日本到着時 羽田空港編

さーて、今回のレポート。ここからが本番です。ここまではちょっとしたコロナ対策がある以外は普通の出張レポートだったと思います。

でも今回のレポートはここからがハイライトで面白いのです。いや、面白いって言ってしまっていいんでしょうか。とにかくレポートしていきます。


飛行機が到着すると、まずはパラ関係者はそのまま機内に残されます(そう、まだパラ期間中でした)。そして先に一般客の私たちが飛行機を降ろされるのでした。

そして、長い、長い、長い、長い通路。とにかく延々歩かされる。スマートウォッチの歩数計で測ったら、この日歩いた距離はおよそ4.5km。

普段は機内に持ち込む10kgくらいの荷物を持つ私ですが、今回ばかりは最初からこの小さなスーツケースも預け荷物にしておいて本当に正解だった。こんなに歩くんじゃ、荷物を引っ張れる車輪が付いているとはいえ、うんと自分の身を軽くしておくのがいい。

APA収監組は、早い時点でこの緑色の札を手首につけさせられる。…なんかなぁ。


なお飛行機を降りてホテルの部屋に収監されるまで、唯一の販売物はこれ。当然といったら当然だけど、コンビニとかに立ち寄ることは一切できない。今、見るとオレンジ・ジュースもあったなぁ、買っておけばよかった。失敗した。

でもこのマシン、日本円か電子マネーしか使えないのよね。クレジットカードや外貨はNG。どちらも今回は預け荷物の中に入れてしまっていた。次、海外に行く時は帰りにイオカードくらいは携行しておこう…





一応こういう食事の対応もできているようだけど、日本人ならともかく外国の方にはかなりコクな状況。

そしてあいかわらず受付、受付、受付の嵐。窓口は全部で6、7箇所あったのではないだろうか。そして、紙、紙、紙の嵐。紙は全部A4サイズ。マジでクリア・ファイルがほしい。頻繁に提示が必要となる「健康カード」などは、すでに早い段階で紙の端がシワシワになってきてしまっている。

で、なんでそんなに複雑な手続きが必要かというと、とにかく行く先行く先で受付に(おそらくパソナから派遣された)おねえさんたちがワラワラいるのだが、そのそれぞれが…

アプリ・ダウンロードについて → 「アプリDLした即OK」とはならない。アプリがちゃんとDLされているか、位置情報がオンになっているか、いちいち係員がチェックする。

そしてアプリのマニュアルまで渡される。マニュアルあるアプリ、久しぶりに見たよ(笑)。iPhoneの場合、Androidの場合…など、詳細に項目が分かれて30ページにもおよぶ大作のマニュアル。

確かにスマホになれていない人は必要かもしれないが、必要ない人には渡さなくていいんじゃないか。(ちなみにスマホを持っていない人は空港でスマホをレンタルすべく誓約書を書かされる)

メールアドレス記入 →   記入して、はい終わり…ではない。紙に記入して、その場でそのアドレスが機能しているのかを確認させられる。空メールが送られてきて、それをしっかり受信できるかも確認させられる。

…と、まぁ、すべてをゼロリスクにしようとして、こんなごちゃごちゃした状態になっているのだなというのが私の理解。とにかくとっとと記入させて走り出させて、万が一間違った人はあとから追いかける…とということでいいと思うのだけど、それができない。最初から間違いゼロを目指しているので… 以下自粛。

なんかワクチンの予約とメンタリティが似ているような。(あっ、言っちゃった)

ちゃっちゃと合理的にやるという考えが皆無なんだよね。まぁ、お役所だからしょうがないのか。

それでも日本人は、普段からこういうお役所的なやり方になれているのからいいのだけど、小さな子供つれた外国人のお母さんとか本当に気の毒…

そして、とにかく長い長い長い長〜い廊下を延々歩かされ、PCRテストをやらされ、テスト結果待ちがあり、すべてが終わってAPAホテルへ行くバスに乗せられたのは飛行機を降りておよそ3時間後だったのでした。長いフライトのあとにこれは非常にこたえる。

しかもこの間、「このあと欧州滞在者はAPAホテル両国に行きます」と全体のスケジュールを案内してくれる人は誰一人としていなかった。もちろん私は他の人のブログやら何やら見て羽田到着者はAPAの両国か横浜に収監されるということは知っていたのだけど。これはこれで問題じゃないの?

つまり乗客それぞれに対してどういう案内がされているか、この目の前の乗客にはどこまでの情報が渡っているのか。その責任を、誰も持とうとしないのだ。細部はやたら細かくフォローされ、それぞれのスポットでの紙は渡されるものの、全体を見て把握する人がいない。

それぞれ担当が自分の担当したところだけ見て、そこさえクリアすれば自分の仕事は終わりと思っている。

決して不親切であるというわけではない。相手が困っているのがわかれば、スタッフは親切に助けるが、それがまた余計な業務をスタッフ側に大きな負担となってのしかかる。スタッフのみなさんがそういう使命に燃えているだけに、これまたキツい。

それぞれの部署がそれぞれの紙を作っているらしく、渡される書類の統一感がまったない。フォントもバラバラで、そもそも、この用紙をなんと呼ぶのか、まったく不明瞭。まったくもってシンプルさがない。

特に何度も書くが「健康カード」。こんなに必要なら、右端に10ポイントくらいで、リファレンス程度に書いておくのではなく「健康カード」って太字で大きくタイトルとして書いておいてよ。っていうか、A4の紙なんだから「カード」ではなく別の呼び方できなかったのか???

まぁうちの公演チラシも人のこと言えないけど…この書類は日本を代表する頭の良い官僚の人たちが考えているんでしょう? 違うの?

ま、怒りはそのくらいにしておいて…

さてこの長い長い受付&PCR検査。それでも、このゲイトを離れる際には「ここから先、お手洗いいくのもできないので、済ませてください」と案内ががある。これはナイスと思った。そう、必要なのはこういう情報だ。あまり行きたくなかったけど、とりあえず行っておく。

あ、そうそう、面白いことにおそらくこのシステムを考えた偉い人たちが準備したのであろう、紙やら立て看板などの他に、現場のスタッフが自分で書いたと思われる「手書きの案内」みたいなものもそこここに見られ、現場の皆さんが頑張っている様子は見てとれる。

そしてそういった「手書きの案内」の方にこそ、重要なインフォが載っている可能性が高いのだ。

そしてまた長い長い通路を抜けると、オリンピックのインバウンド狙って導入された自動入国審査マシンがあり(笑)、見慣れたいつもの手荷物受け取り場&税関へと通される。行くと荷物はとっくにベルトコンベアーから下されており、機内預け荷物が規則ただしく並べておいてある。30人分くらいか…

いつもより麻薬発見ワンコも多いし、動物検疫の人が「ハムとかベーコンとか持ってませんか〜」とわざわざ確認にきたりして、普段よりチェックが厳しい印象を受けるけど、どうなのだろう。

とにかく預けた荷物も受け取り、ゲイトを出る手前で隔離ホテル行きチームは、整列させられ誘導を待つことになる。私の前はいかにもといった商社のビジネスマンのお父さん。大きなスーツケースを2つ、手荷物も大きく複数あって大変そうだ。

私の二人前のお姉さんはさっきトイレに行っていなかったのか、係員に誘導されトイレの方へ向かっていった。

ここでもしばらく立ったまま待つこと5分くらい。ここから全員がやっと揃いバスまで移動していく。

ここでびっくりなのが、ここまでは比較的隔離されてきた私たちなのだけど、ゲイトを出て出迎えの人たちが待っているところを歩き大型バス乗り場に行くまで…  一般の人たちとまったく同じ経路を歩くのだ。

まぁ、確かにほんの200m程度の移動かもしれない。でも、こんなにこのあとあんなに完全隔離されるのであるなら、床にテープはるとか、フジロックみたいに地面にシール打つとかして導線を別に作ることはしないんだろうか。

当然、前と後ろに誘導のスタッフは付く。だから脱走する人はいない(笑)。でも、それでも一般の人たちの間をくぐり抜けていくことは間違いなく、ちょっと混んでいれば、一般の人と肩などぶつかってしまいそうだ。

私はてっきり「この人たち海外で汚染されています、距離をあけてくださいー」とかスタッフが叫びながら練り歩くか、それはないまでも「海外帰国者の列」みたいな旗でも掲げながら行くのではないかと想像していた。

が、そんな様子もなく、私たちは普通にバスへと誘導される。とにかく、これから14日間隔離(うち3日は完全隔離)される人間とは思えない扱いだ。

ま、いずれにせよバスに座らされ、ここでも待ち時間4、50分待ったかなぁ。とにかく待たされる。たぶん同じ時間帯に到着する別フライトのお客さんを待っているんだろうね。が、そういった案内がまったくない。

私がミュージシャンのアテンドしている時は、暫定でもタイムテーブルを事前に手渡し、乗り物が変わったり場所が変わったりするたびに「ここから30分くらいですよ」とか、「このあとどこにどうします」とか声をかけるわけなのだが、そういった親切がまるでない。

紙は大量に渡されているが、そういったタイムテーブル的な全体案内は一枚もない。

ただこちらも疲れているので文句も言わず、とにかく指示にしたがうのみ。バスでの待ち時間は長かった。ただただこの一連のプロセスが一刻も早く終わるよう祈るのみ。

ちなみにバスは都内北部を牛耳る(笑)我らが国際興業バス。大型だけど、特に感染対策をしていない、普通のバス。仕切りなども何もない。一応50人乗りくらいに、25人くらい乗っている感じか?

車内は冷房があまりにキンキンで、キツく、私なんぞは時々バスの外に出て、外気の中であったまったり(笑)していたのだけど、特にお咎めなし。本当によくわからない。

しかもここに止まっている大型バス全部が全部隔離ホテル行きというわけではなさそうだ。一般の人と接触するなというのに、ここでこんなに接触があって良いの?? 謎。

そしてこのバスは恐怖の隔離ホテルへと私たちをいざなうのであった…

というわけで、帰国者の皆さん、日本に来られる外国のみなさん、最後の搭乗地で、これをチェックしましょう! 到着時の空港だけでもかなりハードです。

(1)とにかく身軽に。チェックインに入れられる荷物はすべて入れる。多少荷物がトラブっても隔離ホテルに滞在中の3日間(欧州路線)の間に届くので、普段預けない人もぜひ。隔離ホテルでは室内着がありアメニティも普通にあるので、何も必要ありません。

(2)帰国時のPCR検査は、面倒でも日本所定のフォーマットを使った方が安全でしょう。英語になれている人でも検査用語が分からないこと多いですから。なんというか、このフォーム、印影欄とか書いてあって、ダサいことこの上ないんですけどね…。

ただこの書籍のすべてが埋まっていれば、その検査結果の必要な情報はすべてクリアされていると考えられますので。(ちなみにプリントアウトなど不可能な人は、必要な情報が掲載されていれば所定のフォーマットでなくてもOKということになっています。私もそうだったのですが、そのせいか書類のチェックには結構時間がかかりました)

(2)食べ物およびおやつ類、必要な人は最後の搭乗地で購入してホテルに持ち込んでください。収監前にコンビニなんかよれないし、隔離ホテルの部屋あて差し入れも可能ですが、受け取れる時間が決まっている上に内容のチェックもあり、本人が受け取れるのは翌日ですから、あまり合理的じゃありません。そもそも都内を出歩くのさえ危険な今日この頃、おいそれと友達にこういうことも頼みにくいです。

(3)飲み物、特に100%ジュース。私が一番欲しくなったのはこれです。果物が食べたくなる。ただ成田の東横インではジュースが出ている様子も見受けられました。

(4)クリア・ファイル。ほんとバカみたいですが、冗談ではなくA4のファイル、あった方がいいです。大量に紙をもらいますから。

(5)スマートフォンのメールもスムーズに使えるようにしておいてください。時々Gmailとかしか入れてない人もいますけど、その場合は申請するアドレスもGmailで書いてください。基本あの人たちにPCでしか使わない仕事用のアドレスとか、そういう認識はありません。

というか、みなさんは自分はスマホを初めて携帯した、すでに仕事をしていないお年寄りか何かだと思って対応してください。そう考えていくと敵がやろうとしている、すべての辻褄があいます。そもそもスマホ持ってない人はもう海外に行く資格すらないのかもしれません。そう思うと悲しすぎるけど…。

(6)国内線を使わないと自宅に帰れない人。この方たちは2週間家に帰れません。公共の交通機関に乗ることを許可されていないからです。この場合、都内や空港近くのホテルに移動し自主隔離することになります。これは自費らしいです。

ということは現状国際線が乗り入れていて、そこから自家用車もしくはハイヤーを利用することができない人は国外に出るのは不可能と考えていいでしょう。それか頑張って、何時間もかけて自家用車を走らせるしかないのでしょうか。

ハイヤー、快適だったけど、羽田〜足立区の移動でも¥23,000した。タクシーじゃダメなんです。他の人を載せる可能性があるから。でも外タレか、できるビジネスマンになったような気持ちがしてとても快適でした。MK TAXIさん、いつもありがとうございます!

さて、このあとは恐怖のホテル隔離について書いていきます。