先日プランクトンさんの事務所にお邪魔した時に「これ、野崎さん好きだと思うよ」と貸していただいた白崎映美さんのエッセイ『あったこほうさ』を読みました。
いやーーー これは面白いわ。訛りがはいったままの日本語。方言とか訛りって音声で聞かないと理解できず、書き文字にしちゃうと「????」となることが多いと思うんだけど…
これはすごい。絶妙なバランスで、まるで方言というか訛りがあってもちゃんと理解できる。というか、訛りがあるから素敵。訛りってちょっと音楽みたい!!
そう!! この本の最大の魅力は、文章のテンポがめちゃくちゃ良いということ。これは読んでて楽しいわ。
白崎さんって、上々颱風のシンガーという認識以上に、プランクトンの打ち上げに行くと会うエミちゃんというイメージがある。やんや、やんやと宴が盛り上がれば歌も歌ってくれる、そういう人。特に外国のミュージシャンにはエミちゃんの歌が超うける!
それにしてもいい本だわ。
彼女の言葉を聞いていると、震災があったり、そしてコロナへと大変な日々が続く中、正気を保ちつづけているのがキツいと思う日々を、軽やかに笑ってやり過ごせる気がしてくる。
でも映美さんの中にも葛藤があり、上々颱風というバンドに入って自分のルーツ(東北)に誇りを持つことができるようになった、とも告白。
かっこいいものとかっこ悪いもの。かっこいいと思わされているものと、かっこ悪いと思わされているもの。上々颱風に入っていなければ、単なる「なんちゃって東京人」で生きていたかも、と映美さん。
うーん、そう言えるところが、これまたかっこいいな。
私も「なんちゃって東京人」かも。何か東京にいる必然性も最近は感じなくなることも多く、そろそろ田舎に住むこともありだと時々思うけど、自分の実家がある千葉には絶対に戻りたくないということも同時にあり…。
なんか複雑だよな。このまま「なんちゃって東京人」で一生を終えるのだろうか。18歳で千葉を出てから、こっち暮らしの方が断然長いし。
そしてこのエッセイ。どこかに連載されていたものらしく、長さも読みやすいし、一つ一つ順番バラバラに読んでも全然問題ない。本を普段読んでないという人も、こういう読みやすい本なら絶対に読めるんじゃないかな。これは素晴らしいわ。
さて映美さんの出演するシリーズコンサートBEYOND。この秋・冬注目のコンサートです。エミちゃんが出るのは、12月1日(木)チャラン・ポ・ランタンとカンカンバルカン楽団、ジンタらムータも出演する日です。ぜひご来場ください。詳細はこちら。
プランクトンさんがエミちゃんにつけたキャッチがいい。「和のジプシー魂を歌に込めるシンガー」まさに!