ケイト・マーフィ著、篠田真貴子監訳『LISTEN』を読みました。これは素晴らしい!



ツアー中からたまったブックレビューがすごいことになってます。

2冊並べておりますが、まずは左側の『LISTEN - you are not listening』から紹介していきましょう。

いやーーーー これは久々の大ヒットの実践書でした。これは素晴らしいというか、なんというか、まさに私にとって必要な本でした。この本に出会えて良かった!

私ったら、ほんと人の話、聞かないのよねぇ。分かっちゃいるんだけど、人の話を聞くのが苦手。そしてついついおばちゃんトークに走りがち。

これも年齢か? いや、すべてを年齢のせいにしてはいかん。ちゃんと向き合わねば、自分の欠点に。

でも聴くことは重要だとこの著者は言っている。わかっているのよ、そうなのよ。聴けば聴いている方は情報収集になる。ところが話している方は、単なるアウトプット。もちろんアウトプットすることで自分の頭が整理されるなど良いこともあるのも事実。

人に話を聞いてもらっているうちに自分の中で答えがむくむく立ち上がってくる、とかよくあるもんな…。

ちなみに私の親友たちはみんな聞き上手だと思う。彼女たち、彼らたちと話していると、どんどん自分が整理されていくのが分かるんだ。

本当にありがたい。

しかし! それだけではダメなのだ。

「私たちはみんな、人生の中で注意を向けて聴いてきたものの集大成なのです」とは監訳の篠田真貴子さん。

篠田さんはご存知、私が著作のプロモーションを担当している吉原真里さんのお友達。吉原さんの仕事をするなら、篠田さの本も読んでおかなくちゃというわけで手に取ったのだけど、でもこれ、すでにかなりのベストセラーらしい。

ほんといろんな重要ポイントがあるんだけど、響いた箇所のひとつがこれ。「人の話というのは、意外な展開もあったり不確実性がある」と。

例えば暇な金持ちの多くが旅好きなのも、みんな旅で不確実性を味わいたいわけだ。でも人間の生活は基本的にルーティンだ。同じ場所に行き、同じ人と会い、同じようなものを食べて生きている。

が、「逆説的にいえば、生きた実感を一番味あわせてくれるのは不確実性なのです」と著者は解く。なるほど、するどい。そうなんだ、旅に出ると、普段よりも生きてると思うもんね。

それと同じ。つまり人の話を聞かないのは、不確実性がない、なにも起こらないつまらない人生なのだ、と。そこで起こるのは、退屈な時間と、新しい学びのない、つまらない人生なのだ、と。

…うわ、重いなぁ、これ。

そしてよくある大量殺人犯の共通点は「誰も話を聞いてくれなかった」。そう、映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』で、マリリン・マンソンも言ってたよね。「彼らの話を聞く。それは誰もしていなかったことだから」と。

そして「ジャッジメントをしないで聞くことが大事」。これ、言葉では分かっても難しいよね。だいたいは聴きながら、「それは違う」「それはあり」とあれこれ考えている。そして次になにを言うかを考えている。そうじゃないのだ、それじゃダメなのだ、と。それでは聴いていることにならない。

またこれは本の主題とは離れるけど、面白い話が。音楽が流れていると人は買い物をしやすいのだという。ほんと日本の店舗はどこも音楽がうるさいが(時にはレストランでさえも)、そういうマジックがあったのか、とちょっと開眼。

あ、あと笑ったのは「つまらないギャグを言う人は、大抵人の話を聞いていない」っての。はははは、親父ギャグばかり連発している皆さん、この本を読んだ方がいいかも、ですよ。


そうなんだよね。この本は「聴く」ことの素晴らしさを教えてくれる。


 そして、さらにこの「聴く」ということを実践的にまとめたのが、次に紹介する『まず、ちゃんと聴く』だ。こちらについては、また次のブログにて。

まずは素晴らしい日程を作ってくれたハーモニー・フィールズさん主導のツアーなんですが、スヴェング。東京公演はウチで作りました。南青山曼荼羅で、アットホームなライブハウス公演です。


ハーモニカだけで、すべてを演奏してしまうフィンランドからやってきたカルテット。宮崎アニメのテーマ曲や、ハリー・ポッターなどの映画音楽、「恋のバカンス」や「赤とんぼ」もやるよ。シベリウスとショパンも! 詳細はこちら。

もうひとつは、こちら。LAUのエイダン・オルークと、ハイライド・パイプスのブリーチャ・キャンベルのデュオが、能とのコラボ公演のワーク・イン・プログレス公演(まだ制作過程にあります、ということです)で来日。


詳細な情報へのリンクはこちらから、どうぞ。 

ちょっと瞑想系入ってる骨太な音楽。これもまたケルト。