中川敬とリクオにきく『音楽と政治と暮らし』を読みました

 


ブックレビューが書いても書いても終わりません。

これ、先日の「音楽と本祭」で買わなくちゃと思っていたのに、当日はバタバタしてしまい購入できなかった。あわてて通販。でも送料無料、しかもたった500円で送ってもらえます。皆さんもぜひ通販を。もしくはこちらの良心的な本屋さんで購入可能

それにしても最近の社会の動向を考えても、日本のアーティストって海外に比べて何も発言しないとよく言われるのだけど、そういう人だけじゃない。皆無じゃない。

中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)などはその筆頭だ。


いいよねぇ、中川敬さん、本当にブレない。なんかこういつもTwitterのタイムラインにいてほしい人の一人だ。ほんとすばらしいと思う。山口洋先輩とともに、すごく尊敬するミュージシャンの一人だ。なんというか、こうまっすぐなんだよね。

その中川さんとリクオさんの対談本。リクオさんは一度だけライブを見て、すごいなぁ、ビリー・ジョエルが本気で音楽やってる時みたいだと思った。

「えっ、リクオさん? ビリ〜・ジョエルはないでしょう」と言われる方も多いかもしれないんだけど、ちょっと説明するとビリー・ジョエルって、売れない時代のデモテープとか、ものすごいんだよね。私も詳しく知っているわけじゃないけど、とあるミュージシャンが聴かせてくれて、こりゃあすごいと思ったのをすごく覚えている。

それと同じ印象をリクオさんから受けたのだった。だからその発言とかも聞くのはこの本が初めて。それにしてもあのライブは、ピアノを弾いてものすごい存在感だった。ちっちゃなバーみたいなところでのライブだったのだけど。

それにしても二人のミュージシャンのこういう社会に対する真摯な態度を見ていると、ほんとブレないなぁと思う。そして、人はこういうブレない強い人の元に集まるんだよなぁとも思った。

なんだろう、その人に守ってほしいからなのかな? 私はいつも迷ってばかりで、そんなふうには生きられないなと思うのだけれど、中川さんみたいな人には、いつもそこにいてほしい、と思うのだ。なんというか、まともな判断力の軸というか。

そして、こういう本を出されているヒマールさん、すごいな。東京ではなく岩国でやられているのもすごい。色んな意味で東京はまだ恵まれている方だといつも思う。なにせ分母も大きいし、それなりに多様性もある。

だから地方で頑張るご苦労は大変なものだと想像するけど、アンディの本といい、素晴らしいものを発信されている。きっとこの土地の文化に敏感な人たちの心の支えになっているんだろうなぁ。ぜひみなさんもこちらを覗いてみてください。アンディは本だけじゃなくてCDなど、貴重なものを販売してらっしゃいますよ。

気軽に手に取れるハンドブックみたいな装丁。二人とヒマールのお二人で「政治的」ってなんだろうと掘り下げていく。

「異議申し立てをしないこともこれまた「政治的」」「「ていねいな暮らし」に潜む無責任」
などなど。リクオさんなどは昔から変わったという意識はないのだけど、SNSによって「変わった」と見られている、などなど。

話はインボイス制度にもおよび、社会を変えていくためにも「ライブを観に来い」みたいな感じで、結論がまとまっていく。好奇心のまま、多くの人がどんどん手を突っ込んでいってほしい、と中川さん。自分のライブだけではなく、ただ気持ちのいい、自分の好きな価値観だけじゃなく、いろんなものに触れていってほしい、とも。

勇気をもらえる一冊でした。私もがんばるよん!

昨日こんなニュースも発見。何も言わない人たちだけじゃない。みんなこういうアーティストの人たちを応援していこうよ。声を上げた人たちを孤独にしてはいけない。


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