日向敏文さんの新作で大活躍のグレイ理沙さんのインタビュー記事が、弦音楽雑誌「サラサーテ」に掲載されました。いや〜、とっても素敵なインタビューで、現場に立ち会った私はすっかり理沙さんのファンになっちゃった。
書いちゃいますけど、日向さんはプロモーター泣かせというか、あんまりご自身で媒体に出たがらない。でも宣伝マン(宣伝ウーマンか)としては、なんとかこのアルバムを一人でも多くの人に聞いてもらわないといけないわけです。
なかなかに任務のハードルが高い…
でも、そんなふうにずっと懸案事項として頭の中にいれておくと、なんというか突然妄想が始まるというか、アイディアが降ってくる時があるんですよね。不思議なもんです。そういう状況でもないかぎり、アイディアなんてやってこない。日向さんから理沙さんに速攻連絡を取っていただき、お願いしたところ、理沙さんからご快諾いただいたので、さっそくこのインタビューを受けていただくことになったのでした。
弦の人って、ご存知だと思いますが、基本的にすっごい忙しい。スケジュールを取るのが超難しい中、調整して時間をとってくれた理沙さんに本当に感謝。
7月の中旬。これまた湿気がすごい日に、インタビューが、赤坂の編集部さんで行われたのでした。なんかもう遠い昔のことのようだけど…
それにしても、この記事、佐瀬さんが考えてくれたんであろうリードが秀逸。
チェロを通じて一条の光を伝えたい
「ディストピア」からの語り部として
このリード文がすべてを表しているんだけど、このインタビュー、内容がすごくよかった。
なんと佐瀬さんは10年前に理沙さんが何かのコンテストに出たところを見たことがあるんだそうです。理沙さんの先生の名前とかもご存じで、す、すごい。
というか、チェロ界狭い?!のか?!
そして理沙さんの、ご自身の内向的な性格、子供の頃のレッスンでの出来事、コンテストでの経験、留学したきっかけなど、お話は続いたのですが、すごかったのは、日向さんのレコーディングの話をされていた時。佐瀬さん、突然ひらめいたこと。
「あ、わかった! テラー(語り部)だ!」
「だから日向さんはあなたに弾いて欲しかったんだね」と。
インタビューの神、降臨…
もう痺れまくっちゃった。ときどきあるんですよね、インタビューって。そういう瞬間が。
日向さんはこのアルバムを未来に不安を持ち、辛い気持ちになっている若者たちに届けたいって言ってた。日向さんのInstagramにメッセージを送ってくれるリスナーの子たちに「大丈夫だよ」って言ってあげたいって話してた。
日向さん、今、86年に書いた楽曲「Reflections」が、北米を中心に世界中で(日本以外で・笑)大ヒットしてる。
で、配信だと聞いている人の年齢層、国などすべてがデータではっきりわかるんだけど、なんと中心のリスナーは18-22歳なんですよ。そしてその半分がアメリカ。残りは18カ国くらいに渡っている。
その「Reflections」の再生数も、ついに先日5,000万を超えたのでした。(このインタビューの時点では、確か4,600万くらいだった)
それにしてもこの取材、日向さんは立ち会ってなかったんですが、佐瀬さん、すごい。っていうか、立ち会ってなかったからこそ降りてきた神だったのかも。
まさに、佐瀬さんのいうとおりで、このアルバムを語っているのは、現在の日向さんのファンの一番のコアなファン層である人たちと近い年齢のグレイ理沙さんなんです。理沙さんの存在は「語り部」として、このアルバムに必要だった。
理沙さんいわくレコーディングでは、チェロとはとても思えない高音域…(指板ないっw)まで弾いたそうで、レコーディングは結構大変だった、とのこと。でも、確かに日向さんのアルバム制作の意図からしたら、これ、理沙さんに弾いてもらわないと全然意味がないんだわ…。
ちなみに日向さんと理沙さんがどうやって出会ったかもインタビューで明かされています。日向さんから急に連絡をもらった理沙さん「びっくりして、wikiった」とのことで、インタビューに立ち会っていた全員大爆笑。
それにしても、本当に感動。彼女の音楽に対する真摯な気持ち、そして作曲家である日向敏文さんの気持ちを取材に立ち会った者、全員が本当にひしひしと感じたのでした。
そんなすべてが結実したこのサラサーテの記事。嬉しい! 嬉しすぎる!
理沙さん、佐瀬さん、本当にありがとうございました。
いや、でもほんと冗談ではなく、若い世代の人たちに対して、中高年の我々はほんと「我々がいたらず、こんなひどい世の中にしちゃって、すみません」とひたすら謝るしかないよね…
いったい日本は、世界はどうなっちゃうんだろう。未来なんてこの地球上にあるのかしら…
ごめんなさい。若い人たち。でも皆さんには間違いなく希望があります。それまで不安な気持ちのあなたに寄り添うような日向さんの音楽を、このアルバムを、ぜひぜひ聴いてください。