吉原真里さん『不機嫌な英語たち』 読んで、読んで、絶対に読んでーーーーっっ!

 


いやーーー 来週、ついに発売になります。吉原先生の新刊『不機嫌な英語たち』。今回はサイのマークの晶文社さんから! 26日発売だけど、25日くらいからは書店に並ぶんじゃないかな。楽しみ。

野崎は光栄なことに前作『親愛なるレニー』に引き続き宣伝のお仕事を依頼されたので、再び吉原さんの本に関われて狂喜乱舞しているところでございます。

音楽ネタが中心ではない本をプロモーションするのは初めてです。緊張しますが、ここでビビっては女が廃る。やりたいことは、遠慮なくやらせていただくのが野崎流。

嬉しいよー だって、吉原さんと仕事するの、楽しいんだもの。メールのやりとりも、最高に楽しくて、おもろいし。

で、その吉原さんの「おもろさ」が最高に炸裂してるんです、今回の新刊。

いやー 今度の本は、いわゆる「私小説」なんですけど、なんというかめっちゃ「売れそう」なんです。っていうか、面白い。最高に面白いんですよね。

主人公はマリ。ご存知かと思いますが、著者の吉原真里さんは子供のころ、親の仕事でいきなりカリフォルニアに行き、そしてまた日本に戻り、その後またアメリカに留学していくわけですが、そういった異文化の中で育った経験がある方はもちろん、英語や外国語を使って仕事している人全員に共感MAXこのうえないと思う。

例えば私も心当たりがある…外国に日本人グループで居て(特におじさんたち)、その中で自分が英語が一番喋れるという立場になった時のあの感じ…とか。わかるでしょー、わかるでしょーって感じ。

でも圧巻はやっぱり少女時代の吉原さん…じゃなかったマリ(笑)。なんか最高に共感できるんですよ。

理不尽なことに立ち向かい必死に努力して英語を身につけ、なのに親は「マリはある日突然英語を話し出した」とか言っちゃう。そんな親に対する斜めな視線もたまらない。

「こんな英語でも製品を売り込めるということは、噂どおり日本の技術力は相当なものなのだろうなどと、子供ながらに考えた」とか、スーパーマーケットでマリに日本語で話しかけたお母さんにキレたりとか。私は苦労してこっち側の人間になったのに…!

この少女時代の親にイライラする感覚。それが、とってもヴィヴィドに描きだされているのです。はい、私も親のことを意味もなく相当バカにしてました。(親は父親が高校の先生、母親が電々公社(NTT)勤めでした…。社会的地位は向こうの方が高い)

それにしても、子供の頃のあの感覚をしっかり覚えている吉原さん、すごい!…っていうか、これが筆の力というやつか。すごいなー すごいなー

なんというか「頑張り屋のちょっと意地悪国際トットちゃん」…って感じかしら。吉原先生、ごめんちゃい。でも少女時代の話がとにかく圧倒的に面白いんです。

でも私も身に覚えがあります。ちょっとお勉強ができるのをいいことに(私は中学までは結構クラスの上位にいた。高校からバカになりましたが)、自分より勉強ができないクラスメイトの存在を心底バカにしていたこと。今なら赤面ものの優越感。男の子にだって口喧嘩じゃ絶対に負けなかった私は、かなりの意地悪トットちゃんです。皆さんにはばれていると思いますけど…

このちょっとした意地悪。もう女の子なら、全員が見に覚えがあるでしょう。いつだったか子育てしてる友人が言ってた。「基本的に男の子はバカで、女の子は意地悪」これこそ全人類に備わったネイチャーなのかもしれません。やばいよ。

あと、ちょっと距離があると思ってた友達が、実は結構親身に思っていて遠くから見ていてくれたことを後から知る、とか。

でもって、この本、大人になってからのマリも面白いんです。ハワイでの生活で日々のクラッシュなどなど。

そしてボーイフレンドといっしょに寝転びながら読んだ水村美苗さんの『私小説』とか、山手線の中の突然のプロポーズなど、きゅーーーーーーんと切なくなるエピソードも満載なんです。

あぁ、やばい、なんか痛い。いや、痛いのはマリではなく、私の中の何かが痛いんです!! わかるよねー この感じ! 

ぜひ、ぜひ、ぜひ、ぜひ読んで!! 年に一冊しか本を読まないあなた! そこのあなたも今年の一冊はこれですよ!

ていうか、いるよね、本全然読まない人。そんなあなたにこそおすすめしたい。そりゃあ私がこのブログで大絶賛して、それを理由にその音楽を聴いてみたり、その映画を見に行ったり、その本を読んだりしたものの、しかし野崎の好みにはあなたの好みはあわず、がっかりさせてしまった人も多くいるかもしれません。

が、私は、そういう過去をすべて棚に上げてでも、この本を推したい!! すっごく面白いです。

とにかく各章に分かれて、とっても読みやすいです。普段本読んでない人でも、これなら読めますよ。っていうか、これ読めなかったら、ちょっとおかしいって。そのくらい面白くて読みやすい。

私が好きなのは「いなり寿司の発表」(←もう書いてあることすべてに驚愕。本当にマリはすごい)、「こちら側の人間」(←共感MAX)、「レベッカの肖像画」(←日本の学校あるある、そして何も言えない自分、あるある)あたりです。でもそれ以外も、とにかく全部、面白いよ!

吉原先生は来春もプロモーション来日予定。それまで私もプロモーション続けていきますので、ぜひ生暖かい目で見守っていてください。

PS
メディアの皆さま、野崎宣伝部長です。この本のプレスリリースやプルーフなども用意しております。ご希望の方は、ぜひご連絡ください! 

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 そして、すでにご存知の『親愛なるレニー』も新しくて可愛い帯になりました。チェキら!