画を組み立て、課長にきちんとプレゼンすれば良かったのだかろうが、そういう業界の仕組みや仕事上の常識も知らないし、誰も教えてはくれなかった。

あーーー、あの意味のなかった、長い長ーーーーーい会議の時間(笑) 今はもっと改善されているだろうけれど、会議さえ乗り越えてしまえば、本当に白けたものだった。それでも誰もが会議で言ったことを忠実に行えば、どんな状況でもなんらかの結果が出ていたはずだが、誰もが会議を通過したあとの案件について何も行動を起こさず、そのまま時間が次の会議へと流れていった。あんな状況でヒットが出せるわけがない。

あの頃から比べたら、今の状況はコロナの状況下においてでさえ、夢のようだ。が、世の中は上手くできていて、苦労もなく「夢みたいだ」なんて言っているもののところにヒットはこない。我慢して、お金かけて、マーケティングきちんとして、事業としてうまくやった方がヒットは出るんだ。それは分かっている。

キングレコード勤務時代の自分を思い出して、いろいろ考えを巡らせている。

さて、このTHE WORLD ROOTS MUSIC LIBRARY、最大のヒット曲であるトルコの軍楽。ドラマ「阿修羅のごとく」のテーマになってヒットした。今も昔も日本のおける音楽のヒットはタイアップが欠かせない。