『北とぴあ 音楽と本祭 Vol.1 親愛なるレニー』 #広上淳一 マエストロの授業見学!! 感動!!

 

©東京音楽大学

写真は今日の写真ではなく、東京音楽大学指揮専攻提供のもの

今日は役得というか、本当にラッキーにも広上淳一先生の授業を見学させていただくことができました。いや〜、めちゃくちゃ感動した!

指揮ってすごい。改めて本当にすごいと思いました。なんというか自分の持ってる人間力すべてをかけて臨む仕事なんだなぁ、と思いました。

音楽のことは何にもわかってないわたくすですが、今日の課題曲はハイドンだったのでした。

でも指揮者って、すごい!というのは先生の授業を聞いていて、十分実感できたのでした。

指揮者によって、こんなにスタイルが違うんだ。そしてオケから出てくる音楽も全然違う。

あと感動的だったのが、自分がこの音楽を聴いている位置。たまたまなのですが、パーカッションの皆さんの横で聞いてた。こんなの体験できるなんて、最高です。役得です。みなさん、すみません。

とにかく全身の使い方、腕の使い方、表情の使い方、すべてが指揮なのだ、と。

最初の生徒さんは教員志望だったのですが、先生はそれを励ましつつも、『職場を腐させる人たち』という本もあるから読んでみるといいよ」とアドバイスを送っていました。

ちなみにマネージャーさんによると、マエストロは、本もめちゃくちゃたくさん読んでいるのだそうです。先日のラジオの収録時もジャケットをお預かりしたら、ポッケに文庫本がラフな形で突っ込まれていた。(何の本だか覗きたかったけど、そこは我慢、我慢)

それにしても面白い授業でした。先生がパイプオルガンの前に立ち全体を見回しつつも、時々ピアニカでオケに参加。他の先生方は、オケの後方に並び、生徒さんたちの指揮を確認していきます。

そしてこの先生方の生徒に対するアドバイスを聞きつつも、広上マエストロは、時にはディスカッションのように、時には反論のように、ときにはツッコミのようにまとめていく。まるで部屋全体が先生のタクトによってコントロールされているようでした。

本当に学ぶことが多い場でした。音符をネズミに例えたり、でもあなたの指揮では、それは静止画を見ているようでアニメーションになっていないよ、とか。

たとえば自分のイメージでいいから、音符に歌詞を載せてみたら?とか、めちゃくちゃ有益なアドバイスが飛んだかと思うと、自分の性格は暗いか、明るいかみたいな追求まで。

真面目にやっているだけでは、ただの便利なやつになっちゃう、都合のいい人間になるだけだよ、とも。

すごくないですか? 指揮者って、自分のすべてをかけて作曲家(音符)の意図を読み取り、それをオケに伝えていくわけです。本当に自分のすべてをかけて振らないといけない。

「今は譜面を振っているだけだよ」とか「ハイドンって、もっと面白いはず」とか。

「今のは出来立てのお寿司に醤油ばーーーっとかけちゃった感じ」とか、先生の説明がいい。でも一方で「パーカッション、躊躇せず、曲を邪魔する感じで行け、それがハイドンだ」とも。

あととある先生から出たのだけど、自分の指揮に自信をつけるのは、大変だけど、一度頑張って暗譜をしてみるのも一つのテクニックだ、というアドバイスも興味深かった。もっと顔をあげて指揮をしろ、今、アイディアは指揮者の近く(胸の前あたり)にある。そうではなく、外に向けて、オケに向けて、聴衆に向けて放て、とか。

そして広上マエストロ。指揮者はある程度、人に見られる職業ではある。マエストロは最近能登に行ったので伸ばしていた髭を剃られたそうです。そして満員電車に乗った時、自分のルックスによって、いかに人々の態度が変わるかを色々考えた、とも。

表情、動き、すべてをかけて指揮をしないとオケはついてこない。

指揮者としてはいろんな体験、経験も無駄にならない。アニメ、ゲーム、漫画、映画、一つひとつが生きてくる職業だ、という話もありました。果ては「音楽以外の趣味はなんだ?」「君は人間が好きか? 嫌いか?」という話題まで。いや、すごいなぁ!!

「僕は動物と話してみたいんですよ」と先生。動物と話せたら、絶対に楽しいと思う、と。うわぁ、なんかそれわかるなぁ! 先生の音楽というものの捉え方がわかる。

自己防衛をして生きるのではなく、自分が積極的に与える側になってみたら?等々。それこそ防衛…あれ、これ人生の授業だったっけ? 指揮の授業だよね(笑)

楽曲についての話も面白かった。たとえばベートーヴェンの曲には、ある意味、予告がある。でもハイドンはいきなり展開が来る。音楽は、楽しい、ふざけるものだと思っているふしがある。音楽は、人を喜ばせ、楽しませるものだと思っている…等々。そこがハイドンの良さなんだ…と。

なるほどーー!

いやーーー 私も指揮の勉強してみようかなとマジで思ったりしました。すごいなぁ、すごいなぁ。ちなみに社会人コースもあるらしく、値段を聞いたら、全然安い!(と言ってもそれなりの額しますが。ちなみに今、個人は受け付けていないそう)

ちなみに本日の課題曲はハイドンの交響曲らしいんだけど、何番だか聞き逃した。でも何度も同じをメロディを聞いたので、すっかり覚えてしまい、家帰ったらあとで調べよ…と思って、帰ってきてSpotifyのリストをみたら…

ハイドンってこんなに交響曲あるんだ!!?と驚愕。
(で、全部聞いて確認する元気はなかった。私の知識はそんなもんです)

というわけで、この素晴らしい授業の風景は、北とぴあ音楽と本祭の日、ホワイエにブースを出してくれる指揮科の皆さんが動画で一部を見せてくれる予定です。予定は未定だけど。お楽しみに。

 


THE MUSIC PLANTの次なる主催公演は:バーンスタインと日本の友情の物語『親愛なるレニー』をフィーチャーした、ウチにとっては初の「本」のイベント。


著者の吉原真里さんの講演、広上淳一先生との対談、若手ミュージシャンによるミニコンサートの他に、ホワイエには音楽の本が大集合。レニーゆかりのユダヤの焼き菓子やパン、ジャム、そして楽器体験コーナー(チェロやガムラン)もあり。¥2,500   http://www.mplant.com/lenny






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