暴力装置のスイッチオン

なんかいろいろなことがおこり、頭の中がこんがらがってくるのだが…たとえどんな状況でも原則的に先に暴力を振るった方が決定的に悪い。ウクライナでも、アカデミー賞でも。

そしていったん発動しちゃった暴力は、なかなか抜けだすことができない。それが防衛が目的だったとしても。

「暴力が生活に根付いてしまう」という危険は、そこここに眠っている。

…というのを書いておこうと思った。


最近配信で見たこの映画、すごく良かった。このスティル写真に記憶があるので、前から気になっていたんだろうけど、今回配信で見るまで見ていなかった。よく理解できなくて配信で2回見たら、最後の兵隊の彼が、冒頭のシーンにつながることがわかる。

いろんなことに無力感を感じるよなぁ。


下記のリンクからYou Tubeでもレンタル、視聴できる他、プライムなどでレンタルできます。


映画としては、主に二つの場所で話が進んでいて、それがクロスしていくわけだけど、最悪の状況から(なんとなくだけど)光に向かって進む男の子と、どんどん悪い方向に向かっていく少年兵の様子が描かれている。

こんなふうに翻弄されるのは、いつも無力な人たちだ。

すごくパワフルな作品だった。誰も上手に戦争なんかできないのだ。人間はそんなふうにできている。それを学ばないといけない。

調査なんかしているよりも具体的に一人引き取った方がずっといい、みたいなことを言う女性担当者の言葉にぐっとくる。

なんだかやりきれない気持ちになってこの映画がカンヌで賞を取った時の授賞式の画像を探してしまい、あの男の子がこざっぱりとした格好をして写っている写真を発見して、ちょっとホッとする。いや、それじゃいけないんだけど。

昨日たまたま中央ヨーロッパこども映画祭の打ち合わせでポーランド大使館さんに行ったら、こんな折り紙が置いてあって、めっちゃいいアイディアだなぁ、と思った。別に千羽鶴を誰かに送らなくても、心をこめて折ると気持ちが落ち着く。

ウクライナの人たちは今回ポーランドがしてくれたことを100年も200年も覚えているだろう。ずっと感謝し続けるだろう。ポーランドは100年前に1,000人弱の子供たちを面倒見た日本に今でも感謝してくれている。今回何百万人も助けたポーランドの優しさを、ウクライナは一生忘れないだろう。

これを震災の時アメリカ軍が発したのは「オペレーション友だち」だけど、これをポーランドの「まぶだち作戦」と呼びたい。いろんなこと考えると涙でる。 でもそれだって戦争が長引けば、わからない。

いろいろ考えるけど、とにかく自分は自分ができることをしよう!! 5月は久々にイベントが2つある。

1つ目は3日(祝)の春のケルト市。2つ目は22日(日)の中央ヨーロッパこども映画祭。どうぞよろしくお願いいたします。