まだまだブックレビューがたまりまくっています。こちらもだいぶ前に読み終わった本。
大好きな夏葉社さんの本です。今回も装丁が素敵すぎる。いいなあ、こういう本。手にとって感じることができる、紙の手触り。一冊一冊丁寧に作られた手の込んだ装丁。憧れちゃうわ。
章ことにページに小さな5cm角の素敵なイラスト…というより絵画だなぁ…絵が描かれた紙が扉に貼ってある。本って世界観だよね。意外とフォントや、行間の詰め具合とか、そういう細部に編集者の愛情が宿っている。
もしかしたら今まで買ったどんな高額な本よりも素敵な装丁かもしれない。内容も素晴らしく、あっという間に読める。1日で読んでしまった。
1950年代に活躍した方のようで、65年には亡くなられている。だから文章は古くくさくもありおっとりしているようでもあり…
最後の方のお嬢さんが生まれる(生まれた)時のエッセイには、じんわりと感動してしまった。この作家さんについては、まるで知らなかったのだけれど、聞けば太宰治の弟子という方だという。
確かに太宰好きな人には好きな世界かも。慎ましいというか、なんというか、小さくても美しい世界がそこにある。
忙しい中で気分転換に読むとしたら最高と言ってしまいたいけれど、なんか軽々しく読むような本でもないような気がして、簡単に感想を言えない空気もある。好きな本です。