ルナサの音楽を斬る:ベースの存在


ルナサの中でもお兄さん的存在、トレヴァー。
つくづく結婚するならこのタイプの男性だよなぁ、と思う。
優しくて、物静かで、かっこいい。
こちらもプランクトンさんからいただいたステージ写真。
石田さんの撮影かもしれない。


ルナサの曲でもっともベイシー(笑)なのは、やはりこの曲かなぁ。

 

ちなみに数回前のブログでも紹介したが、同じく2000年に発表されたアルタンのアルバムにもこの曲は収録されているのだけど、こちらはまったくもって正統派の演奏。
 

同じ曲なのにタイトルが違うのは、アルタンが使っている名称の方が伝統音楽的には正しい名前で、ルナサの「Dr.Gilbert」はマイケル・コールマンだか誰だかいわゆる商業的アイリッシュをアメリカでやってた人(というと語弊があるけど)がつけたタイトルらしい。 

ルナサのスタジオ1枚目、実質上のセカンドアルバムにあたる『OTHERWORLD』ではベースの、本当に素敵な演奏がたくさん聞ける。アルバムのクロージングのこの曲とか、出だしからしていいでしょう?


これなんかもめっちゃ素敵なイントロでのベースの響き。


この曲もぜひベースに注目して聞いてみて。「おぉー そうくるかぁ」という驚きの連続だから!


トレヴァーの紹介のブログでも書いたけど、素晴らしいのは、この、楽曲に対する貢献度だよね。

トレヴァーの演奏には、自分のエゴとかカッコよく見せようとか、そういうエゴがない。ひたすら楽曲に奉仕する。

そういう人って、ベースプレイヤーに多い性格なのかもだけど、トレヴァーのベースが、本当にルナサの音楽のサウンドスケープを支えている。

これは最近の曲だけど、こちらもベースがかっこいい。ベースプレイヤーがいなければ不可能なアレンジだ。


そういえば茂木健さんが、むかーしむかしのミュージック・マガジンのレビューで書いてくれた。

ルナサがかくも熱く走れる最大の要因は、このウッド・ベースにあると見ていいだろう。生ベース特有の粘っこい音色が、従来なかったほどの艶めかしさでバンド全体を締めており、この種のバンドでは定番だったブズーキとパーカッション類の不在をまったく意識させない。

ブズーキやバウロンを完全に閉め出してなお、これだけのドライヴ感を生み出せたのは、クールフィンを率いる大ヴェテラン、ドーナル・ラニーに代表される先達に向けられたかれらの意固地と裏返しの敬意があったからじゃないのか?

(茂木健、ミュージック・マガジン 1999年4月号)

そうなんだよね。しかも多くの伝統音楽バンドが低音を軽視していると私は思う。バウロンやベースがいない場合、ベースを出すのはギタープレイヤーだったりするわけだけど、それもかなり危ういときあるよね。

バンドのサウンドスケープをしっかり捉える。それができてないバンド、多すぎ!!
ただメロディ突っ走って、70年代みたいなギターやブズーキのバックアップももう古い。

そういやうちのバンドは低音がしっかりしてるバンド多いよな… ルナサはもちろんだけど、ヴェーセン(ローゲルのギターはしっかり低音が出ている)、ラウー(マーティンの左手!)、1月に来日するスヴェング(ベースハーモニカが抜群)、アラマーイルマン・ヴァサラットなんかは全体的に低い(笑)。みんな低音がしっかりしている。

ルナサのクラウドファンディング、続行しております。ぜひぜひ引き続き応援してくださいね!!


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