映画を4本も見た週末『コミットメンツ』『バービー』『コーダ』『ZAPPA』


こんな素敵なケーキセット食べた。贅沢ぅ〜
いかん、クラウドファンディング中は贅沢禁止なのに!!!
でもたまの女子会だったから、いいよね。


皆さん、連休はいかがでしたか? って、普段はまったく連休など意識しないわたくすですが、連休中は珍しく友人たちと映画をたくさん見ました。普段一人で行くことが多いんだけど、いやー 友達と行くのはいいね。感想合戦も楽しいし。

といっても、映画の方は、ほとんどはリピートものだったわけですが(笑)、どれも最高に素晴らしかったので、しつこいうようですが感想を書きます。


(1)ピーターさんの音楽映画祭にて、『コミットメンツ』を再び。

映画館で見るのは3回目、DVDで20回くらい観た。配信でも20回くらい観た。この映画のすべてが好きです。特にエンディング。ジョーイのセリフもいいですよね。

「バンドの成功などなんでもない。お前はみんなの未来を開いたじゃないか。こっちの終わり方がよっぽど詩的だ…」

あぁ、いいなあ、あのシーン!!!

あと、このプロコルハルムの名曲は、『コミットメンツ』の中でも何度か紹介されます。チャリティ公演の打ち合わせのため、教会で神父さんを待ちながらスティーブンがパイプオルガン弾きながら、歌うところとかも素敵。

「へんな歌詞だよな」「まったく理解できないぜ」とジミーとスティーブン。

そこに現れた神父さん「まったく同感です。私にもこの歌詞の意味はわかりません」(笑)

この曲のプロモ映像って、初めてみた。

そしてこの曲は映画のエンディングにも出てくる。

それにしてもこのエンディング泣ける。ジミーの妄想インタビュー(笑)

 What have you learned from your experience with The Commitments?
コミットメンツの経験で学んだことは? 

 Well, that's a tricky question, Terry. But, as I always say,
それはトリッキーな質問だな、テリー 。でもいつもこう答えることにしているんだ。

We skipped the light fandango
Turned cartwheels across the floor
I was feeling kind of seasick
But the crowd called out for more...
僕らは軽いステップでファンダンゴを踊った
ダンスフロアを車輪のように回転しながら
船酔いしたみたいに感じがしたけど 人々はもっとやれとはやしたてる
(A Whiter shade of Paleの冒頭の歌詞) 

 That's very profound, Jimmy! What does it mean?
そりゃ思わせぶりだな。どういう意味だい、ジミー?

 I'm fucked if I know, Terry! 知ったこっっちゃないよ、テリー! 

 そして「Try a Little Tenderness」の曲のサビがあがってくるところが、なんとも! 最高!!! コミットメンツ最高! アラン・パーカー最高!!

 

そしてデコの声もあいかわらず素晴らしいのでした。ありがとう、コミットメンツ。またスクリーンで会いたいよーーー(涙)

 

ところでこの上映時、知り合いのアイルランド人夫婦が子供(ティーンエイジャー)を連れてこの映画を見に来て「こ、言葉が…orz」となっていたのが笑えた(ごめんなさい。でも笑える)。確かに親の立場からすると、子供には見せたくない映画(笑)

そしてこのお嬢ちゃんはおばあちゃんと『バービー』をアイルランドで一緒に観たんだって、ちょっと素敵!(それにしても背が私よりうんと高くなって、びっくり。知り合いの子供というのはすぐ大きくなるもんだ)



(2)『バービー』

で、その『バービー』。映画館で視聴2回目。この映画が見たいという若い女子2名を引率(笑)。上映後、先輩ズラして、あれこれ持論を熱く語ってしまい、うざがられたかも(爆)

でも細部を確認できてよかった。『高慢と偏見』の素敵なコリン・ファースは7周見るのね! あそこはもしかすると『愛の不時着』(私は見たことない)にしたかったのだろうけど、シンクロの権利が取れなかったのかも…などとあれこれ詮索(笑)。

そして私は、やっぱりあの最後は「婦人科の検査をうけなさい」という制作側からのメッセージだと思う。妊娠うんぬんいう映画マニアがいたけど(2001年宇宙の旅へのオマージュで)私は違うと思うし、グレタもインタビューでそう答えてたのを読んだぜよ。

そのほか、もろもろ細部を確認。本当によくできた映画だ! すべてが完璧! 若い女子は最後のバービーのファウンダーのおばあちゃんとバービーの会話のシーンで、うるうるしていたそうだ。うん、みんな自分らしく生きよう! バービーもケンも最高!

写真を撮ってもらったのだが、こうしてみるとほんとにオレってチビ。箱の半分くらいしか背丈がないやんけ… 普段自分がチビなのを忘れていたので衝撃画像(爆)




(3)『コーダ』

こちらは映画館で見るのは2度目。でもピーターさんのコメントも聞きたかったんだ。配信ですでに5回くらいリピートしてる。大好きな映画。もうすべてが好き。

ゲストトークで来ていらした松田高加子さんのお話もいろいろ目鱗で感動した。松田さんから観るとあの家族が置かれた状況は「ありえない」のだそうだ。松田さんを紹介した映像がこちら。

もんのすごく勉強になった。こういう見方もあるんだ、と。そして「聾者」「ろう」という言葉の意味も。耳が聞こえない人でも、いろんな人がいるんだ、という… いやー 勉強になる。いろんな世界がこの世にはある。

最後のお父さんの「GO」にも涙。聾の方でも喋る人と、まったく喋らない人といろんな方がいるんだって。しゃべれても、それは聞こえる人と全く同じにはならないから喋るのやめちゃう人も多いんだって。それぞれだよね。それぞれそうやって生活しているんだ、みんな。

そして… コーダ。やばすぎるよ、やばすぎる。この映画のすべてが好き!! あの家族にまた会いたい。やばいもう一回上映あるんだよね、また行っちゃうかも!!!! お父さんは最高だし、お母さんも最高、お兄ちゃんがこれまたいいんだ!! 聾者の俳優さんたち、すごい表現力で、音がないのに、めっちゃうるさい(笑)

特に最後の「Both Sides Now」とか、ずるいと思ってても、やっぱり感動しちゃう。あの曲はずるい。本当にいつ聴いても最高だ。

そして、ほんとにルビーがいい!!! 最初おどおどしながら、どんどん心を開いていく様子も。

先生も最高。「歌う時どんな気分」と先生に聞かれたルビーが一生懸命に説明しようとし、夢中になって話すのをやめ、手話で話し出す、あのシーン、大好き。

手話はわからないのだけど、ルビーがなんて言ってるかわかる。あそこでいつも泣いちゃう。そしてそれからあとは、もうずっと泣いちゃう! そして「家族の外で行動したことがないんです」って言葉も。

あぁ、やばい。やっぱりもう一度見るかなぁ。あのお父ちゃんにまた会いたい、お母ちゃんにまた会いたい、お兄ちゃんにも。あの家族にまた会いたい。

ちくしょーー とりあえずサウンドトラック聞くぜ!!  そしてまた泣く。いくらでも泣ける!
 


(4)『ZAPPA』

こちらは『コーダ』のついで、で見た。一緒に行った友人がこれも見るというので…  で、結果、すっごくおもしろかった!! ZAPPAって難しいと思っているから、敬遠してたけど、こんなに面白い人なんだ、と。

いやーー 感動だった。彼もローレル・キャニオンの住人だったんだよね。

そして今の私なんかよりも全然若い年齢で前立腺癌で亡くなった。あんなにプロダクティブな人だったのだから、たぶんあと2年生きたら、あと10枚アルバム作ってたよね。もっともっと音楽作りたかったに違いない。

でもZAPPAを失った世界は、あの当時とは全然違う方向に動いている。レコーディングが売れる時代とともに生きた人でもあったと思う。でもすごい。ポップスのようでジャズのようで、長い長い即興。

最後はオーケストラを動かし、ザッパ信者があつまった室内楽みたいなバンドで現代音楽みたいなのをドイツで演奏したとか、あれこれ共感ポイント多し。真にクリエイティブな人とは、彼みたいな人のことを言うのだろう。

そして真面目な人だった。政治的な発言はもちろん、まがったことが大嫌いな人だった。すごいよなぁ。

上映後のトークには「オシャレキシ」こと(笑)、上原ひろみさんが登場。彼女のピアノが炸裂するこの曲のこのライヴ・ヴァージョン、大好き! 元気が出る。貼っとこ!


いかん、オシャレキシに引っ張られた…

上原さん、すごいザッパのファンなんだって。なんと高校生の時から聞いてたんだって。即興部分がたくさんあるのがすごい、って言ってた。なるほど、そうなんだ!! 彼女の演奏も即興だものね。最初はZAPPAの映画で、なんで上原さん?と思ったけど、なるほどそこで彼女がやっていることと、ZAPPAがつながった。

すごいよね。でもって、同時に上原さん、ZAPPAの作曲マインドってどんなだったんだろうって想像が膨らむようで、そのことを話されていたのが、とても印象的でした。

そもそもZAPPAは作曲は自分の頭の中にあるものの再現という要素が強かった。しかしそれでは参加するMusicianたちはZAPPAの想像の域を超えてこない…と。

だから果たしてそれが正解だったのか、作曲家として完璧に書くのいいのか…等々、ご自身の音楽活動とも照らし合わせていろいろ上原さん、思うところがあるようで、そういう彼女のグルグルする思考にも、とても感動しました。

こういう悩んだり考えたりする人は素晴らしい。そこが音楽に入るとまったく迷いがなくなるんだよなぁ。そこが彼女の魅力なんだよなぁ。

そして、「(ZAPPAと)話がしてみたかった」というひと言葉にきゅーーーんん!!

いやぁ、気持ちわかる。っていうか、生きてたら、絶対に話してたし、話あってたよね!! いいなぁ、上原さん。いつぞやアメリカ国内ツアーの飛行機での持ち込み楽器の話でもすごく感動したけど、ほんと一度ちゃんとライブ見に行かないとなぁ! というわけで、とても充実したトークだったのでした。

それにしても、ありがとう、バラカン映画祭、来年のプログラムも超期待しています!! ピーターさん、小倉さん、本当におつかれ様でした。というか、あと3日上映期間あります。『コーダ』はまだ見れるよ、見てない人はもういないと思うけど、ぜひ!

最後に宣伝。このブログを映画の感想チェックのために読みに来た人たちへ。

今、私はルナサというアイルランド音楽のグループのライブアルバムを制作すべくクラウドファンディングを行なっています。ぜひ!