矢口祐人『なぜ東大は男だらけなのか』を読みました。ショックな内容ですが、まずはここから始めよう。 

 


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いやーーー びっくらこいた。これが現実なのか? まったく目を疑う。そして東大がこれじゃ政治家とか、日本の企業のトップとかの、今の体たらくぶりは理解できるよー。すごい世界だよー。日本の上層部って(大雑把)、こんなんなってるの? えーーーーっっ?!

最初の方に出てくる東大女子加入NGのサークルがあるということ。でも確かにそんな話は聞いたことがある。東大だけじゃなく、リベラルと言われる早稲田とかでも、そういうサークル存在してなかったけか? 

やばいよね。そうか、日本の男尊女卑はここから始まってたのか?

そしてそのサークルでは、東大に入学した(頭のいい)女性たちを排除し、他大学の女子たちをサークルにいれ(しかも大学のご指名まであるという。何様?!)飲み会などでクイズをだし女子大生の「ばかいじり」に興じているのだという。

おい、おい、おい…

でもサークルって学生の自治のはずだから、人間はほっとくとこういうことになるという、これが正直な縮図なのかもしれないとも思う。つまりおそらくネイチャー的に、男は女をバカにする存在なのだということだ。

それに自覚を持ち、矯正していくのが人間なのだと思うのだけど…。いやぁ、びっくらこいた。

つまり頭のいい男性にとって、頭のいい女は、そんな扱いなのかー 頭の悪い女は女で、そんな扱いなのかーと、もう驚愕。この本を読んでて最初に頭に来たのはそこである。

こういう学校から政治家や企業のトップが出てくるんだもん、これじゃあ日本の社会はこうだよね、と妙に納得。

そうそう、本には上野千鶴子先生はもちろん、加藤登紀子さんのお名前もたびたび登場。そうだ、加藤さんも東大だった…と改めて感動する。普段忘れてるわ…

この世代の女性たちは本当に素晴らしい。上野先生の「がんばったら報われる、そう思えること自体が環境のおかげ」というお話は一時かなり話題になった。あれは上野先生らしい「作戦」だったと思うのだが、そのことももちろんこの本には載っている。

最近浜田敬子さんがツイートしてたこのニュースも気になるが…

いやー、学校っていったいどういう場所なんだろうな、大学ってなんなんだろう、って真剣に考えちゃったよ。こういう学校が日本の最高府なのだから、呆れる。

でも自分のこともよく考えてみたら… 自分が大学生の時、クラスに女子が少ないことに自分は疑問をもたなかったのか? それについては後で書くとして… 

この本は、最初は学部内の女性比率の話題から、東大に入ってくる高校生の出身校(これが見事に男子校ばっか!)などの話から、女性のいない東大キャンパスには、女性の銅像もないということなど、「言われてみれば」みたいに気づかないことまで、どんどん掘り下げていく。

東大は46年に共学になったものの、それは46年という数字が表すように戦後アメリカから言われてそうなった。(ここにもまた努力しないで何かを勝ち取った日本人の存在が…以下自粛)

ただそれ以前も、公開講座への参加や、非常にわずかなんだけど、大学院に入学が許可されたケースもあるのだそうだ。

17歳で「女だてら」に文学部の夏季講座に参加した女性などは、ちょっと『親愛なるレニー』の天野和子さん(彼女も始めてレニー宛に手紙を書いたのは18歳の時)を思わせてグッとくる。こんな差別された存在にありながら「学びたい」「知りたい」そんな気持ちを持つなんて、涙がでるわ。

しかし東大は、共学化の時には、男女共学化を「画期的事件」と呼び、女子学生を「華やかな、ただしあまり美しくない」とか、当時のセンセたちは女の子たちに言っちゃってたわけですよ。(まるで麻生某のようではないか。麻生某をこういうおじさんたちは笑えるのか?)

そして東大は女子学生においては「最高級の花嫁学校」(あぁ??)とし、将来は大使や公使として活躍する東大男子の妻としての「ホステスとしてのかたわらユネスコの嘱託となる、というのがごく自然なイメージ」とか「あるいは研究者と結婚して夫の研究を手伝う」とか「翻訳をしながら配偶者を助け」とか言っちゃってるわけですよ。

ありえなーーーーーい! 今なら本当に怒り爆発!

女は大使や外交官になっちゃいけないの? 研究者になっちゃいけないの? 秘書業務以外やっちゃいけないの? っていうか、自分のキャリアを築いちゃいけないの? 男を手伝わなきゃいけないの?

あ、あと頭に来たのは、学生運動時代には女子学生は、もうひたすら炊事係としておにぎりを握っていたという話。文句があるなら、じゃあゲバ棒持つのか?…と来たもんだ。それは違うだろうよっっ、おいっっ。おいっっ。おいっっっっーーーっ!!(怒)

今、『不機嫌な英語たち』のプロモーションをしてる吉原真里さんも実は東大だったので、著者の友人であり、この本の執筆を応援し続けた励まし係(笑)の吉原さんの言葉も登場。(この本の存在も吉原さんのツイートで知った)

吉原さんは東大生になるとそれまで興味を持っていたフェミニズムへの関心が薄れてしまったと話す。ちなみに吉原さんが入学した年、東大の女子学生の比率はやっと10%に達したそう。

「男子と同じ土俵で勝負して、次の土俵にあがることができた、そういう自負が意識的にも無意識的にも生まれて、メリトクラシー(実力主義神話)を信じてしまった部分があった」

「それを受け入れると、女性であることを云々するのはかえって女性のためにならない、女性は与えられた土俵に入り込めるように能力を高めればよいのだ、という考えにつながっていく」(一部抜粋)

これ、私にも覚えがある。めちゃくちゃ覚えがあるよ!!

私の大学体験も似たようなものだった。私は日大文理学部哲学科に現役で入ったのだが(6校くらい受けてそこしか受からなかった)、そこにいたのは哲学科の学生80人のうち女子8人だか6人だかというお粗末さだった。

でも自分はその中に入れちゃったから、私は男子学生たちと無邪気に遊びながら、そこに何の疑問も持たなかった。

入りたかったら、あなたも勉強すればいいんじゃないの、くらいに考えていた。

というか、そもそも「学ぶ」ということの利益享受をまったく認識してなかった。学べるってのはすごいことなんだ、ということがわかってなかった。

勉強が本当に大嫌いだった。

でも私が勉強嫌いだった自分のせいではなく、ついた教師たちが悪かったんだろうくらいに思っている。なにせ今やこんんなにノンフィクション読んで、自分の仕事関係の文化は間違いなく人一倍勉強している私は、本来超お勉強好きなのは間違いないのだから!

そして、ま、男女比はこんなもんなんだろうと、教室を見渡し何も疑問を抱かずに普通にすごしていた。私が入学した当時の日大がどうだったのかはわからないけど、心理学科や英文科とかにはもっと女子が多かったはずだし、トイレが少なくて苦労したという記憶もない。

そもそもうちの父親は大家族の長男で、私はその長女だし、親戚中でも一番上の女子で、もっとも早く生まれた孫の一人で、一番チヤホヤされて育った。私の自己肯定感が高いのは、このせいだ。

加えて頭はいとこ達の中で私が一番よく、おそらく一番良い大学に行ったのも私だったから、私は誰かに引け目を感じることなく育った。

(…っていうか、ごめんなさい、いとこの皆さん。実は今、ほとんど付き合いがないから、その辺の全然記憶がない。みんな何の大学行ったっけ? 興味あれば覚えていられるんだろうけど、そもそも興味もないから全然覚えていられない。しかも、それでやっと私が日大なんだから全然ダメダメ家系なんだけど)

就職も、コネを紹介してやるという親を振り切り(大手の製紙会社だった)、自分で選んだ。転職も親には報告だけ。当然でしょ。自分で稼いでいるのだから(しかしその給料に男女差があることすら知らなかった)人に何か言われる筋合い、ないよね?

そんなふうに恵まれていたから、女だから損をしたと感じることなく、バカなままでこの歳になってしまったのかもしれない。

ところが最近になってフェミニズムをちょっとだけ勉強し、今になって思い返して初めて「あれは男尊女卑だった」「女だから差別された」と気づくことは多数ある。

が、実際リアルタイムでは、のきなみ男性にまじって、ストレスもあまりなく、生意気に社会を渡ってきた。それがバカな自分だ。

というか、私も若いころはミソジニーがひどかった。「女においては、できる奴とバカ女の差があまりにも激しい。私が経営者でも男を雇うわ…」と平気で言ってた時代もある。いや、最近まで平気でそんなことを口にしていた。(ちなみにTHE MUSIC PLANTのスタッフは女子が多い。みんなすごくスペックが高い。そして「野崎さんのところのスタッフはみんな仕事ができるし、素敵な方が多いですね」と言われて鼻たかだかになっているのは私である)

しかしこの本に載っている、でも例えば聴講生として入った「学びたい」と思って学校にやってきた女性たちのコメントを見ると、涙が出そうだ。「学びたい」という意志。

本当に私もバカ女だった。ごめんなさい。

それにしても!!! それにしてもですよ!! これを書いた現在東大にいる矢口さん、すごい。ある意味東大の黒歴史を、今、東大いながら、ここまで書いた。まとめた。そのすごい勇気に感動さえ覚える。

矢口さんみたいな先生のいる東大だったら、これからの未来は、間違いなくよくなっていく予感がする。ということはつまり、日本はもっとよくなっていくんじゃないか。

そういう希望や勇気も感じさせる本だった。私も黙ってないで、どんどん世の中をよくするべく努力しようじゃないですか…と空に拳をつきあげてしまうのだった。「がんばるーーー!」と荒川土手に叫びながら(あくまで心の中です)、一人燃えるのだった。

悔しい思いをしていた女の人たち、今も悔しい思いをしている女の人たち、あなたたちの思いは私ががっしり受け止めた。恵まれていることを自覚し、私はもっとちゃんと生きます!!!!

なんか熱いな。すみません(笑)

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