翌朝、素敵な朝ごはんを食べて(あぁ、朝ごはんが準備されてるってなんて素敵なんだろう!)、ベルファーストの駅へ。
天気がすごく良かったので、鉄道駅まで徒歩30分なんだけど歩いて行くことにしたら、駅の側にこんなマーケットを発見! みんなケルト市にご案内したい!!! タクシーというテもあったけど、私は荷物も少ないからね。やっぱ歩くの楽しいし、こういう発見は旅の醍醐味だ。
さて、素敵なマーケットを抜けて駅に到着。この夏、ベルファスト鉄道のメンテだかなんだかで、なぜか普段は普通に通っているベルファスト/ダブリンはバスに一部区間が変更されていた。
駅に到着すると電車振替のバスに乗る為の列がすでにできていた。その列に並んでいたら、なんと近くにピアノ絶賛搬入中! えっ、これストリートピアノになるの?
それは素敵なヤマハのグランド・ピアノ。弾きたいと思うのも束の間、バスに乗る列が動き始め、私もバスに乗る。残念。
ほぼオンタイムでバスは、まずNewryに向けて出発。当然この曲が頭に浮かぶよ。
この曲はボブも歌っているが、きっと彼はNewryがどこにあるのか多分知らない(笑) 私は行ったぞ、Newry!!
乗り換えもスムーズで快適な旅でした。しかもバスだというのにしっかりオンタイム。昔はブリテン諸島の電車なんて時間通りにこなかったりするのが当然だったのに、素晴らしいねぇ。
そしてNewryからは電車でダブリンのコノリー駅へ。コノリーでは2時間まち。ここで楽しみにしていたのが、実はピアノ!
コノリー駅のピアノはNHKにも出たのだ。しかし!!!めっちゃ楽しみにしてたのに、なんとピアノはこんな状態だった。
市民の皆さんもこれには不満らしく、こんなツイートも発見。どうした、Irish Rail!!
大ショック! コノリー駅のピアノ弾けなかった〜 なんか問題あったのかこんな状態に。ホコリかぶってかわいそうすぎる。NHKに出てたピアノ🥹 pic.twitter.com/HwVjiAu205
— 野崎洋子 (@mplantyoko) July 26, 2024
そんなわけでピアノは弾けなかったけど、駅で久々にSoup of the day(マッシュルーム。塩分多め)にソーダブレッド、バターたっぷりのランチとなった。あぁ、こういうのが好きなのよ。
そしてここでもあっというまに2時間たち、スライゴ行きの電車を求めて、次なる電車へ。スライゴの2つくらい手間の駅ボイルが今日の目当ての場所。
2時間半くらいで、ボイル駅到着。ここからベニューまでは徒歩10分くらいのはず。
しかしここで失敗したのが、電車の中でトイレに行ってなかったこと。電車でトイレに行きたくなったけど、落ち着かないから駅のトイレに行こうと思ったのに、ボイル駅、トイレあるんだけど、事務所自体もしまっていて入れないーーー 涙。
多少心細くなりながらも会場の方向に歩いていくと前方にパブが見える。アイルランドの場合、困ったらパブだ!!
というわけで、パブにいくと親切なおじさんが、優しくもトイレを案内してくれた。ありがとう、おじさん。
なんていうか、やっぱりアイルランド人素敵すぎる。昔歩き疲れてどっかの田舎町でタクシー呼んだんだけど、それもパブがやってくれたりするのよね。ほんと親切。街のコミュニティの中心という自覚があるというか。
そしてパブでお礼に水を買って(ボトル入り)、返ってボトルを持ち出しちゃって迷惑だったかもと思いつつ…
「大丈夫? 道に迷ってない」とバーにいたおじさんに聞かれるが、「St Joseph Hallに行くんだけど、この近くよね」というと、「すぐその裏だよ」と言われ、歩いてそこから2分くらいのところにホールがあった。
ここ普段はコンサート会場には使われてないらしい。学校の集会場みたいな会場。今はアーツ・フェスティバル週間ということで、街中には旗がはためき、ちょっと活気がある感じ。ボイルはかわいいまちで坂に沿って、素敵なお店が並ぶ。
ホールに到着するとマネージャーのジョンが迎えてくれる。いやーー めっちゃ久しぶり。っていうか、7、8年くらい会ってなかった??? もう記憶がないわ。で、ポールはまだホテルにいて、会場に到着していないという。
私もちゃっちゃとホテルにチェックインしたかったことはしたかったのだけど、会場から車で20分くらいかかると聞いていたこともあって、タクシー代をセーブするため会場に先にきてしまった。
今日のお目当てはポール・ブレイディ。ツアーマネージャーのジョンがいるから、ポールの追っかけは気が楽だ。なんでもジョンに聞けば、ポール本人にバレずに教えてもらえる。
しかしサウンドチェックにポールがなかなか現れないので、会場の人が心配し始める。
こういういわゆる街の「公民館」公演にしては、ライトがしっかりしている。
でもこういうオブジェはやっぱり古き良き時代のアイルランド。
私とジョンはスタッフのアランと会場の外に出てポールを待つ。ポールのチームは本当にいい。もう一人のスタッフのアランも、とても働き者で、いい人だ。
最初彼も来ているのを知らないで、「久しぶり!」と挨拶されて、彼の名前が一瞬思い出せなくて焦った。一度、ポールとジョンと一緒にダブリンで4人で死ぬほどほど飲んだっけ。あれはいつのことだったか! 楽しかったよなぁ。もうほんとベロンベロンに飲んで、最後はアランの家で飲んだんだよ。
アランはなんというかコミットメンツを時でいくような人で、手足は刺青だらけ。喋り方から何からコミットメンツそのもの。アクセントもめっちゃかっこいい。あんなふうに喋れるようになりたいなぁ!
そんなわけで会場の出口で、ジョンとアランと一緒にポールの到着を待っていたら、御大自分で車を運転して登場。私がいるので、御大は死ぬほどびっくりしていた。
サウンドチェックはいつものマイク1本のパターン。歌もギターも1本のマイクで拾う。ステージ下手にはキーボードも。
サウンドチェックはあれこれ言いながらも順調で、なんと10分ほどで終了。
コンサート開始までまだ時間がある。 アランが私がひっぱっていたスーツケースを「終わったら楽屋に来るだろ?」と預かってくれたので、私はサウンドチェックのあと、会場を離れて、1人でチャイニーズを食べに行った。
前にもここに書いたことあるけど、コンサート前のポールはテンションがすごく高いから、離れているに限る。今まで行った公演で、コンサート前に機嫌がよかったのは…おそらくない。それでもポールは私に「今日は同じホテルに泊まってるんだろ、終わった後話そうね」なんて声をかけてくれた。
面白いよねぇ。これが伝統音楽のミュージシャンと全然違うところか。しかしあの才能とディールしないといけない責任というか、ポールを見ているといつもひりひりしてて大変そうだなぁと思う。でもめちゃくちゃ魅力的な人だ。
で、アランが橋の先にあるチャイニーズが美味いよと声をかけてくれたので、そこに行ってみると、これまたなんと絶品の美味しさだった。コンサートまであまり時間がないので、早めに持ってきてくれと言うと、ほんと親切な店で、ちゃっちゃと前菜のスープとメインの焼きそばを同時にもってきてくれる。
アイルランド人って本当に優しいよねぇ。なんか感動しちゃうよ。
会場に戻り、こちらはジョンに頼んでゲストリストにいれてもらっていたので無事入場。席は自由席だったけど、割と位置につけた。前から5列目くらい、真ん中付近。
コンサートはものすごく良かった!!
ポール、年齢結構いってるのに(73歳くらい?と思ったら、なんと77だった!!! ありえん)歌もギターもまだまだ行ける感じ、そこがすごい。
今回はお客さんもすごくよかった。特に私の後ろにいた男の人は、ずっと嬉しそうに歌ったり、ポールの話すことにめちゃくちゃ心を開いて、爆笑したり相槌をいれたりしてたのが笑えた。
コンサート終了後は、サイン会に長蛇の列。結構長い時間写真撮ったり、サインしたりしてた。
ちなみに ポールですが、今後の予定としては来年の春にアーカイブ的なCDセットを作るそう。なおこれについては限定生産で、詳細がすでに発表されています。私もさっそく申し込んだよ。 日本円でだいたい1万円くらい(送料込み)。
そしてそその後も、もう一つ大きなアーカイブ的仕事が決まっているそうだ(こちらはすみません、詳細はまだ内緒)。まだまだ忙しいよなぁ、ポール。ちょっと前に出した本もすごく好評で、即売ではバカバカ売れていた。
というわけでコンサート終了後、今度はジョンがポールの車を運転し、本日の宿泊場所へ。ポールと同じところ取るから、どこ泊まっているか教えて、というと、ジョンがだいぶ前に教えてくれていたのだけれど、そこはお城だった…。絶句。さすがロック・スター。
メインの門を潜って、建物までも結構ある。(あとで歩いてみたら徒歩10分って感じだった)でもさほど気取った感じもなくフレンドリーなスタッフは、すごくよくしてくれた。それにそんなに馬鹿みたいに高くはない(とはいえ、35,000円くらいはしてたかも?)
まぁ、ポールの泊まっていた部屋はメインビルディングだったけど、私たち下々のものの部屋はSPAの上にあり、室内も極めてシンプル。廊下はずっとプールの匂いがしてた(笑)
ホテルに到着すると、バーに飲みに行くぞ!と気合を入れていたポールだけど(疲れてるだろうから、無理しなくていいんだよ、とは声をかけたのだけど)、実際静かなお城のバーはあと5分で閉店。地下のナイトクラブはまだ全然やってるけど音楽がブンブン言ってると言うことで(笑)あっけなく年寄りの私たちは退散。
翌朝朝ごはんを一緒に食べようといって、各自の部屋に戻っていったのでした。すごいな、お城ホテル。幽霊とか出るのかな…。
★
スコットランドのトリオLAUが10月再来日。詳細はこちら。http://www.mplant.com/lau/
秋のケルト市は豊洲にて10月19日。ラウーと藤田恵美さんの公演。http://www.mplant.com/celticmarket/
THE MUSIC PLANTでは本屋も運営しております(神保町&渋谷)。よかったらのぞいてくださいね。時々店長業務もやってます。http://www.mplant.com/index.html#book
THE MUSIC PLANTではアイルランド音楽名盤ガイドをリリースしております。第1弾 Paul Brady、第2弾 Mary Black、そして第3弾は10月発売。すでに制作が始まっております。www.mplant.com/books/
THE MUSIC PLANTのCDショップですが、そろそろ店じまい予定。在庫は限られておりますので、お早めに。http://www.mplant.com/shop.html