ピーターさん音楽映画祭 #pbmff 『七転八起の歌手 バーバラ・デイン』『キング・クリムゾンの世界』を観ました。どちらも素晴らしい!! 

今日、本当は行く予定じゃなかったのですが、うまく営業中に時間があいたので、またもや音楽映画祭へ。2本見ることが出来ました。

まずは今回の映画祭で初公開の『七転八起の歌手 バーバラ・デイン』。これ原題は『The Nine Lives of Barbara Dane』って言うんですよ。邦題、上手くないですか? ピーターさんがつけたのかな?


彼女のことは、まったく知らず。よくわからないまま映画に行ったのですが、めちゃくちゃ良かった。まず映画が始まって1曲目から、その歌詞のするどさにノックアウト。

ボニー姉さんが、彼女に対する尊敬の言葉を述べると、一気にこのドキュメンタリーに引き込まれます。

実際彼女の人生は嵐のようだった。いわゆる50年代から活躍していた人で、フォーク、ブルーズ、ジャズなんでも歌って、社会活動にも積極的だった人なんだそうです。

彼女が話してくれた父親(薬局に勤めていた)との思い出話には、ちょっとグッときました。自分の親がそう言う態度をとったのを見るのは、確かにつらい。そして、それが彼女を社会運動にかりたてた、と彼女自身は分析しています。

いっときは離婚をしてシングルマザーで、生活も厳しい時期があったようです。でも最後の旦那さんが、Sing Out!の編集長だったり。おおっ、私の知ってる世界ともつながると思ったよ。あとブルースの殿堂Suger Hillも彼女が設立したとか。あれ、レーベルのSugar Hillとはどう言う関係なんだろう? たまたま同じ名前?(すみません、知識なくって)

それにしても妥協のない人生。最後はひ孫ちゃん?とステージに立つ(笑)微笑ましい場面も。現在97歳で、まだまだお元気だそうです。素晴らしい。


そして次に見たのが『キング・クリムゾンの世界』。



いやーーー スクリーンで見れて良かった。この作品、実は私DVD持っているんですよね。ビルが出てるのを知って発売時に買っておいたけど、実はそのまま積読ならぬ積DVD状態に。だって、ディスクドライブをMacにつけるのが面倒なんだもの…

そしてピーターさんの音楽映画祭でかかることが決まった。で、ここまで来たら、スクリーンで真剣に見よう!と決意したのです。

っていうか、家で見ても、他のことに気を散らされるから、全然集中できないんだよね。

このブログにも何度も書いていますが、クリムゾンのドラマーの一人、ビル・リーフリンは、私はロビン・ヒッチコックのバンドで一緒にツアーしたことがあるんです。そのビルの、ほぼ晩年の姿がスクリーンで見れてとても感動しました。

そして御大よ!! この空気感。わかる。この感じは、私にとってはまるでポール・ブレイディです。ポールと御大、すごくよく似てる。私が時々ポールのことブログに書いているの、わかるでしょ? こういう感じなんですよ、ポールも。こういう感じなんです。

ピリピリなんだけど、ちゃめっけがあり、ユーモアがあり、そして音楽に本当に真剣に向き合う姿があり。

こういう人と付き合うには、絶対に怯んだり、怖がったりしないことが重要なんです。この監督・カメラマンさんも、いろいろ言われながらも、いや〜、ものすごく頑張っています。

最後の御大の、監督に対する憎まれ口は完全に愛情表現だと私は思いました。すごい。御大も、御大なりに、この撮影に協力していた。いいなぁ、いいなぁ!

それにしてもキング・クリムゾンの、音楽に対する向き合い方。これが本当にすごいと思いました。普段、伝統音楽の仕事してて、羨ましくなるのは、音楽家のこういう態度です。こういうところが本当のバンドなんだよ、と。

もちろん伝統音楽のミュージシャンも魅力に溢れている。彼らにしかない魅力がある。どちらにおいても光も影もある。でも、私はこういうバンドマンシップというか、ミュージシャンシップというか、そういうところに本当に心を打たれるんですよ。

そういう意味で、私が最高のバンドだと思うのは、キング・クリムゾン、そして夢の丘時代のケンソー、そして3人だったころのヴェーセン、ドナがいた時のルナサです。これが私が思う世界一のバンドです。

それにしても、久しぶりに聞くビルの優しい声に本当に泣きそうになりました。ビルはこのドキュメンタリーの監督・カメラマンにも、とても親切です。そう、ビルって、まさにこういう人だった。

この映画を見終わったあと、家にまっすぐ帰るのがいやで王子のMacにより、ハンバーガー食べながら、昔の自分のブログ読んだり、写真をみたり… しちゃいました。

ビル、本当にありがとう。あなたはすごいミュージシャンだった。

そして御大は、ビルのことは友達だと思ってた感じがするね。もともとビルは私の認識が正しければトーヤ(ロバート・フリップの奥さん)のバンドにいた。それでフリップとも仲良くなったんだろうと思う。そのうちSlow Musicとかやっているなぁと思ったら、ビルがクリムゾンに入ったと知って、私はおおおっ!と思ったのだった。

クリムゾンが来日した時はそんなわけで、ビルが誘ってくれたから、貴重なライブも見せてもらうことができました。チケット、ソールドアウトだったと思います。(それに高かった)

あの時は、パスをもらって楽屋のグリーンルームみたいなところで待っていたら、すごく親切な女性が現れて「クリムゾンのことよくわかってないんです」という私たちにすごく良くしてくれたのを覚えている。

今思えば、あれはトーヤだったのかも…。綺麗で、とても素敵な人だった。そして、あの時にビルにあったのが最後になったの…かな? 一度公演後にお寿司に行った記憶もあるのだが…どっちが先だったか、あとだったか…

でもって、クリムゾンの最後の来日時に、ビルはまた誘ってくれたのだけど、実は私の方が今度は病気で、具合がめちゃくちゃ悪くてコンサートに行けなかった。

だから私がクリムゾンを見たのは何年だったか…ビルはまだ前列でドラムをたたいていたころ。まだ病気がそれほど悪くなる前だったと思う。10年くらい前? 

それにしてもビルがこの世にもういないのが、寂しい。世界はこんなに寂しいよ、ビル!!

そして、ほんとうにすごいバンドだよ、クリムゾンは。ロバート御大、本当にすごい。(ケンソーの清水さんも、ヴェーセンのみんなも、ルナサもドナもすごいけど)世界一のバンドって、こういうことだよね。こういうのが世界一なんだよね。

あ、そうだ「ゼペリン」の字幕に、バラカン印を見ました。なんのことだかわからない方は、ぜひ映画を映画館に見に行って。


ピーターさんの音楽映画祭。

このあと『七転八起の歌手 バーバラ・デイン』は、
13日金曜日17:40から(監督とピーターさんのトークあり)/15日日曜日12:50から/17日火曜日17:00から/19日木曜日14:40から

『キング・クリムゾンの世界』は
12日木曜日14:50から/14日土曜日15:30から(トークあり)/17日火曜日12:50から
に上映があります。

詳細はすべて公式サイト、そしてチケットは角川有楽町のサイトへ。Don't miss it! 


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その他、この夏はおなじみピーター・バラカンさんの来日50周年企画で、プロモーションのお手伝いをしています。

*9月6日より Peter Barakan's Music Film Festival - www.pbmff.jp

*10月19日、20日 Live Magic! - www.livemagic.jp  LAUも出演しますよ。