映画『OSLO』を見ました。和平交渉ってこんな感じなんだな…


ロシアとウクライナ、和平交渉って、どんな感じなんだろう…と想像しつつ、こんな映画を見てみました。

なんでノルウェーの外交官が? それは映画を見てのお楽しみ。言ってみれば、「内政干渉」とか「いらぬおせっかい」「何のために」等々あれど、こうすることは間違っていない…という信念をつらぬいた結果「奇跡のオスロ合意」までたどりつく物語。ほぼ実話。

当時イスラエル人はパレスチナ人に合うことは禁止され、パレスチナ人もイスラエル人に会ったら死罪。「イスラエル人と話すのは初めてだ」みたいな会話が、不謹慎だが笑える。すごいな。中心となる夫婦は、外交官である奥さん、旦那は社会学者。

とにかくルールを作って、お互い顔をあわせるところからすべてが始まる。匿名で飛行機を抑え、護衛のない自家用車で移動し、オスロ郊外の邸宅で合宿。最初、怒鳴り合いだった人たちも甘いワッフルや美味しい食事を目の前に笑顔が出る。

仕事の話は会議室のみ、と限定し、オフではお酒を大量に投入し、少しずつ少しずつ交渉は進む。

こういう時、女の人は強い。外交官の主役の彼女はもとより、ワッフル焼きのお母さんが大活躍。美味しいものを目の前に男たちの気持ちがやわらぐ。

そして、最後はアメリカ(偉い人)に華やかな場を任せるなど、「交渉仕事あるある」勉強になる箇所が多数。

そしてもちろんオスロ合意のあとも問題は解決しなかった。いったんは進んだ和平も、ラビン首相が暗殺されて残念な結果となる。っていうか、ラビン首相殺したの、イスラエル側のテロリストなんだよ。

でも、こうやってゆるゆると一歩ずつ、少しずつ前に進めるしかないんだな。あとは歴史の評価を待つしかないのだと思う。地道な交渉なんぞ、無駄だと思ったら、そこで負けだ。そこで終わりだ。

もちろんこの夫婦は相当危ない橋を渡っている。でも自分の信念をつらぬく二人に心が動かされないわけがない。敵も人間だ、ということ。

そして今、大きく響くのは… こういった世界の危機を傍観しているだけというのも、また罪だということ。自分に何かできると思えることがあるならば、積極的に介入していくべきなのかもしれない…ということ。(あ、また「べき」とか言っちゃった)いろいろ考えた。