松江アイルランド映画&音楽祭『コット、はじまりの夏』について語ってみました

 


さーて、もう年末であとは経理だけ…と言いたいところですが、まだまだ企画書書いたり、企画書書いたり、請求書出したり、あれこれメール出したり、返事もらったり、某超エキサイティングな新規案件が2件も立ち上がったり、あれこれ忙しい日々が続いています。

毎日走ったりピアノ弾いたり、編み物したり、本を読んだり、映画を見たり、時々銭湯行ったりしてるから、暇していると思われがちだけど、大丈夫。

若いころから人の2倍は仕事をしてた私は、だいぶ現役感を失ったとはいえ、まぁ、普通の会社員くらいは、時間的にも負けてないわな。っていうか、ほんとこれが出来るのも50代まで。ほんと貴重な時間、最後まで頑張ろ。

そんな私が、次の楽しみにしているのは、こちら。松江の「Matsue Irish Film & Music Festival」。なんといっても私の大好きな『コット、はじまりの夏』がかかるではないですか!

この映画、本当にいい。邦題はもっとベターなものがあったのではないかとは思うけど、でもこれはこれで正しい。だって、本当にこの夏は、彼女の中で何かが始まった夏ではあったのだから。

いやー 久しぶりにトレイラーみて、また泣いた。「家族といても孤独だった」っていうナレーションはちょっと違うかなとも思うけど、孤独っていうか、なんていうか、彼女にはその世界しかなく、何がどうなのかも自分で分かってなかったと思う。

それが当たり前だと彼女の中では認識していたのだと思う。子供ってそうだよね。自分が認識している、その世界しかないものだと思っているから。

それが違う、というのが分かった夏。他の世界もあるんだということがわかった夏。簡単に言えば、そういうことなのかも。子供とはいえ、相手を尊重し、思いやる生活。それを知った夏。

この主演の彼女がとってもいい。この映画、原題は『The Quiet Girl』という。この子がめちゃくちゃ静かで、しっかり目や表情で、演技とは思えないほどナチュラルな表現が出来ている。セリフが少ないのがいいのかな。とにかく存在感のある、小さな女優さんだ。本当に素晴らしい。

コットを迎え入れる家族がこれまたいい。旦那さんと奥さんは「カップル」というより「家族」だ。亡くした子供も、まだ二人と一緒にいる。二人の愛情、そこにある生活、そこにある悲しい歴史、それを愛しむように暮らしている。

奥さんは最初から素敵で、旦那さんはシャイでめっちゃ不器用タイプなのだけど、少しずつコットと近づいて行く。コットも、そんな旦那さんに心を開いて行く。通りに面した郵便箱に向かって彼女が走り出す時、彼女の中の何かが目覚める。

そんな彼女が走りながら見上げる、木々の間から溢れる太陽の光。すべてが美しい。控えめな音楽もいいよね。本当に、この映画は静かな映画だ。それがとてもいい。

そして、極め付けが、そのすべてがアイルランド語で語られる、その素敵さよ!!! あぁ、この映画のことなら何時間でも語っていられるわー。見てない人、早く見てー そして一緒に語りましょう。

最後のエンディング、そしてコットの将来は、いったいどうなったのか。それを残して映画は終わるのだけど、この終わり方もとってもいい。こんな感じがちょうどいい。

彼女にはまた両親と多くの兄弟との普通の暮らしが待っているのかもしれない。いや、このおじさんとおばさんの家に引き取られる? でもどちらだったとしても、この夏の出来事は彼女の人生にとって大切な宝物となることだろう。

やばい、また泣けてきた。スクリーンで、またコットに会えるのがとても楽しみ。


というわけで、野崎もこれを機会に松江に遊びにいこう!とか言ってたら、せっかくだから本や紅茶も持ってきてということになり、晴れて「友情参加」に認定されました。名誉職?!

松江って、本当に便利な立地で、空港は二つあるし(どちらの空港からもイージーアクセス)、関西からも福岡からも近いし、そもそもお正月明けに山陰とか、ちょっと縁起いいじゃないですか。

「日本のケルト圏」「神々の国」。だいたい「夕焼け」や「光の感じ」「雲の感じ」が、ケルトなんだよ、松江って。

いつか山陰に行ってみたいなと思っている方は、これが良いチャンスかも。この日これに参加して、残りの連休は松江や山陰地方を観光してまわるのもいいかもですよ! っていうか、いつか山陰ケルト旅とか、旅行社さんと企画したいなぁ!!

もしくは時間が自由になる方だったら、お正月は混むだろうから、正月明けの落ち着いた頃早めに山陰に行って、観光してから、この映画祭に入るとよろし。私も前日に行って観光のあとに、これに参加して帰京するスケジュールです。

なんか、なんとなく今年・来年は、ケルティック・クリスマスから始まって、そのまま松江のこれ。その後はすぐパトリックス・デイと、春のケルト気分が続きますね。思えばケルトって、冬至から少しずつ陽の光がのびていく再生の時に象徴されるわけで… 

みなさんと一緒にこの貴重な時間を楽しみましょう。




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そしてFLOOKの来日もぜひお忘れ無く。春のケルト市は4月26日。こちらもよろしく。詳細はこちら www.mplant.com/flook

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