日本到着時 APAホテル編

羽田空港からついに隔離ホテルへ。 結局誰も私に「これからAPA両国に行きますよ」とは言ってくれなかった。戦争に突入する時もこんな感じかしら…

あまりに何も隔離ホテルのことが案内されないので、途中まで「あれ、隔離ホテル、私が日本を離れている間になくなったか?」と思ったくらいです。


それでもバスは両国へ向かう。あいかわらずどこに行くのかも誰も言わない。乗っている時間は30分くらいかな。さすが羽田。近い。早い。

バスが到着すると、そこに若い男の子が乗り込んできて「これからみなさんを受付に案内します」「小さい子供をお連れのお客様を先に案内します」と日本語の案内。

私たちが乗ったバスには、おそらくアラブ系と思われる外国人のお母さんと4歳くらいの男の子がいて、お母さんは子供を静かにさせるのにずっと車中でも苦労していたので、案内を聞いて、バスの中にいた全員一斉に親子の方を見る。「この親子たちを先に通してやってくれ」と。

なので案内の若い男の子はすぐ親子に気づくのだけど、英語がしゃべれないらしく、日本語で親子に対して何度も同じことを繰り返す。これ不思議なんだよね。以前新幹線の中でも見かけたんだけど、あきらかに通じてないのに、こういう仕事をする人はとにかく日本語で繰り返すように教育されているんだろうか…

見かねた前の方に座っていた英語の上手なお姉さんがお母さんに「あなたはプライオリティですよ」と英語で話して親子に教えてあげる…

っていうか、このくらいのフレーズ、メモに書いておけば、読めば良いだけなのに…とイラッツとするが(すでにここまでで4時間くらいたっているので)、とにかく無気力になり怒る気にもならない。

…いかん、戦争に突入していくってこんな感覚か? いかん、APA地獄の中にいても意識をしっかりさせ、悪い人間にならないよう努力をせねばいかん!?と心を強く持つ。

まぁ、お姉さんが英語で説明しなかったら、私が案内してたな。

小さな可愛い男の子は自分が注目されているのだとわかったのか「こんにちは!」と上手な発音で大きな声を出してはしゃぐ。とても可愛い。マスクしてないのでちょっとビビるが、それでもバスの中の空気が一瞬優しくゆるむ。子供の笑顔って、いいわ、ほんと。

でもって、お母さんは案内の子に「パスポートと健康カード準備してください」と日本語で言われ、バスの座席に座ったまま「パスポートはどこ? 健康カードはどこ?」みたいにバックの中から紙をゴソゴソしちゃうのが、ますますかわいそう。これ、わかるよ。一人で気楽な一人旅の私だってA4の大きな紙がかばんの中でぐちゃぐちゃだもの。小さい子連れてたら、無理だよ。

それに案内の男の子も、まずはホテルロビーの受付に来てください、そこには椅子も広めのテーブルもあり英語の流暢なスタッフもいますから…というふうに案内すればいいのに、そういった気の利いた案内がない(笑)というか、このスタッフの子、親切っぽいんだけど、日本語がしかしゃべれない。 

それでもバタバタしながら親子が降車すると、バスの車内、みんな少しホッとして座席の前方方からバスを降りていく。日本人って、本当に辛抱強いよね。そして助け合いの精神がある。

そしてみんな規則正しく順番に受付に並ぶ。受付の箇所は全部で4ヶ所。私は2ラウンド目だった。

なので、ここで再び重要ポイント。部屋に早く入りたかったら、空港→隔離ホテルのバスは前の方に座るべき。この差が大きな待ち時間の違いを呼ぶのだ… といっても、おそらく一番最後になっても、待ち時間30分くらいかなぁ。

受付内容は極めてシンプルだけど、今度は宿泊施設用の三次元バーコードの情報の入力方法の案内もありイライラ。毎日ここにアクセスして自分の体調のことを入力しないといけない。本当にいい加減にしてくれ!! なんで同じことを違う場所にそれぞれ報告せなあかんのか…とクレームを言う気力もなし。

難民になって船に乗るのを待つってこんな感じかしら。もうなんか人間性をすべて消し去りただただプロセスがすぎるのをじっと耐えるしかない。

実際、この案内、ちょっと要領をえないお客さんやお年寄りだと、すごい時間かかっていると思うので、疲れている場合は、相当こちらのイライラ度が高まる。

ちなみにこの宿泊施設用のあれこれが出来ない人は、ホテルの内線電話で自分の体調をレポートすることもできる。もっとも全員がすでにスマホを携帯している条件なので、全員がこの作業をできなければオカシイのであるが。

私はとにかくラッキーで、ほんの10分くらいの待ち時間で終了。すぐ部屋のキーと体温計を手にいれられた。


受付はこんな感じ。ちなみに受付スタッフは外国人の人が多かった。でも、みんな日本語が本当に上手。つくづく日本人以外のアジアの人たちは言語の才能があると思う。

渡された部屋のキーは26なんたら。エレベーターに乗り26階!と気分はあがるが、なにせ窓があかないんだよ。これは外国人にはきついかも。国技館の真上だけどね…

そして心から楽しみにしていた初日のお弁当はこの時、受付で手渡され、気分があがる!! 早く食べよう!!


部屋に入ると、とにかく狭い。まぁ、でもベットは広いので、私はあまり気にならない。それよりもあの有名なAPAの社長の水のボトルが並び、社長の旦那のへんな書籍が置いてあることを恐れていたのだけど、それらは見当たらず。ちょっとホッとする。

それにしてもAPAホテルのテレビはでかい。しかもベットの真上にあり、万が一、夜中地震か何かで落ちてきたら下敷きになりそうだが、これは大丈夫なんだろうか。

テレビ!!! 久しぶりの地上波で、大好きなテレ朝の大下容子アナが見れて、とても嬉しい。大下さん、本当に素敵。あぁいう素敵で知的で可愛い女性を私も目指しているのだ。全然ダメダメだけど!(大下さんと同期の東大卒のタピ代が大嫌いなだけに、ますます大下アナの評価が高まる私)


が、このあと気づくのだが、この大きなテレビモニターの中に、実はあの怖い書籍が電子書籍として収められていたのだった…。

この書籍について、APAの公式見解はこちら。こちらもDHC同様、社会の目が注目することを期待したい。

もちろん私企業なのだから、何をやっても許されるのかもしれない。が、郵便局でのカレー販売といい、隔離ホテルでの有無を言わせない強制収容といい、選択の自由がない公共の場に頻繁に出てくる会社だから困るのだ。

それにしてもAPAホテルといえば、あの印象的な黒い涙の謝罪会見。あの会見がもう一度見たくてYou Tubeをググったが見つけられず。
そして、恐怖のAPA水ボトルはこのあと部屋に毎食届けられるお弁当の袋の中に、必ず1本入っているのだった…

初日夜のお弁当はとてもとても楽しみにしていた。実際、とても美味しく完食したのだった!! っていうか、日本に帰国した時って、なんでも異様に美味しく感じるのだが、それだな。

そして夕方6時ごろに食べたので、夜中にお腹が空いて、ドイツの美味しいパンは初日の夜のうちに食べてしまった。これがこの後の大きな敗因となることも知らず。 

そして徐々に野崎のメンタルはAPAホテルの狭い部屋にやられていくのであった。というか、いったい誰が、この環境でちゃんと朝起きて、服を着替え、エクササイズをし、規則正しくすごせるんだろうか。そんな人いるんだろうか。そういう人は、きっとものすごくメンタルが強い人に違いない。

私はといえば、仕事はたまりまくっているのに、何もやる気が起きず、誰とも絶対に接触しないのをいいことに、寝巻きを着替える気にもならず、顔も洗う気にもなれず、ご飯は運ばれてくるままに食べ、時差ぼけのままにゴロゴロしたりウトウトしたりしていたのだった。

まぁ、興味ある方は私のツイッタータイムラインをたどってみてください。徐々に自分が壊れていく様がわかります。

このグータラぶり…

それにしても納得がいかない。PCR検査で陽性になって、ホテルに入りたくても入れない人もいるという状況下で、贅沢なのはわかっているけれどなんか納得いかないんだ。例えば国がコロナゼロ政策をとっていて、絶対にコロナは入れないという方針なら、海外からの帰国者は2週間みっちり隔離…という話でも納得できる。

でもPCR陽性なのに自宅療養とか言って、隔離されたいのにされていない人もいるわけでしょう? それとも海外からの帰国者の方が、PCR陰性でもまだ発症率が高いってこと??? 海外からの帰国者のために1,000人規模のホテル2棟(羽田空港の場合)も借り切って、一体何をやっているんだろう。ちゃんと説明してほしいわ…

なお隔離ホテルの詳しいレポートはこちらの方たちのブログがよくまとまっています。ぜひ参考に。成田だと東横インになるらしい。東横インだと濃縮還元ジュースと、お味噌汁が付くらしい。羨ましい。

でも私なんて一人だったからよかったけど、小さな子供がいる方とか、夫婦だって二人でこんなところに押し込めらえたら耐えられないだろうなぁ…

私はといえば、つくづく自分のメンタルが弱いのに呆れました。こんなに自分が弱いとは。途中友達と喋って励ましてもらわなければ絶対に耐えられなかったと思う。励ましてくれた友人の皆さんに、心から感謝を申し上げます。

PS ちなみにこのAPAホテルでの滞在費用は強制隔離なので、税金で費用は賄われているらしく、こちらが宿泊費お弁当の支払いをする必要はまったくありません。

機内から出てホテルの部屋に入るまで時間がすごくかかるので、飛行機の機内で充分スマホなどを充電しておくことをお勧めします。

PPS     APAホテルから羽田にまた戻され、そこから自宅に帰るのですが、そこからは費用は自分持ち。公共の交通機関を使うことは許されていないので、ハイヤー(タクシーはNG)を手配するか自家用車での迎えを手配することになります。なお自家用車の場合でも直接APAに迎えに来てもらうことはできません。必ず羽田にいったん戻されますので、そこからの手配になります。おそらく「自宅が空港に遠い近いにかかわらず、すべての人にフェアになるように」というつまらない考えで、そういうことになっているのだと思います。

また空港からこの手の帰国者用の囚人バスも用意されています。有料で、通常のリムジンバスより高い。そしてバスの行き先からは、また自分でハイヤーもしくは自家用車お迎えを手配する必要があります。

以上すべての情報は2021年9月5日時点のものです。