すごいもんが続く。トーマス・マン『ベニスに死す』を読んだ。

 


思わず花(といってもヒースだけど)の中にいれて撮りたくなった。オスカル…じゃなくてタジオ(笑)

トーマス・マンってはじめて読んだよ。集英社文庫で買ったら、まだこのジャケットだった。2011年に出た文庫だけど、なんというか訳が読みにくいのなんの…  岩波でも出てて訳は違うみたいだから、そっちも買ってみようか。いやー 難しかった。

実は本まで読んだのは映画の感想をブログに書いたら、とある信頼できる友人が「本も大好き」とfbに書き込んできたから。そうか、そうなのか…

で、届いたら、文庫の割に字が大きくて薄いのに感動。やった。これならすぐ読める…とお風呂で読み始めたのだが、難しい漢字がいっぱい。音読できないのはもちろん、漢字から何を言っているか想像をしないといけない箇所、無限(笑)

それでも短いのであっという間に読めてしまう。しかも映画を見た後だから、まぁストーリーはだいたいわかる。なので無理やり読んでいたら、そのうちに慣れてきて、最後はこの文章が気持ち良くなってきた。

文体はともかく、なんというか憧れとか、勘違いとか、人間のやらかす馬鹿なものがいっぱい書かれているすごい作品だと思ったわ。

よく馬鹿っぷるとか、喧嘩ばかりしていて悲惨な状態に見えるのに別れない男女とか… 側で見ていると「馬鹿に見える」「悲惨に見える」そういう人たちが、実は幸せなのではないか。

そして行間に間違いなくマーラーが聞こえてくる。なんというか、映画もすごいし、本もすごいよ。この本に惹かれて映画にしたヴィスコンティの気持ちもわかるし、タジオのオーディションにこだわった気持ちもわかる。

なるほど納得の凄さ…  すみません、語彙が少なくて。でも私はこれは「すごい」と思う。

それにしても難しい訳だよな。元の文体…ドイツ語だと思うけど、おんなじ感じなのかな。

と、ここまで書いて気がついた。「本も大好き」と書いてた友人はドイツの製薬会社に以前勤務していたのであった。彼女はドイツ語で読んだのかもしれない。

というわけで、その辺を確認したく、岩波の方も買ってしもた。こっちはさらに古く2000年だから、もっと難しいかも。しかし言葉がドイツ語となると、訳がないかぎり、まったく世界の外だよなぁ。

とはいえ、当分「ベニスに死す」マイブーム。ベニスに行って、マーラーでも聞くかなぁ。実は行ったことがないイタリア。フィレンツェとかも行ってみたいし、安直な観光旅行でガイドさんがついてるようなやつに参加してみたいなぁ。


あとはマーラーでもおひとつ。ついつい聞いちゃうよねぇ…