またもやすごいもん読んだ。入院前にいただいたヘルマン・ヘッセシリーズ(笑)。送ってくださったKさん、ありがとうございました。庭のちょこっと咲いた紫陽花の中に置いてみた。
Kさんに教えてもらえなければ読まなかった、本来なら高校生くらいで読んでいなければいけない世界の名著。こういうのをプレゼントしてくださる人生の先輩に感謝。
なんというか前に読んだ『デミアン』と一緒。哲学書みたいな一冊。でも私は『デミアン』よりこっちが好きだと思った。すごい大きな話。自分の中にすべてがある。これが「愛」なのかな。ちなみに翻訳はこっちの方が圧倒的に読みやすい。同じ先生なのだけど。
読み終わって思い出したのは、『百億の夜と千億の昼』。ここでもシッダールタは登場し、最後、阿修羅はすべての流れが自分の中にあるのを悟る。時間も場所もすべて関係ない。ただこちらはめちゃくちゃSF的だ。
これが「悟り」なのか。シッダールタが体験したいわゆる「上から目線」の説教じみた時期と、女性に出会い目の前の享楽に走る時期と、すべてを超えて最後の最後に川の流れからすべてを超越し愛する境地へ到達する時期と、そんな心の旅だ。
手塚治虫の『ブッダ』との比較を上げる人も見つけた。ちょっとそちらにも興味をそそられる。遠藤周作の『深い河』とかもちょっと思い出した。ずいぶん前に読んだよなぁ、あれ。好きだったんだよなぁ。細部は忘れちゃったけど。
先日、長野の男性の4人殺害事件にも何か考えさせられた。いつも思うことだけど、人間は社会と生きていかねばならない。自分の部屋とか、家族とか、会社とか閉鎖された空間では、生きられない。それをちょっと思った。
入管とかジャニーズとか、最近のいろんな社会問題も、この境地にたって考えることはできる。なんかすごい本だった。
『デミアン』も『シッダールタ』も「愛」と「自由」の本だった。『車輪の下』も読んでみようかな。ちなみに積読の中には、友人がめっちゃ名著と教えてくれた『知と愛』もあり。
TOM'S CABINさんのライブじゃないけど「読まずに死ねない」ってやつだよね。読んだことない人はぜひ。この本の中に世界のすべてが存在している。