もうすぐ来日ラウー LAU! 1


さーて、いよいよLAUが来日します。なんかあっという間に10月で、本当に月日がたつのが加速しています。

今回の来日ですが、実は彼らのかなり強い要望によって決まりました。ラウーはしばらく日本に来ていなかったので(その理由については、たくさんあるのだけれど、まぁ、10年くらいしたら書きます)、正直私も迷いましたが、まぁ、なんでもやってしまえば後悔のないわたくす(笑) 

結果、南青山曼荼羅から始まる、こういうツアーとなったわけです。

ラウーといえば、初来日は2007年でした。懐かしいよなぁ…  このチラシ(上の写真)、私が自分で作った。当時はワードからチラシを作るみたいなシステムもなく、おそらくPhotoshopを駆使して作ったと思われるチラシ(イラストレータはいじれなかったから)。当時はチラシにお金をかける余裕がまったくなかったんですよね。よく見たらフォントの甘さとか、いろいろツッコミどころ満載だと思います。

よくやりましたなぁ。まぁ、とにかく情報もあまりないなかで、よくこの無名のバンドを日本に呼んだ。今、こういう勇気は私にはありません。

結局、その後バンドは何度か日本に来日できたわけで、それはそれでなんというか「一つの成功のスタイル」でも言えるのかもしれないけど、たとえばうちで作った自主ツアー3本、そしてプランクトンさん手伝ったツアー2本で、私に金銭的な利益があったかといえば、非常に微妙(笑)

細かく計算しようと思えばできるけれど、まぁ、面倒くさいので、それはやめておきます。(へっぽこ事業主)

かつ、LAUから派生してきたグループKANの来日は2回作って、あれも全然大赤字だったし、とはいえ、あっちはあっちでバンドが続いていれば取り返せた可能性は十分にあるわけで、いろいろ考えることはありますが。

まぁ、いろんなバンドがあり、いろんなパターンがあり… 結局はそんなことでしょうか。本当にこの仕事はつらい。

と、泣き言はいいとして(笑)。

そんな中、彼らをもう一度呼ぼうかと思ったのは、いろいろあるとはいえ彼らは間違いなく私がもっとも愛したバンドの一つであり、ライブ演奏は他のバンドとは比較にならないくらいすごいものだというのが理由です。

だから自分の引退前に「もう一度やってから終わるか」という「やることリスト」にだいぶ前から入れていた。

そしてとにかく親日家のメンバーからは、日本に来たい、また来たいというのをずっと言われていたからというのがあります。

それにしても初来日の時のあの熱病のような私と彼らの熱意は、いったいどこから湧いてきてたんでしょうかね。彼らはまだBBCの賞を取ったりする前で、もちろんかなり注目はされてはいたけれど、まだまだ海のものとも山のものともわからなかった。

いや、そんなことないな。エイダンやクリスなんかは海のものだというのは明らかだったし(爆)、マーティンもイライザ・カーシーとかのイングランド勢とのこともあって、それなりに知られていた。

まず、彼らとの出会いのきっかけとなったのは、2005年のこのアルバムだったのでした。


それにしても、言えることは… たとえばルナサは1996年、ヴェーセンなんかは2000年くらいから追いかけていたので、当時、私の記憶もはっきりしていた。

しかしヴェーセンの初来日以降は、ほんと何やってもまったく何も覚えていない(笑)。

皆さん、だから若い時、無理していろいろ経験しておくのは、こういうことがあるからなんです。もう年取ったら、苦労もへったくれもない。でも若い頃の失敗や経験は本当にたからもの。

本当に自分の仕事を愛でるように仕事していた時期には、記憶がはっきりあるということです。

しかしラウーを手がけたころの私ときたら、全くもって、今から思い出すのも一苦労。なんでもfbのアルバムなどを掘り起こさないと忘れている自分の記憶がひどい。

いつだったか、某大手のコンサートプロモーターの方が「野崎さん、僕、先週何をやっていたのか、全く覚えていないんです」と肩を落とされていたのを見て、心が痛みましたが、プロモーターって、そんな稼業なんですよ。ひとつのバンドを空港に送れば、もう何も覚えていない。新しいツアーをやれば、すべてが上書き。そのくらい濃密であり、が、そのくらいすごいもんなんです。

何というか、自分の人生の中の嵐みたいな。これに比べたら、本当に日常のいろんなことは本当に小さい。

よくプロモーターというよりも一般のファンに近い立場の人や、音楽ライターやレコ社のツアーに関わると、小さいことをよく記憶されているので、本当に羨ましくなる時があります。私たちツアーするスタッフは、本当に…(もう繰り返しませんが)

もしかするとこういう仕事をするよりも、一生に3回くらい記憶に残るようなすごいツアーを作り、その記憶を愛でるように生きていた方が幸せなのではないか(それに実際利益も残るのでないか)と思ったりもします。

ほんと、哀しすぎる、わたしたち。…という話はさておき(笑)。すみません、愚痴でした。

まずは2005年発売のエイダンのこのソロ・アルバム、私は本当に好きだったのでした。私の好きなプログレ度も十分だし、コンセプトアルバムで、旅に出て行って帰ってくる感じがする。(1曲目がOutboundで、最後がReturnですからね)

しかも曲がどれも最高によい。よく書けている。しかも当時からすでにFlookあたりからエイダンのことは聞いていたし、そもそもこのアルバム、配信だとクレジットないからわらかないだろうけど、すごい連中がこぞってゲスト参加しているんです。ブライアン・フィネガンや、マイケル・ゴールディ、ハラール・ハウゴーなどなど。

なので、注目しないわけがない。で、実際、よく売りました。800枚くらいは売れたんじゃないかな。これは今やメジャーのCDが出しても200枚という、そういうレベルから考えたら、信じられないことですが、当時はまだCD屋さんが元気で、本当によくCDを売ってくれていた…

いや、違うな。もうこの頃から売れなくなってきたのは事実。私は明確に2006年にCDは終わったな、と思ったのを記憶しているので、この頃には相当悪くなっていたはずです。それでもこのアルバムはよく売れた。

…っていっても、800枚くらいだけど!!(笑) 

だからルナサが1万枚売れたり、マーティン・ヘイズが2000枚売れたり、ロリーナ・マッケニットが4,000枚売れたりとか、そういうレベルとは違う。でも私はハッピーでした。

そして、これと並行して、私はマーティン・グリーンともばったりとある場所で出会ったのでした。(次に続く)


LAU(from スコットランド)来日します。10月17日より。www.mplant.com/lau/ 初日の南青山曼荼羅公演、一旦ソールドアウトとなりました。他の日程はまだ余裕あり。ぜひ。詳細はこちら。http://www.mplant.com/lau/

秋のケルト市は豊洲にて10月19日。ラウーと藤田恵美さん(ex - Le Couple)の公演。http://www.mplant.com/celticmarket/


THE MUSIC PLANTではアイルランド音楽名盤ガイドをリリースしております。第1弾 Paul Brady、第2弾 Mary Black、そして第3弾はLAUのコンサート会場で先行発売 www.mplant.com/books/


その他、この夏はおなじみピーター・バラカンさんの来日50周年企画で、プロモーションのお手伝いをしています。

*音楽映画祭アンコール上映 Peter Barakan's Music Film Festival セレクト 詳細はこちらへ

*10月19日、20日 Live Magic! - www.livemagic.jp  LAUも出演しますよ。