NHK-BS #世界ふれあい街歩き ダブリン&ゴールウェイを見ました。


ダブリンの夕暮れ。Dame Street

NHK-BSの人気番組、「世界ふれあい街歩き」でダブリンとゴールウェイが紹介されました。番組のホームページはこちら

これ、実は知り合いのカメラマンさんが行くということで、めっちゃ期待してたのです。いつもいい仕事をする人たちだから。もっとも彼女たちも自分たちが撮ったものがどう編集されるかはわからないということだったのですが、結構長い間、取材ということでアイルランドに滞在していましたよ。

で、出来た番組。すごくよかった。90分の内容です。

ダブリン編では最初ハーコートから、ブルームス・ホテル、そしてRare Booksでのユリシーズの貴重本が印象的でしたね。マティスとジョイスのダブルサイン本なんて、悶絶!! そしてギリシャブルーの表紙が印象的な初版本!!?

それにしてもダブリン懐かしい。さすがにダブリンは、私も長く時間を過ごしていたので、よく覚えています。たいていの街角は、画面を見せられたら「あっ、あそこだ」って言えるよ(笑)

そうそう、今、ジョイスのペインティングが施されたブルームス・ホテルですけど、あそこには、私も本当によく泊まりました。ほんと一時はダブリンに年に4回は通っていたので、あのホテルのスタッフともすっかり仲良くなったものです。懐かしいなぁ。

当時はBooking comみたいなものもないから、メアリーのツアーマネージャーがよく私の宿泊をコーポレートレートで押さえてくれていました。そのメアリーやらドーナル・ラニーやらが、謎の小さな東洋人を訪ねてホテルにやってくるので、私も結構な有名人だったと思います。

もうそのダブリンもパンデミックを挟んで、5年くらいいけてないかも… やばい(笑)

それにしてもダブリンの映像で圧巻だったのはテンプルバーにあるパブのビールの納品シーン。これは私も知らなかった! あんなふうに納品するんだ! 63kgとかありえない。

あとジャガイモ飢饉のモニュメントなどなど。新しく出来たベケット橋のほとりのパブで和む熟年のカップルも良かったですよね。

そして住宅街の中の畑と、そこで紫玉ねぎを収穫してたおじさんも印象的でした。またBlooms Dayの街にはジョイス時代のコスプレをした人たちが集い…(笑)

そしてゴールウェイ編では、ケルズの書の絵柄を石の板?に彫っているおじさんがナイスでした。インフォメーションコーナーでは、マイケル・ピグノールさんというパイプとバウロンの製作者が楽器を紹介。彼がクリエイトした杖の中のホイッスルは爆笑しました。

あとはパブで楽しそうに演奏するミュージシャンたちとか、古いパブKing's Headの血のエール(ご安心ください。いわゆるエール色でそれほど赤くはなかったです)。あとサーモン釣りのおじさんたちなど。

それにしてもこの撮影時期中、割と天気が良かったようで、アイルランドにしては意外なほどピーカンな感じの様子でした。暑そうだったなぁー!(ちなみに最近話したアイルランドのガイド、山下直子さんによると、今のダブリンはめっちゃ涼しいのだそうです。今年も短かったね、夏・笑)

最後に出てきたウクライナ人の彼女をつれたお兄さんもよかったですね。アイルランドの移民の歴史に思いをはせる…

それにしても、全体を通してアイルラドは文学と音楽の国だっていうのが、よく伝わる番組構成でした。そして伝統を大切にする国民性だということも。

あ、そうそう、番組でもフィーチャーされてたジェイムス・ジョイスの『ユリシーズ』。ギリシャブルーの初版本のレプリカは、うちの神田の本屋にも置いてあります。値段は10,000円(笑)なるべく売りたくないから、高くした。

なぜ結構狭い本棚の中で場所を取るあれをあそこに置いているかというとというと、あそこの書店は、パリがコンセプトなんですよね。で、わたくし「ケルト書房」としては、『ユリシーズ』を世界で最初に発行したパリのシェイクスピア書店のシルヴィア・ビーチへのリスペクトとして(笑)

ふっ、このセンスが通じる人が、あの棚をのぞいてくれるといいけど、どうかな(笑)

良かったら、神田のうちの店をのぞいてください。


また番組内でもたくさん紹介されたアイルランドの伝統音楽に興味を持たれた方。番組でも紹介されたホイッスルやパイプやフィドルやバウロンも登場するルナサというアイルランド伝統音楽のグループが、この冬に来日。京都でライブ盤を制作します。こちらも良かったら、ぜひ。コンサートも全国であります。