Peter Barakan's Music Film Festival 2023 3作品を観てきました!

というわけで、昨日はPeter Barakan's Music Film Festivalで、映画を3本観てきました。

よく3本、すごいね、と言われますが、会場同じだったら楽勝。また会場が違ったとしても日比谷〜銀座周りで映画館たくさんあるし全然可能ですよ。4本はやったことないけど。まぁ、国際線の飛行機でヨーロッパ行ったと思えば、ちょろいちょろい。

ちなみに下記にはトークイベントの話が書いてありますが、あくまで私が聞き取った内容ですので、文責のざきでお願いいたします。

1本目:ジョン・クリアリー@LIVE MAGIC 2018

ジョン・クリアリーさんって初めてちゃんと観たかも。ニューオリンズに渡った英国人音楽家。なんというか、ビリー・ジョエルとか、もし大ヒットしなかったら、こんな音楽をやりたかったんじゃないかなと思わせる感じ。(←素人意見、すみません)

もちろんピーターさんのラジオで彼の音楽は何度も聴いていたけど… ちゃんと聴いたのは初めてくだらいだったかもしれない。 で、2018年のLIVE MAGIC!って、うちのFLOOKも出演していたんだけど、私、病気で具合が悪くてFLOOK見たら、その後、後輩にミュージシャン預けてさっさと帰宅しちゃったんだよね。だから見てなかったんだ… 惜しかった。こんなにすごいライブだったんだ。

で、すごく良かったですよ。なんというかミュージシャンシップにあふれるというか、すごくいいタイトで、めちゃくちゃ良いライブだった。これDVDでも発売になっているそうです。

ちなみに大人の事情でDVDに入らなかった楽曲たちは、You Tubeにたくさんアップされています。素晴らしい!

 

上映後のトークはジョン・クリアリーのサポーター代表の判澤正大さん。島根県出身の判澤さんは、ジョンが来日すると空港から空港まで面倒を見るジョンにもっとも近い人の一人なのです。

その判澤さんは、小泉八雲とジョンさんのニューオリンズをめぐる素敵なお話を聞かせていただきました。

八雲が居た島根県松江には宍道湖があり、ニューオリンズにはご存知ポーチャントレイン湖がある。そして八雲はニューオリンズにも記者として滞在していたことがあります。

それにしてもブードゥーって初めて知った!(この記事詳しい)ジョンは、ニューオリンズでブードゥの曲を作ったんだけど、そのベースになった本を無くしてしまい、歌詞がわからなくなってしまったそうです。

ところがその本が来日した時に訪ねた小泉記念館にあって、大変感激してらして、その曲をソロで松江で演奏したそうです。素敵ですね。世界って小さい、そして大きい。

目黒のお寿司屋のカウンターにずらっとステージ衣装のまま並んでお寿司を食べたとか。来日ミュージシャンあるあるなんですけど、最近のミュージシャンはご飯のこととかもTripadviserでよく調べてくる!(笑)

他にもジョンのfacebookってめちゃくちゃ面白いそうで、文章も割と長くてユーモアがあって…とのこと。なるほど。来日まで、私もフォローしてみようかな。

それにしても再来日が楽しみですね。ジョン・クリアリーさんも登場するLIVE MAGIC!の詳細はこちらへどうぞ。10月21日、22日、お馴染み恵比寿のガーデンホール・ガーデンルームにて行われますよ。

そして二本目に見たのがこちら、『Dance Craze 2 toneの世界』

 

いやーーーなんというかトップのエネルギー量で、ガンガン押すように演奏してくるので、もう見終わったあとは「ぐったり」という感じなんですが、なんというかリズムが一緒で同じようなノリの音楽なので、いろんなバンドが次々出てくるんだけど、通してみていてもまったく違和感なくつながっていくのがすごい。

こちらは先ほどのライブ映像とは打って変わって、カメラがものすごく近く、ちょっと素人撮影っぽい。ステージ袖もしくはステージ上から撮っている映像が多く、ものすごいリアル。全部同じ会場で撮っているのかなとも思ったけど、最後のクレジットを見るとそうではないらしい。

ロンドンのスカ・リバイバル文化のバンド。マッドネス、スペシャルズ…とにかくみんな演奏中にずっと飛び跳ねてる。歌はもちろんだけど竿もの(ギターやベース)持って、よくこんなに演奏できるよな、と。

こちらも上映後のトーク付き。ピーターさんの解説がとても興味深かったです。ピーターさんはシンコーミュージック勤務時代にスペシャルズとかの出版に関わっていたのだそうです。届いたサンプルシングルレコードのA面とB面に違うバンドが入っていて、びっくりしたエピソードとか、とにかくこの手のバンドはみんなものすごく短命だったそうで…

映画の最後でファンまでもがステージあがって飛び跳ねて大変な騒ぎになるのですが、あれは彼らの定番のライブの終わり方だった。でも80年だかそのくらいの日本でそれをやって大問題になったそうで、来日は一回しかなかった…などなど興味深い話が満載。

でも私が一番印象に残ったのが、ピーターさんはバッドマナーズのあのフロントの彼が大嫌いだったと言うこと(笑)。あの舌を出したりするのが最高に気持ち悪い(ある意味、演出なんだろうからほめているのですが)のとは別として、あのタイプの、いわゆる小さめのTシャツ、サスペンダーをして、太っていて、スキンヘッドというあのスタイル。

あぁいうスタイルの悪ガキが3人くらい前から歩いてくると、子供の頃のピーターさんはいじめられまいと必死で逃げ出していたそうです。ロンドンに住むピーター少年の対極にいた悪い少年たち。なんか想像できますね。ちょっと笑える(といっては失礼ですが)エピソードでした。

そして3本目は、大好きな『コミットメンツ』の上映です。

ここでは上映後のトークに呼んでいただいちゃった。大好きな映画なので、超光栄!!

いやー ほんとこれ、私が一番好きな映画かも。これと同じくらい好きなのは『ONCE ダブリンの街角で』なんですが、どちらもダブリンが舞台の映画で、どちらにもグレン・ハンザードが出てる。

グレンがちょっとかわいそうなのが、彼が必死でやってたFRAMESというバンドはなかなかインターナショナルズに開花せず、海外で知られている彼の活動は、これとONCEだけなんで、ほんとミュージシャンの人生って上手くいかないな…と思ったりしているのでした。それって悲観的な見方?

でもグレンのインタビューはいつもすごく良いものが多く、HOT PRESSとか一時食い入るように呼んでました。読むたびにミュージシャンの人生ってなんだろうなって、いつも考えさせられますね。

こちらがアウトスパンこと、グレン・ハンザードがやっているバンドFrames。

 

こちらはもちろんみなさんご存知の『ONCEダブリンの街角』より。Falling Slowly。しかし、グレンは、来日もしたけど、あれもSwell Seasonだったしなぁ。それにしても良い映画。

 

ちなみに今回初めて知ったのですが、ピーターさんによるとOutspanというのはオレンジの一種らしく、オレンジの髪の彼はそんなニックネームなんじゃないかな、ということ。うーん、そういう深掘りが面白い!!

こちらがネットで見つけたOutspan。面白い!



そしてこちらがヴォーカルのデコこと、アンドリュー・ストロングのオーディション写真。ま、まだ子供やん!!!?


でもって、映画にも最初のリハーサルシーンで「Mustung Sally」を歌いだすところあるでしょ? あれて、リアルに映画のオーディションの時、そういう感じだったそうです。彼が歌い始めたらアラン・パーカー始め、その場にいたみんなが息を呑んだ…という。

もともとは彼のお父さんがこの映画のオーディションのために集められたハウスバンドをやっていたそうなんです。ロブ・ストロングといって、ダブリンでは人気のミュージシャン。よくブルースやソウルのカバーをホテルのバーで演奏してる。私も何度かライブで見たことがあります。


つまり父ちゃんの仕事場にアンリューは遊びに来ていた。そこで歌って、デコ=デクランの役をゲットしたというわけなんです。

私は『コミットメンツ』公開当時すでにアイルランド音楽の仕事をしていたので、偶然にもライブを見る機会が何度もあって、かつツアーバスにも同乗した経験があるのだけど、アンドリューは1人でとっても若くて、バックバンドから何からベテラン勢で固めてたから、ツアーバスの中で彼は後ろの座席に一人で座り、ちょっと寂しそうだったのを覚えています。

でも映画と同じデニムのジャケットをいつも着ていて、Fワード連発、って感じでしたけどね。歌はさすがに抜群にうまかった。デコいいなぁ。あの時の東洋人覚えてないだろうけどなぁ…

『Strong』ってアルバム出して、すごくよかったんだけど、今はどうしているんだろうと思ったら、まだ歌ってますよ。声、あいかわらずすごい。



そうだ、トークで言い忘れたけど、当時アンドリューは、あのポール・ヤングと同じ事務所に所属してたんです。Everytime You Go Awayのポール・ヤングです。だからコンサートの打ち上げにポールがやってきたんだよねー 当時英語力にあまり自信なかったから(今でもとてもうまいとは言えない)話しかけられなかったけど。大ファンだったので、とても嬉しかった記憶があります。懐かしいなぁ。憧れのロンドンで、自分は今、憧れのポールと同じ現場に一応公式に一緒にいるのだ、という。

とにかく私はこの彼らの英語がすごくかっこよく思えて、ダブリン…もといドブリンのアクセントを真似したくて何度も何度もこの映画を見て、悪い言葉をいっぱい覚えましたね。

英語じゃとても書けないイージット、アースホール、ファック、ワンカー、ティッツ、ボロックス、テスティカルズ、ニップルズ、ライドなど(笑)

あとちょっとしたフレーズ。ジンジャーとは赤毛の蔑称だということ。

あとアウトスパンの「彼女見に来ないっていったのにー」バンドのみんな「誰?」アウトスパン「おれの母ちゃん Me Ma!」っての。Myを、Meって言うのがかっこよくて自然に言えたらいいなぁ、っていつも思ってますけど、ついついMyになっちゃう。学校で習った「I My Me Mine」は強い(笑)

あと「Rome wasn't built in a day」ローマは1日にしてならずだ!とジョーイが最初のリハで言うと「Dublin was」ダブリンならできちゃう「within 1 hour」1時間でできちゃうわよね…と女の子たちが言ったり…

「ディペッシュモード、アズテックカメラ…」とドラマーの子が影響を受けたアーティストをいうと、マネジャーのジミーは「Fucking art school stuff」とバッサリ。そこへサックスの子が「But Beatles went to art school」…とか。

もういちいちセリフがいいんですよね。セリフは結構ロディ・ドイルの本そのものから取られているので、本、できれば英文を読むことをおすすめします。改行多めで、ほぼ会話だけの本なので、英語だけど読みやすいかも。

いずれにしてもこの映画を語り始めたら、もう止まらないので、このくらいにしておきますが、有楽町の大きなスクリーンで、またこの映画がみれて、しかもトークにまで呼んでいただき、感激MAXです、うれしいーーー!!!

ちなみに『コミットメンツ』の上映は、まだあと一回あります。大きなスクリーンで見る最後のチャンス?かも? とにかく最高にご機嫌な映画なので、絶対に見てくださいねー

私は上映がある17日は、取引先の若い女子たちを引率して焼肉ランチ&『バービー』を見に行く予定だったのですが、それを無理やり焼肉ランチ→『コミットメンツ』→『バービー』に変更中(笑) うまく調整できるかな。来週の週末も楽しくなりそうです。

バラカンさんの映画祭には、他の日程も行く予定。たぶんあと五回くらい?



昨日の様子。友達が写真撮ってくれた。ありがとうございます。

そして最後はもちろんルナサのクラウドファンディングなどの告知をさせていただいたのでした。

秋のケルト市 10/28   『Wolfwalkers』上映+ピーターさんのアイルランド音楽DJもあります!

ケルティッククリスマス 今年はダーヴィッシュ、ルナサ、デヴィット・ギーニー
コミットメンツとはだいぶ違う音楽ですが、オーディションのシーンにパイプや、フィドルを演奏する人も出てきましたよね。伝統音楽の世界を堪能してください!

>そして今一番力をいれているのがルナサ!! 京都のライブ3本と、クラウドファンディングです。こちらもよかったら覗いてくださいね。

ピーターさん、この企画を頑張られているVALERIAの小倉聖子さん、本当にありがとうございました。


PS
バラカン映画祭のパンフレットですが、なんともう在庫がないそうです。蛍光ペンと色鉛筆で私の日程表ぐちゃぐちゃなんですけど…!! ホームページをプリントアウトしかないかな…


やっぱり音楽映画は音楽ファンの人たちと見たい。皆さん、引き続き会場でお会いしましょう!