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本のブックレビューが続きます。たまってるんだ、本の感想文。
実はこの本は、某トークイベントに参加したことがきっかけで購入した。ちょっと仕事上の理由があったんだけど、ま、ちょっと会場の様子見てみるかーということで行ったのに、トークの内容が抜群に面白かったので講師の先生の本を会場で購入。サインもいただいたのだが、その時の誠実な感じがこれまた素敵で、すっかり山本さんのファンになった。
会場は「建築おたく」っぽい人や、建築を学ぶ学生さんたちも多く、最近どのイベントに参加しても思うのだが、お客さんは「おたく」「専門家」「おっかけ」の人が多い。ちょっと面白そうだからぷらっと来てみた、みたいなのが最近は本当にないよし、そういうのに来る人のイベントはイベントで、ハードルをめっちゃ下げてかなりセグメントされているように感じる。
コンサート会場も最近は本当に同様だけど、みんな余裕がないのか、好きなことが明確にはっきりしているのか…とまぁ、 人のイベントに来ると、そういうことばかり考えてしまう。それはさておき…
山本想太郎さんの『超インテリアの思考』。インテリアというと家具を選んだり、レイアウトを考えたりということになるのかもしれないけれど、今はもうそういう時代ではなく、もっと私たちの生活空間を立体的に考えていくことが大事で、自分の生活大気圏の可能性を広げていこうよ、というそういう内容のポジティブな本だ。
そもそも空き家問題も話題になり、新しくものを建てるとなれば、人材はいないし、素材も不足してる昨今、世間の風当たりを考えると、本当に建築ってこれからが難しい業種なのかもしれない。というか、これまでと同じように当たっていては未来がない、そういう業種。
私も実家の処分を考えると頭がいたい。まだ両親はピンピンしているが、相当高齢(たしか父は90歳、母は84歳)なので、いつどうなってもおかしくない状態。
一方で自分の生活空間は、いちおう満足いくものとはいえ、時々「せっかく良いところに住んでいるのだから、もう少しなんとかならんかね」とも思いつつ現状改善の余裕がない。
私がここに2011年に越してきた時は、家賃が3万あがって、果たして払っていけるか悩んだものだが、そもそも銀行自動引き落としなので、そんなことも普段は忘れている。
それよりも日当たりが良く、都心にも気軽に出られて、毎朝元気よく土手を走れること、スーパーや薬局は便利な場所にあり、内科の信頼できる先生がいて、2軒となりには執刀医まで住んでいることを考えると、ここ以上の場所は考えられない。それだけではなくネットがスイスイ繋がることや、プライバシーもセキュリティもしっかりし、大規模災害にも備えられている。
でもって、そんなすべてが今やインテリア=超インテリアなわけなのだ。
最近「終のすみか」を求めて引っ越した友人を羨ましく思い、私も早く仕事をやめてどっかに落ち着きたいなぁと思う。でもその友人が「今いるそこが終のすみかかもよ」と言ってくれたので、はっとした。
確かに家賃は楽ではないけど、ここまで気に入る場所もなかなかないかも。というわけで、最近、自分はもうずっとここでいいのかもと思い始めた。あとは犬を飼ったり、ピアノを習ったり、そういうことも実現それば、私のインテリアは完璧だ。
ま、あとは家賃をどう払っていけるか、ということなんだけど(何度も言う)。そんなふうに生活改善に悩む年頃の私としては、いろんなことの参考になる良書だった。
この本は建築のことに詳しくなくてもスイスイ読める。日本人が妙に平面で棲家を考えること、なぜか家と家の間・家と公道との間に塀を作りたがること、バルコニーという存在、そして素材(特に木材)、地震対策、あとショッピングモールはどうして湾曲しているのかとかいったことから3Dプリンターの可能性まで。
そして今、社会の、新しいものを建てることに対する向い風の強さについて。人々の価値観の変化も大きく関与してくる。
そもそも建築業界なんて、音楽業界よりもさらに保守的な感じがする。巨匠と呼ばれる人たちもたくさんいるし、山本さんも私と同じ歳だってのに「若手」に分類されるらしい。
いろいろ思うところはあれど、こういう人が社会に風穴をあけていくんだなと感動しました。
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ところで、こちらは私なりの「超インテリア」。うちはベランダが広くて、サッシ4枚分の景色があり、日当たり抜群でとても気持ちがいい。冬は太陽の位置のせいか、部屋の奥まで日光が入り、夏は陽が入らず涼しい。
部屋の内側と外側に植物があって、外に広がる感じがする。良い環境でしょ? 渋谷区とか中央区に狭くて環境悪い事務所構えてる人は、荒川土手に来るといいよ。気持ちいいぜぃ〜。
さて今日も1日頑張りましょう!