角幡唯介さん ジュンク堂池袋店のイベントにお邪魔しました!

いやー ファン活動って楽しいですよね。久しぶりに、角幡唯介さんのリアルイベントへ。3冊目の犬ぞり本を購入すべく出かけてきました。聞き手は竹沢うるまさん。




写真OKだったので、激写。ジュンク堂のあの喫茶室みたいなところで、お客は少なめ。20人くらいか。オンラインが主だったと思うので、リアルな会場はそんな感じでした。

角幡さん、がっつり日に焼けて、ますますシーザー(猿の惑星)に似てる! なんか腕も長いし(笑)、あおちゃん(長女さん)が学校に来るのをいやがる、って自虐的にお話しされてたけど、なんかあおちゃんの気持ちわかる(爆)。普通のお父さんと全然違う(笑)。

…てなことはさておき、今回もとてもいい話が聞けた。やっぱり角幡さんは、いいわ。探検家であるとともに今を生きるすごい哲学者でもあると思う。ほんとにかっこいい。いや、ほんとですよ。

以下は講演を聞いた、私のメモなので、理解が及んでないことがあったら、すみません。文責のざきでお願いいたします。またこのところルナサのブログを書くにのに忙しくて、あまり時間が取れないので、いつもよりも簡略編です。自分の心に響いたところを忘れないようにメモ。

角幡さん、以前の旅は徒歩+犬1匹だったのに、今回は犬ぞりになったことについて、「チームになった」と。自分はプレイヤーでもあり、マネージャーでもある。たとえば高校野球の監督とかおもしろそうだなぁ、という、そんな感じ。

犬には「頑張る」という概念がない。とにかく楽しいから走る。

犬たちは、自分にとって家族や友達とは違う、もう一人の自分という感じ。力を犬にそそぐことで、自分の作る成分が犬に注入され、自分自身が憑依していく感じ。

ソリも持ち主の性格がでる。犬と人間がものすごく密接。犬ぞりは狩りの道具としては、ものすごく効率が悪い。たとえばイヌイットの大島さんの息子などは合理的な考え方の持ち主で、彼は犬ぞりはやらない。

でもやらないでいるとつまらないと感じるらしく、犬ぞりをやらなくても犬を飼っている人も多い。ただそうなっちゃうと、今度は犬が可哀想。走っている時、犬はとても幸せそうだから。

犬は本能にしたがって走っている。あのエネルギー、本能っぷりってコントロールできない。グリーンランド犬は特に。掛け値なしの躍動感。本当に幸せそう。天から授かった能力を発揮して、天分が満たされた時の幸せ。日本のペットとは全然違う。

だから犬が「可愛い」と言われると、なんだかムッとしてしまう。可愛いって、Twitterで言われたり、「なんとかちゃん」とか「ちゃん」付けで呼ばれるとムッとする(角幡さんのツイッターのフォロワーさん、気をつけましょう!! 私もやってしまいがち)。

「かわいい」ということだけでは、犬の大事なところが抜けている。確かに顔は可愛いけど、可愛さに価値はない。犬の獣性に向き合うべき。犬は喧嘩も多いし、犬社会の凶暴さとか。獣的な文化。そこに「可愛い」とか持ち込まれると違和感。犬ぞりが否定されちゃう。それは文明の傲慢だと思う。← するどすぎる。

竹沢さん「僕が角幡さんより早く帰国するためにバイバイした時、角幡さんと別れるより犬と別れるのが寂しかった」(爆笑)

「裸の大地」シリーズの到達点は? 今、この瞬間を生きる=そこにあらわれるのが裸の大地。自分の土地をどんどん広げていくのが楽しい。その土地に柔軟にあわせられる生き方が、人間の本当の自由。

あと心に残ったポイント →     冒険と芸術の関係性について。生き方は芸術的でないとダメ。たとえば「芸術って?」登山を用いて説明しがち。登山と対峙する自分の行動。ハイデガーの芸術論。自分の行為(舞台)が、体現されていないとダメ。土地と調和できてはじめてその行為は北極を体現していることになる。(これ、どんな職業にも言えることだよ、重要!!)

「死」について →   昔より「死」を受け入れられるようになったかも。20代のころよりも怖くなくなった。最近では、白くまに襲われて死ぬのも悪くないかなと思う。でもそういうこと言うと娘はショックみたい。娘以外にも、他の人と、そういう感覚を共有できなくなってきていて、ちょっと(自分が一般の人より)ズレてきちゃった感はある。

(「白クマに襲われて死ぬ」というのは)そもそも自分が狩りをしている、という負い目にも関連している。動物の命を奪っている以上は自分にもリスクはある、ということ。

狩ったら、極力丁寧にあますところなく使う。竹沢さんがここで、「角幡さんは綺麗に皮をはいで、最後はその皮をたたんでおいていくんです」と解説。うーん、命に対する向き合い方だよね。なんか… やっぱりかっこいいよなぁ。

今回の戦利品。竹沢さんの写真集もゲットしちゃった! 充実した時間をありがとうございました>角幡さん、竹沢さん、ジュンク堂書店さん。





PS
このブログを角幡さんネタ目当てで来た方には申し訳ないのですが、私は今、こんなクラウドファンディグをやっています。よかったらのぞいてくださいね。