Caoimhín Ó Raghallaigh & Thomas Bartlett

先日ルナサの磔磔の3日間で、開場時・休憩中・公演終了後のBGMに、これをかけていた、3日間これで行く予定だったのに、3日目にこの音楽を聞き飽きたらしいメンバーが、勝手にBGMを変更してしまった。

どうやらルナサの連中はこういうのは好きではないらしい(笑)

これをかけていた最初の2日間は物販のテーブルに私が座っていたら、お客さん何人かに「今かかってる音楽はなんですか」と聞かれたりした。そう! こういうBGMの音楽は、次に売り出す(かもしれない)音楽の紹介の場でもあるのだ。だから重要なのだ。

3日目、あれ、ふと気がつくとBGMに全然別の音楽がかかっている。「あれ? なんでこうなってんの?」「勝手に変えないで」と磔磔のエンジニアの方に言うと「バンドのエンジニアが変えました」と言う。

エンジニアのマイクに確認すると、バンドが変えろと言ったのだという。うーん、そうですか。でもこういうことは出演者ではなく、主催者(わたし)の方に決定権があるんだよね。

私は多少ムッとして「こういうことは、主催者である私に決定権がある。私にとっては次に呼ぶかもしれないバンドのプロモーションの場でもあるんだから勝手に変えないこと!」と久しぶりに雷を落とそうと思ったのだが、

なんか京都公演も最後だし、岸田さんたちのチームも楽屋にいたし、よく他のオーガナイザーさんに野崎さんはバンドに厳しいですねと言われるけど、まぁ、もう最後だし、今回はやめておくかと思って、もういいや、と思って何も言わず放置してしまった。私も弱い。

そんなわけで、最後の日はフリートウッド・マックとか、なんか適当なものがかかっていたと思う。

でも最初の2日はずっとこのCDをかけていた。ご存知マーティン・ヘイズ率いるThe Gloamingのメンバーであるキュビーン(ヴィオラ)とトーマス(ピアノ)の二人である。


そうそう、この二人以前にThe Gloamingを、日本に呼ばないのかと何度も聞かれた。

The Gloamingについては、エージェントと言われる人たち(二つも会社が登場した)から連絡をもらってミーティングもした。東京に別のジャズグループと一緒に来日した某エージェントさんが来て、そこで真剣に2時間くらい話した事すらある。

でも、それでも実現できなかったのは、理由があるからだ。その理由については、また20年後くらいにこのブログをまだ書いているようであれば、書くかもしれない。

お客さんや関係者はよく簡単に「誰々は呼ばないんですか」と言ってくるが、事情があるのよ、複雑な事情が。それをイチから、しかも同業者ではない人に説明する事は、とても無理がある。

だから私は他の同業者やプロモーターにはどんなに仲の良い人でも「誰々を呼んでください」とか簡単に言わないようにしている。そこはやっぱりその人の、ほぼ唯一と言える聖域でありフリーダムなのだ。ほんとプロモーターとかって、アーティストを選ぶ自由以外、ほとんど自由はない。

世の中は厳しいし、予算も潤沢には準備できない。あれこれ障害がある。それを乗り越えて実現にいたるわけだ。

まぁ、それはさておき…こういう音楽もなかなか面白いと思うんだよね。最近は、なんかこうチャカチャカしたアイリッシュトラッドとか、私はもうあんまり聞きたいと思わなかったりするのだ。世の中がこんなに悪いと、あんまり騒ぐ気になれないというか。

とはいえ二人の来日の可能性は限りなく少ない。キュービーンはすごく来たがっていて、何度かメールをもらった。でも最近パパになったりもしたから、状況はどんどん変わってきてしまっている。今、またメールしても、来たいと言ってくれるのだろうか。

とはいえ、彼らの音楽は配信でも聞けるし、CDもアマゾンなどで購入できる。良かったら、愛聴してください。