好きなバンドをあなたの街に呼ぶには… ワールドミュージック編

早く隔離がとけて、ちゃんとしたお寿司が食べたいなぁ…

昨日も「政府の文化補助金」のことが話題になっていたのだが、「あいトリ」「名古屋のフェス」「フジロック」。それぞれが「補助金」をとりまく全然違う話題なのに一緒くたになっちってるのが「世間の見解ってこんなもんなのかなぁ」と思う。いろいろ脱力。

さていろんな地方のいろんな文化関係者と話していて、文化によっていかに地域の活性化をはかるかという話題によくなるのだけど、それについて思っていることもあるので、ちょっと書き留めておく。

地方。何もない場所。大都市ではない場所。人口が少ない場所。そんな場所にワールド・ミュージックというジャンルが貢献できることについて。

結構ヨーロッパの地方の名もない街が、フェスティバルの時だけ一年に一度盛り上がるというのはよくある。

地元のおばちゃんたちは世界的なミュージシャンがくるのを、それこそ心待ちにしている。っていうか、外国人と接触することは無条件で楽しいのだ。地元の学校や幼稚園も、アーティストたちがワークショップで自分たちの学校を訪問してくれることをとても楽しみにしているのだ。

そういうことが日本ではどうしてもっと気軽にできないのかな…

この仕事していると「名古屋に来てください」とか「九州公演はないのですが」とか「四国きてよー」「何曜日だったら行けるのに」とか言われることは非常に多いのだが。

でも、私が言いたいことはこうだ。何度もこのブログに書いていることだけど、子供のお使いじゃないんだから、簡単に言わないように!(笑)ということなのだ。

というか、私もアーティストをいったん日本に呼んだら全国20箇所くらいで公演したいよ。そんなことは私もアーティストもみんなが望んでいる。

なるべくたくさんの皆さんにお会いしたいんです…なんて綺麗事は言わない。その理由は極めて単純。単にツアーのコスト・パフォーマンスをよくしたいためなのだ。

できることなら公演をたくさんやりたいと思うのは当然のこと。国際航空券だって、ビザの手数料だって、公演が20回できれば1回公演にのしかかる負担も軽くなる。公演数が少ないから大変なのだ。公演数が多くなって収入が増えれば、その方がいいに決まっているのだ。

航空券代を払っている私が、そして長時間のフライトを我慢しているアーティストが、それを誰よりも強くのぞんでいるのだ。

だから安直に私たちに「うちの街に来てください」と言うなということなのだ。さらに言えば「来てほしいなら子供のお使いじゃないんだから、もっと具体的に提案せよ」ということなのだ。

公演チケット100枚分を補償せよとは言いません。ただ例えば「うちの近所にこんなホールがあります」とか、本当に来て欲しいのであれば、1リスナーとしても、いろいろ出来ることがあるんじゃないの?ということなのだ。厳しいかな?

あなたが、本当にそのアーティストをあなたの街に呼びたいのであれば、ですよ。

(すみません、真剣に受け止めて。ま、だいたいの人は「ちょっとプロモーターに言ったら、ウチの街にも来ないかなー」程度の気持ちで、私に話しかけているんですよね。もしくは社交辞令のつもりなのかもしれません。でも私は真剣にあなたの話を聞いてしまってすみません、すみません・笑。そういう性格なんです)

時々ツイートしているのだが、このブログ素晴らしいから読んでみて。

つまり! 言いたいことがわかる? 人が行動を起こすことを待ってたら、あなたの夢は実現しないってことなんです。このコロナ禍であなたも私もそれを実感したことでしょう。 

幸いにもワールドミュージックというのは、ロックやポップス、クラシックなどと違って、個人の伝えたいこと以上のことを運べるジャンルなのだ。それこそ「文化」そのものを体験できる最高のツールなのだ。

例えばアウトリーチといって学校に連れて行ったり、幼稚園で歌ったりみたいなことも可能だろう。ちょっとしたワークショップや料理教室だって可能だろう。ワールドミュージックにはその音楽のことを詳しく知らなくても人間の本能的な部分で楽しめるところがある。

そしてそれは老若男女、誰でも楽しめるシンプルなワクワクに溢れた音楽であるとも言える。

だからこれって、もっと地方で実行委員会立ち上げて、あれこれ企画する人が出てきていいジャンルだと思うんだよね。

実際、ヨーロッパ各地で行われているワールド系のフェスは本当に個人の人がちっちゃな町で行っていることが多い。でも彼らは頑張って企画書を書き、スポンサーを集め、本当に頑張っている。

その街にミュージシャンが行くと、それこそ宿泊も一般宅だったりするんだけど、面倒みるおばちゃんたちも次のフェスまでの1年間、どんな外国人がくるのかワクワクしながら待ち構えている。

なにせ「誰でも楽しめる音楽」なのだから、

スポンサーをゲットといっても、なかなか難しいだろう。普段、言われたことだけしかやってないサラリーマンの人にとっては、自分で書く企画書はハードルがものすごく高かろう。

一方で地方自治体の予算はしょぼくて(失礼)せいぜい地元文化イベントに対する助成金は50万とか、そのくらいだ。でも地元の人たちならば、地元の実行委員会を立ち上げれば、その助成金をゲットすることが可能なのだ。

実行委員会は地元に住所がある人しかできない。それに数枚、がんばってチケットを売る力があれば、うちのアーティストのレベルなら、その地に呼べてしまえる可能性は十分にありうる。

だから、まずはあなたの自治体のそういった助成金のシステムを調べてみよう。意外と地方の文化財団はちょっとした予算を持ってたりする。

そしてそれは普段地元の素人劇団や(失礼!)、ピアノの発表会に毛のはえたような事業(失礼!)が、結構な予算をゲットしていたりする。そこにぜひあなたもあなたの企画書を提出してみてはいかがだろう。

また会場もホールとまではいかなくても、自分の街にあるお寺や美術館、学校でもいいし、歴史的建造物であれば、これまた面白い絵が取れて宣伝にもなる。

とにかく言いたいことは、人にあれこれ「お願い」する人生送るより、自分から行動してみませんか? 一緒に何かやりませんか?ということなのです。

助成金の申請のやり方がわからない? うちのミュージシャン呼んでくれるなら、私が手取り足取りお教えしますよ。一緒にぜひ何かやりましょう! いつでも連絡ください。

まぁ、そんなことを考えつつ、今週末の配信にのぞみます。

高知の文化財団さんの主催でこんな場が与えられお話をすることになりました。高知県民じゃない方も参加できる様子。ぜひ。お申し込みはこちらから。無料です。すでに結構お申し込みいただいている様子。がんばらなくちゃー!