さてFLOOKの30周年ツアーの前に、ジェイムス・フェーガンがホストをつとめるラジオに出演。それがポッドキャストとしてこちらで聞けます。
しかし日本のポッドキャストって、音楽が入れられないからつまらないんだけど、英国のこれいいよね。ラジオが放送されたあと、こうやってラジオ番組をMix cloudに音源ごとアップされる。どういうロジックなんだろ。
ま、いいや… とにかく新譜からの曲も聞ける充実の内容になっています。
ジェイムスといえば、こちらのKerr Fagan。かっこいいよね! なんというかやってることは古いというか、オーソドックスなスタイルにもかかわらず、あまりの「上手さ」に瑞々しいというか、なんというか。レコーディングヴァージョンとライブヴァージョン両方貼っとく(笑)
このアルバム、まだうちに在庫あったかなぁ。とにかくヴィヴィド。ナンシーもジェイムスも歌が上手いし、楽器もすごい。これ二人でライブでやってしまう。
特にナンシーのひとつのメロディを弾きながら、違うメロディを歌う、まるでヘンドリックスさながらの高テクと、ジェイムスのもう最近じゃ親父でもこんな古臭い歌い方はしないだろ的な凛々しい歌い方。ドライブするブズーキといいなんといい最高なのだ。
二人は2001年に一度だけ来日してる。ジェイムスがオーストラリアでナンシーが英国に実家があるから連絡がよければ、もっと上手く二人のキャリアを回せたと思うのだけど、なかなか手が回らなかったよなぁ。
それに当時から英国ものは売れなかった。アイルランドと違って、チャーミングな可愛さが感じられないところがダメだったのかな。ま、私の力不足も往々にしてある。
理由ははっきりわからないけど、私はとにかくこういう高レベルのものは無条件で大好き。二人の「伝統」に対する真面目な姿勢も素晴らしい。
そんなわけで、この番組ジェイムスがホストをするラジオ番組。先日英国で普通に放送されて、ブライアンがゲストで電話出演。
そのことをブライアンがfbで紹介していたので、へぇー、ジェイムス、ラジオやってんだと思って洗濯しながら聞いてみたら… なんと日本のことめっちゃしゃべってるやんけ!!
まったく悪いことはできない。
話題はまずブライアンの久々の新譜から。結構ビック・プロダクションの前作と違って、割とミニマムで硬派な感じの今回の作品。あいかわらずかっこいいです。ラジオ番組始まって8分くらいから音が聞けますが、めっちゃかっこいいです。
これ誰がギター弾いてんだろ。すごくいい。タイトで、コードのセンスもめっちゃいい。で、番組聞いていたら出てきました。Seán Óg Grahamでした。ボシーの再結成時にミホールの代わりに入ってた人だよね。
しかしジェイムスが紹介しながら話しているとおり、ブライアンの脅威のブレス・コントロール、そしてインプロのセンス、圧倒的なんだよなぁ!! 本当にすごい。曲は結構長く、5分以上あると思いますが、このどんどん音の世界が展開していくセンスもいいよね。
そしてこの曲終わりにブライアンが電話で登場。新作についての話になります。確かにブライアンが育ったころの北アイルランドって(ブライアンは69年生まれ)、ラフで大変な時代だった。そんな時アーマー・パイパーズ・クラブはブライアンの心の拠り所になっていったのだそうです。
アーマー・パイパーズ・クラブは、ブライアンのメンターでありヒーローであるブライアンとエシネ(エンヤ)・ヴァレリー(ルナサのキリアンのパパ・ママですね)が設立した団体。
ブライアンの今回のソロ作では、このクラブで学んだ曲や、マット・モロイやメアリー・バージンなどがレコーディングしたトラッドの名作を中心に集めているのだそう。前作が割とビック・プロダクションの作品だったので、原点回帰といったところでしょうか。
こちらは前作のプロモ。 こっちはかなりのビック・プロダクション。
この曲とかも、超かっこよかった!
でも「原点回帰」といいつつ、すごい内容になってはいます。少ない楽器数、プレイヤー数ですが、十分作り込まれているし、とにかくかっこいいです。いやー こう言うのって、センスなんでしょうかね。上手いだけじゃないですよね、ほんと。
今度のSeanとの新作については、まだ映像とかはないし、もしかしたら作ることはなく終わるのかもしれませんが、とにかくすごくシャープでかっこいい。私はこう言うのは、相当好きですね。シンプルだからこそ、すごさが余計クリアにわかる。
27:30くらいからまた別の曲がかかったりしています。こっちもいい曲だよね!
で、番組が始まって、33:40くらいから、ブライアンの近況と、FLOOKの最新作「30 - Sanjyu」の話題になり、そこからタイトルが日本語だということから日本の話になる。
で、ジェイムスがオレの名前を出して、あれこれネタにされたりしてる!? おいっっ! 聞いてないと思うなよなー。
オレの英語のアイリッシュ・アクセントを揶揄したり(笑)、ブライアンがMrs. Doyle(ファーザーテッドに出てくる面倒見の良い牧師館の家政婦のこと)の話題を持ち出したり、ミュージシャンをレストランに連れて行くのが好きでとかどうとかこうとか、ひどい言われよう(笑)
っていうか、二人とも話、盛ってるよ!!(笑)いやいや、ブライアン、ジェイムスありがとね!
もちろんFLOOKのニューシングル(配信のみ)の説明もあって、すごく良い。こちらは番組が始まって40:05くらいから聞けます。
ブライアンによるとこのメドレーの1曲目「The Farther Shore」は、セーラがフィル・カニンガム巨匠とBBCドキュメンタリーのために書いたもの。これはスコットランド西海岸と北アイルランドのアントリム州をつなぐ海路についてのドキュメンタリーで、何世代にも渡って仕事や新しい人生を探して渡った人々に捧げられているそうです。
メドレーの2曲め、Winter Flowerは、ブライアンのメキシコ人の奥さんのため書かれた曲で、彼女のお母さんの旧姓の意味が「花」ということから、このタイトルにしたそう。
確かにあったかい国から海を超えてやってきたメキシコ人が、アーマー州の厳しい冬を15回過ごすって大変なことですよ。その感謝の気持ちを曲にしたそう。いや、マジで今年のアイルランドの冬の天気は最悪だそうですな… おつかれ様です。
ちなみにレコーディングには、Stevie J Jones(イモージェン・ヒープ、ブライアン・イーノ、デヴィット・ホルムス等)がピアノで、そしてJohn Calvert (クインシー・ジョーンズ、ピート・トング、ヘリテイジ・オーケストラ等)がウクレ・ベースで参加しています。
こちらは21日にダウンロードで販売になりますから、みなさん、応援してやってくださいね。