ファン活動というのは、本当に無条件で楽しいのだけど(うちのお客さんたちもこんな感じなのかな)、いやー、大好きな角幡さんの新刊となれば、もう踊るしかないでしょう!
うわーい、うわーい、うわーい。
というわけで、朝日新聞社行ってきました。久しぶりにリアルで拝見する角幡さんの姿、なんかイヌイット感がアップしてる(笑)
会場内では写真NGと告知されていたので、イベントの写真はなし。でもコンコースにこんなのを発見。
なんとこれは極道の女、中山由美記者の水色のアウターではないか?
顔はめてみたけど、身長がたらんかったかも。
中山さんは今、学生をつれて北極に行ってらっしゃる。がんばって〜
8日午後5時頃、ノーム空港到着。外は雨、冷んやりしていてフリースを着ています。アラスカ航空らしい飛行機。 pic.twitter.com/7xY533dBg2
— 中山由美 (@YumiPolar) July 9, 2023
うわーい、ファイルいただいちゃった。
うわーい、サインもいただいちゃった!
詳しくはおそらく「協力」とクレジットされ、司会をやってらした編集者さんのいる「好書好日」にこのイベントのレポートは掲載されるのだろうからあまり詳しくは書かずにおきますが、さらっとレポート(笑)。
録音もしてないので、自分の手書きメモのみ。なので誤解があったらすみません、あくまで文責のざきで、お願いします。
角幡さん、最初はまさか自分で犬ぞりを始めるとは思ってなかったそう。ただ犬を日本に連れてくることを検討して北極に行っていたら、やりたくなった、とのこと。
また行動を起こす時は全部自分でやりたいと思う。そういうのに犬ぞりはあっていた、と。
今回の本「裸の大地」シリーズ、1部はソリをひいて自分で歩いた話。
2部は犬ぞり。犬ぞりを始めたことで、見えてくる世界。実際、それで地元の人たちの角幡さんを見る目が変わったそうです。もちろん悪い面もあり、それはあまり本にはしていないんだけど、とのこと。やはり獲物は自分たちのもので、それを外国人が取ることに抵抗があったらしく… まぁ、そうだろうなぁ。でも今は割と村のみんなも認めてくれているかな、とも。
竹沢さんはグリーンランドにいって、すべてがすごくリアルだと思った、と。剥き出しの寒さ、お腹がすくことも、食べた時の体内の感覚とかも。『極夜行』を読んで、自分も「ひかり」を見てみたくなった。そして角幡さんは、あれこれさらっと書いているけど、結構危険満載だったとも。
なお角幡さんは竹沢さんが撮影されているということで、なるべく犬に怒鳴ったりすることをしないようにしていたそうです(でも竹沢さんいわく、すごいたくさん怒鳴っていたそうです)
撮影はマイナス20度、30度になると本当に大変。バッテリーは30個から40個。角幡さんは日々犬の世話をしていたけど、自分はバッテリーの世話、と竹沢さん。寝る時に抱いて寝たり(笑)
角幡さんいわく、今年は鞭の技術に目覚めたそうで。あとジャコウ牛のエピソードがすごく印象に残っている、と。それをお話ししてくださったんだけど、確かにすごく面白かった。
旅の途中で食料が必要で、ジャコウ牛を4匹の群れ。そのうちの2頭を撃ち殺した。
角幡さん、ジャコウ牛のような大きなものを殺す時はいつも自責の念にかられるんだそうです。体も大きい相手、自分はこれを狩る資格があるんだろうか、と。
確かに言い訳にならない。自分が生きるため。では自分の方がジャコウ牛より生きる権利があるのか?
特にこの群れの生き残った2頭のうち1頭はどっかに行っちゃったのだけど、残った1頭は死んだ仲間のそばを離れようとしなかったそうです。そして最後は解体された仲間の血だらけの残骸に自分の体をなすりつけていた。でも、そのうち突然死んだ、と。
角幡さんいわく「あれは憤死というやつだったのかも。仲間を殺されて、たぶん医学的には脳梗塞とかそういうのなんだろうけど、怒って死んでしまった」
そういう豊かな感情を持つ動物を殺して良いのか?と。
もちろんそれは犬の餌のため、自分が生き残るためなんだけど、そういう葛藤がいつもあるのだそうです。
あぁ、そういうのと常に隣り合わせな北極!!!
一方の竹沢さんはご自身の死にかけたエピソードを話してくれて、あやうくテントの中で一酸化炭素中毒になりかけた。倒れた仲間は飛行機で運ばれたり…
一方で、帰国して植物の美しさにとても惹かれるようになった。(北極、何もないからねぇ…)
さてここで対談は終わり、事前のメールで来た質問に答えるコーナー。ここでは北極飯の話題が。
わかるー だって竹沢さんが紹介してる北極飯、めちゃくちゃ美味しそうなんだもの(笑)
今日の北極ご飯。
— 竹沢うるま (@uruma_takezawa) April 2, 2023
ホッキョクウサギの塩炒め。
とっても美味でした。 pic.twitter.com/WeHLmvIIoB
そうそう角幡さん、上手く食レポできなくて、しろくま=「王者の味がする」とか言って、誤魔化しているのだそうです。
あざらしの炊き込みご飯。一度血生臭いので血を抜いて作ったら、角幡さん的にはものたりないようだった、と。
あとはキビヤ。角幡さん大好物らしい。そして竹沢さんも結構食べていたらしい。うーん、私には北極は無理だと思う瞬間(笑)たぶん私には食べられない…
会場からの質問で、子供のころに影響を受けた本。
角幡さんは実は子供の頃はあまり本を読まず。ただ小学校の時の国語の教科書に載っていた「あの坂をのぼれば」がすごく印象深い。あの感覚のまま、今、自分は旅をしている、と。今やっているのは、それかなぁ、と。最果ての場所に行きたいという気持ち。なるほど。
ググってみた。これだ。
そして「つらい冒険を諦めそうになるのはどんな時か」という質問も。
角幡さんいわく「これはしたら死ぬな」というのは諦める時。ギリギリの瞬間は今までもいくつもあった。日本の山登りでも同様。これ行ったらやばいというののいつも攻めぎわ。やめたら後悔するのはわかっている。生きている限りこれはずっと続く。死ぬまでは、解消できないのではないか、とのこと。
さらに会場からの質問で可愛い手があがり質問が。「北極では何を食べるんですか」と。
セイウチやアザラシを食べるんですよ、と角幡さん。
さきほど竹沢さんがバッテリーの世話と言ってたけど、ほとんど犬の餌のために狩りをしてるので、犬に奉仕している気持ちになることがある、とのこと。
犬がいなければおそらく狩の必要はなく、そちらの方が生き方として効率的だということもある。一方で、シオラパルクでは犬ぞりをしないのに犬を飼っている人もいる。
餌について。ドックフードの方が栄養効率がいいのか、ドックフードを与えた方が、もしかしたら安いかもと思う時がある。でもお店で買って国営企業にお金を落とすよりも、実際につきあいのある漁師の方を選ぶことも多い、とのこと。つまりセイウチとかの肉を食べさせル方が多い、とのこと。
尊敬する人は?という質問に、角幡さんは昔のイヌイット、エスキモーの人たち、100年くらい前の。彼らのスキルはすごいなぁと思うと答えてらっしゃいました。
そしてとにかく自分だけの地図を作ること。自分の内側は社会的意味がないと多くの人が考えているけれど、それでは生きててよかったという境地に到達できない。実際虚無感が襲ってくることもある。
自分だけの地図は、他人から見れば無意味。でも無意味だからこそ自分にとって意味がある。それが自分が存在する証明になる、と。
やっぱりかっこいい!! 角幡唯介。
ちなみに今回の本は巻末に大きな地図がついていて、角幡さんの旅が実感できるようにいなっているのです。
この裸の大地シリーズ、4冊までいっちゃうかも…とお話されてたのが印象的。ぜひぜひ角幡さん、これからも書いてください。これからもずっとずっと読みます!!
「裸の大地」第1部の1冊目も素晴らしかった。
そしてついにこちらが第2部!!
ファンとしては、早く読んで感想書かなくちゃー でも今、読んでいる本が強烈に面白いので、こちらが読み終わったあらすぐ読む。あぁ、時間がない!(笑)
昨日17回目を終えたばかりの冒険クロストークですが、早くも18回目の開催が決定!次回は角幡唯介さん、竹沢うるまさんのWゲストです!
— 冒険研究所書店 (@bokenbooks) July 9, 2023
開催まで日も浅いため、お早めにお申し込みください。
*お申込み・詳細は以下のリンクよりhttps://t.co/JsC5WfSA6n pic.twitter.com/ElB5av3wGb
PS
公式レポート来た!!
探検家・角幡唯介さんが犬ぞりで巡る北極圏の世界に、写真家・竹沢うるまさんが同行。角幡さんの新著『裸の大地 第二部 犬橇事始』(集英社)刊行を記念して、帰国直後の2人が、命がけの旅の様子を語りました。2023年7月9日に行われたイベントの様子をお伝えします。<PR>https://t.co/1t5tK48LVX
— 好書好日(こうしょこうじつ) (@BOOK_asahi_com) July 28, 2023