これも、ずいぶん前に買って積読になってしまっていた本。そしてずいぶん前に読み終わってまだレビューを書いていなかった。
加害者500人と向き合ってきたプロが、その心理・行動・対策を解き明かす。
例えば男性が女性をストーカーする時は身体的な安全を脅かすことが多いが、女性側がストーカーになった時は男性の「社会的地位」が狙われることが多いとか。なるほどー!と思うことがたくさん書かれていた。
人に対してあれこれ思ったりすることは日常生活で多々あれど、それがストーキングするまでに至るのはやっぱり普通ではない。まぁ、つまりはこういった一線を超えないように、ということか。犯罪すべてに言えることなんだけど、いけないとわかっていてもしてしまうというその心理・病気はいったいどうすれば解決できるのか。
いわゆる現代社会の問題から流れて「なぜ人はストーキングをするのか」ということに著者はスポットライトを当てていく。そして男性ストーカー、女性ストーカーのそれぞれの様子、行動レベルと心理レベルのそれぞれの段階、後手後手に回りがちな警察の対応、そしてカウンセリング、社会としてどう対応していくべきかの提言など。とても勉強になった。
それにしても今やストーカー被害は今や年間二万件だという。すごいよね。
ネット黎明期、私だけではなくインターネット上で商売をする仲間たちは、ストーカーとまでは言わないでも、粘着質なお客(お客?)にあれこれ商売の邪魔をされていた。そういう時、一番良いのはとにかく毅然とした態度でいることだ。例えば通販における問題は…こう言っちゃなんだけど、だいたいお客の側に非があることが多い。
なんたって、こっちは過去数万人…とは言わないが、間違いなく数千人以上の顧客を相手にビジネスをさばいており、それを20年以上こなしているわけだから。
長くやっていると、そういうレベルの低いクレームや文句もなくなったが、それが長くやっている所以か、単に底レベルなお客が減ったということか?
だいぶ前の話だけど、楽天の登場が本当にあれこれ変えたよね。あれでちょっとした小さな商売をネット上で実現する人がぐんと増えてきた。それによって、だいぶ緩和されたようにも思う。
人のやることに文句をつけるというのは、その人より自分が賢いという自信がないとできない事だが、いったいどういう心理状態なのだろうか。ストーカーやモンスタークレーマーをしてしまう人の治療というか、リハビリはとても難しい。
誰もが「ストーカー」「ストーカー被害者」それぞれ当事者になりうる、そういう時代なのだということを認識していくしかないね。勉強になりました。