アンジェイ・ワイダ監督『地下水道』『コルチャック先生』を見ました。圧巻でした…!


本年もよろしくお願いいたします。年末年始とか言って、何も変わらないのがTHE MUSIC PLANT。今年も普通に経理業務やる予定。

で、ちょっと前に見てきましたよ。見てきましたとも! そしてめちゃくちゃ感動した。アンジェイ・ワイダ監督の特集上映! ポーランドすごい。ワイダ監督すごい。

ワイダ監督は『灰とダイヤモンド』はさすがに見たことがある。あと『大理石の男』も友達がDVDを貸してくれたから見た。どちらも傑作だったけど、私は今回見たこの2本の方が前に見た2本より好きだったかも。

ポーランド繋がりの映画に詳しい友人が「これは見ておいた方がいい」と案内してくれたんだよね。感謝。

とはいえ、特集上映ウィークの最終日から2日目にしか映画アーカイヴに行くことができなかった。本当はもっと見たかったんだけど。なんか忙しくて。

まずは1本目、『地下水道』。1957年の作品。

いわゆる第二次世界大戦末期のワルシャワ・ライジング。ナチスに地下水道へ追い込まれたポーランドの兵士たち。実際史実をかなり再現しており、制作には実際にワルシャワ蜂起に関わった人もスタッフとして入っていたようだ。ポーリッシュ・リアリズムの先駆的傑作。カンヌ審査員特別賞を受賞の大傑作。

モノクロなんだけど、実はポスターなどで使われているスティル写真からなんとなく結末は想像できた。でも、本当にすごい。地下水脈はどこに出るのか、土地勘がないとまったくわからない。汚水からはガスが吹き出し、意識も朦朧としていく…。

隊の兵士たちはいくつかに分かれて逃げていく。とにかく圧巻で、最後まで息もできない… いくつかの散り散りになったグループはそれぞれの結末をたどる。最後の隊長の態度もすごい。あと女の人、強い! そして、終わりは、あぁ…

 

そして、もう1本は『コルチャック先生』。こちらはモノクロだけど、意図してモノクロで撮られている90年代の作品。話は悲惨だけど、映像の持つ力が本当にすごい。ホロコーストで、200人の生徒共にガス室で亡くなった先生の話。

すごい映画だった。こちらも史実に相当忠実に映像化されているんだけど、いや… 本当にきつい。

でもこれって、今のガザで行われているのと同じことだよね。本当に悲惨な話だ。

で、こちらもポーランドに詳しい友人が教えてくれたんだけど、このエンディングに感動した朝日が加藤剛さん主演で舞台にもしてるんだってね。そして今でも劇団ひまわりの舞台でレギュラーで上演されているようだ。すごいなぁ。

なんというか、伝える力。これだよね。何が言いたいかわからない音楽や、映画や、本がたくさんありすぎる世の中だけど、やっぱりアイダ監督のメッセージは『地下水道』から70年経っても『コルチャック先生』から30年経っても、力強い。

そしてよく言われているように、この「コルチャック先生」。最悪に悲惨な話なのに、エンディングがめちゃくちゃ美しくて、それが映画ってすごいなぁと感じさせてくれる。なんかあそこで救われた感じがした。いや、救われちゃいけないのかもだけど。でもこれが映画の美しさだと思った。その感じは、このトレイラーにも現れている。

  

と、まぁ、2作品、とても感動したのでした。さすがポーランド!! 今回の特集上映はすぐ終わっちゃったけど、また次回チャンスは必ずくると思う。あなたの街でも上映されたら、ぜひ見に行ってください。

ちなみにこちらの展示の方は3月までやっているので、また近くに行った時に寄ってみようと思っている。



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