映画『君たちはどう生きるか』を見ました。なるほどこれがジブリか…

 


観てきました。話題の『君たちはどう生きるか』。実はジブリを映画館で見るのは初めてだ。シネコンの大きなスクリーンの三列目で見たので、火事のシーンとか、小生物の大量発生シーンとか(笑)圧巻の迫力ではありました。

しかし、これトレイラーもないんだね。すごいな。ジブリだからこそ可能な技だわな…

なんでジブリ見ないのかというと、基本的にアニメーションって苦手なんだよね。ケルト文化好きとしては、これは致命的なことなんだけど。

かつジブリって、どうもあの世界観が苦手で…。今だに見たのは『トトロ』『ナウシカ』あと『紅の豚』。それでも三作見ているのだから、いかにすごいメジャーなものかというのがわかる。

しかし私は有名な『千と千尋』『もののけ姫』なども未見。『トトロ』はフィンランドのミュージシャンたちにうながされて、やっと見たくらい。しかもテレビで見てる。ダメだよね…

それにしても、すごい。火事のシーンとか、小生物の大量発生シーンとか(笑)圧巻の迫力ではあります。あれ、全部描くんだよね… アニメーションって、すごいな、さすがなとは思った。

これ、ほんとに今、話題の映画ではありますが、話題になっていることはわかってても自ら行こうとは思わなかった。ところが、そこに入ってきたのが某映画関係の社長Tさん、音楽関係の社長Kさんとの飲み会のお誘い。しかもご飯の前に映画みよう、という。

お二人とも私より年上で、二人とも社長で、話がむちゃくちゃおもしろい…というとにかく私の周りにいる人の中でもとにかく濃ゆいお二人なのであった。っていうか、自分で事業を回していなければ分からないことはやっぱり山ほどある。だからお二人との時間は超貴重。

そして二人ともお忙しいから、なかなかじっくりあってご飯することもない。でも会えば本当に学ぶところは大きい。(そういう先輩たちに恵まれて、私はほんとにラッキーだ)

この二人に誘われたら断るのは人生の損である。というか、この二人の感想が聞けるのであれば、私もぜひ一緒に行きたい!というわけで、ジブリの映画に初めて行ってきたのでした。

普段、わたしは映画は外仕事の空き時間に行くことが多く、一人で見ることが多いので、あまり映画終わりに「感想合戦」とかした経験がない。むかーしむかしにボーイフレンドと映画見に行って意見があわず険悪な雰囲気になったことから、人と映画には行くまいと基本決めているのだ。でも、もうあれからだいぶたって大人になったし、違う意見も聞けるようになったから、今ならもう映画を誰かと観てもいいのかもしれない。

果たして、この映画をお二人と一緒に見た、結果は…二人とも大絶賛。やっぱり駿さんはすごい、やっぱり大好きだわ、という結論に。二人とも、ジブリは欠かさず観ているそうだ。そして、あれが、すごい、これがすごいと盛り上がる、盛り上がる(笑)

私が「村上春樹とかもそうだけど、なんですぐ「お母さん」と「死」が出てくるのかがちっともわからん」というと、Tさん「それは男の子なんだから、しょうがないでしょ」とぴしゃり。なんて達観したお答え。さすがである。うーーむ!!! (これなるほどである。メモっておこう)

それにしても、いろんなことが起こる映画ではある。前半はとにかくこれらの不思議なことがどういう形で回収されるんだろうと、割と謎を楽しみながら見ていたのだが、結局それらの伏線はまったく回収されず、そのままエンディングに突っ込むという流れ。

だから映画を見たぜーっという達成感が感じられない。あれはなんだったんだろう、どういう意味だったんだろうという疑問だけがひたすら残る。

でもまったく反論できないのが、イマジネーションの力、そしてアニメーションの力で、それぞれのシーンの迫力にはいちいち感動した。これがジブリか。背景一つとっても、確かにさすがだ。この辺は大きなスクリーンで見ないと分からないのかも。

それにしてもこれ『君たちはどう生きるか』じゃないでしょ。『俺はこう生きてる』って映画でしょうとは思った。すごいな。宮崎監督って幾つなんだっけ? そんな高齢にもなって、これだけものを作るんだから、すごい。

それにしても、なんだか知らないけど、SNSの広告でしょっちゅう見かける(AIは私がこの本が好きだと判断しているのだろうか)最近漫画化されて話題になっている本と、タイトルが同じなのは偶然なのかと思ってた。

でも映画の中で、主人公がこの吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』を手に取るシーンもあり、どうやらこの本を宮崎駿が独自に解釈し、アニメーション映画化したものがこの作品…ということらしい。原作とどう違うのかな。興味を持ってしまい、岩波文庫を思わず注文。

それにしても映画の感想合戦というのも悪くない。自分と違う意見を聞くのは大事だ。ちなみにTさんによると『バービー』は言葉で説明しすぎてダメ、私が納得できない『TAR』は大好きで3回見た! 私が超大好きな『コーダ』は観てない…とのこと。

…意見があわない。が、あわなくても話してて楽しいのだから、やっぱりTさんは、すごい(笑)

そして自分が心底愛情をこめて配給したあの映画はまったく当たらなかったと高笑い。そして、それがめちゃくちゃ楽しいそうなのであった。うーん、すごい。やっぱり社長は、こうでなくっちゃ! すごいわ、やっぱりすごい。

そうそう、私も失敗してる案件の方が自慢できたりするんだよね。ほんと文化の仕事って、深いわ。

大好きな朝日ポッドキャストでもこの映画話題でした。この伊藤さんの「分からないのなら黙っとけ」っての、まさに。神田さんの言う『フィネガンズ・ウェイク』、おっしゃる通りで、私も読破したことありません。ほんとに。私も黙ります(笑)

 

本はこちら。 岩波文庫の本、注文しちゃった。