これは買って、とても長い間積読になっちゃっていたのだが、何度かここにも書いているいるけど「ちきりん」さんのブログは、マジで勉強になる。自分の頭で考えること、そしてその言語化ということでは、彼女ほど能力がある人はいない。
全部ではないが、彼女のTwitterはなんとなくタイムラインに入れているし、ブログが更新されればなるべく読んでいる。大ファンというほどではないが、いつも読めば感動するし、なんらか学ぶことも多い。
とはいえ、そんな彼女の本を買うのは、おそらく2冊目くらいだと思う。前の本がなんだったか思い出せない。過去ブログをたぐってみたけど、発見できなかった。でも多分この本だと思う。当時、すごく話題になってたし、実際すごく売れたんじゃないかな。
で、この本! ちきりんさんがブログでご自身のリノベをあれこれ紹介しているのを見て、興味が湧いたので買ったのでした。
この本を買った当時、私にはリノベどころか部屋の模様替えすらする予定はなかったけど、単に掲載されているという彼女のリノベ後のお部屋の写真が見たかったというのがあり(笑)、
野次馬根性で本を手にし、リノベ後の写真をぱらぱら見つつ、「へぇー 斬新だな」と思ったあとは、そのまま積読になってしまっていた。
今回自分の部屋を事業のクローズと同時にレイアウト替えすることになって、なんとなく読んでみる気になり読み始めたのでした。
リノベ経験は私にはない。多くの人にとっては、一生のうち何度も経験することではないだろう。でも今後、実家の後始末とかいろいろ出て来るだろうから、知っていて損はないなと思ったのだ。
リノベとリフォームの違いなどは、なんとなく理解しつつフ読みすすめていたのだが、読み進めていて3章でまさに目鱗、さすが、と思ったポイントが登場。
と、同時に「えっっ、そこからかい!?」とも思ったのだが…読めば納得。そうか、そういうことなのか、と。
で、そのポイントとは何かというと「リフォームやリノベは等価交換ではない」ということ。え?と思う人も、思わない人もいるかもしれない。
でも、これ、リノベにおいて、良い結果を出すための、ものすごく重要ポイントなんだよね。
その理由は、私たちみたいな個人事業主が、素人となるべく関わらないようにしている理由のと同じなのだ。
あっ、余計、話をわかりにくくしたかな? でも、その点をちきりんさんに言葉で指摘されるまで私も気づかなかった。
というのは、だいたい社会において、一般の人におけるお金の価値というものは等価交換にあるからだ。
これ、確かにそうだと思いませんか? 特にサラリーマンみたいに給料が自動的に入ってきている人は、会社での仕事がよほどクリエイティブな営業職でない限り、金銭のやりとりは等価交換にしかない。でも金銭とは等価交換以外にもあるんだよ。それに考えが及ばない。
それがフリーランスの人にいい加減に仕事を頼んだりする社会なんだな、と。そういう「わかってない」ことによる弊害が、日本社会にはすごく広がっている。(話がいきなりデカくなった!)
つまり、リノベは「等価交換」とは違う。「共同プロジェクト」なのだ、ということ。
確かに自分で自分の仕事をしたことない人から見たら、これは非常に難しい概念なんだろうなと思った。大抵の人は誰かの奴隷になれば、お金がもらえる、と思っている。「お金を使うこと」は、同じ価値である何かと交換すること以上でも以下でもないのだから。
共同プロジェクトだという意識がない。これ、サラリーマンの友人と接しているとびっくりしちゃうことの一つでもある。
(と言うと、サラリーマンを馬鹿にしているように聞こえるかもしれないが、そして確かにそういう側面が私にまったくないとはいえないが)
(さらにフォローすると、逆にサラリーマンからしたら、私のような個人事業主・しかも引退済みは常識知らずの馬鹿に見えることもあるであろうが)
つまりリフォームの業者さんたちプロフェッショナルと一緒に、自分もゴールに向けて、あれこれ調整していく「共同プロジェクト」だという認識を得ておくことが、リノベにおいては重要だということ。
簡単に言っちゃうと「俺は金を払ったんだから、なんとかしてくれ」と腕組みして動かない人はダメだ、と彼女は指摘している。
いや、ほんと! 本当にそうだ。もちろん、「等価交換」としか考えられなかったとしても、それでもなんとかゴール地点にはいつか着地するのだろうけど(業者さんたちはプロだから)、でもそれではベストな結果を生み出せないんだよ、ということなのだ。
これすごく重要じゃないですか? っていうかリノベだけじゃなくて、他のことでも本来ならば言えることだと思うんだよね。
ちきりんさん、すごいよな。そうやって自分以外の人のマインドに心が及ぶというか、社会のマインドに心が及ぶというか、なんというか。そこが彼女が彼女たる所以なんだろうが、私なんてそんなこと、しっかり言語化したこともなかったよ。ただただ自分と違う相手にモヤモヤしてるだけだったよ。
本当にそこが彼女の非凡なところだと思う。それを最初に指摘しておく。ここが間違うと、確かに物事の根本に近いものなので、遠くにいけばいくほど悪い結果に着地しないことにもなりかねないわけで。
そして一方の業者側も! 「業者側も(業者マインドの中にいるから)言語化できていないことも多い」という、あまりにもするどすぎる指摘!
いやー 世の中のバランスの悪さって、調整の難しさって、そういうところから来ているのかも。政治家が政治家の言葉でしか語らない、生活者は生活者の言葉でしか語れない、とか。(もっとも政治家は生活者の言葉は理解しようと努力すべきだと思うが)
いや、ほんと。そしてリノベ会社の人にも「自分で言い出しにくかったら、私のこの本をあなたのお客さんに勧めてください」とまで、ちきりんさんは言う。いや、でも確かに、そうだよな。
とまぁ、最初からあれこれ感動した。そして実際いろんな具体的なことが紹介されていくのだけど、どれも非常にわかりやすい。
さて、ウチはそんなわけで、私の住居はだいぶ頑張って新しいレイアウトへと変化し、その使い勝手にもかなり慣れてきた。この過程で自分が学んだことについては、またブログを書いてみたいと思う。
このあとの未来を思えば、例えばウチの実家など、私の人生にとっての難関がいくつかある。それにうまく自分は対応していけるのだろうか。
今のところの自分の住処は賃貸で、ここにあと10年ひとりで住めれば、自分の人生的には充分合格だなと思っているのだけれど、果たして私がこれから住む場所は、いったいどうなるのだろうか。
老人ホームに入る前の「終の住処」はここなのか? ここでなければいったいどこなのか?
いやー 勉強になります。というか、ちきりんさん、ぜひこれからも色んな節目で私たちにいろいろなことを共有してもらえると助かります。
ところでちきりんさんのブログで大好きなのが、「起点になろう」という投稿。時々読み返してる。これはリノベ云々に関係なく、絶対に読んでほしい投稿です。ぜひリンク先を読んでみてください。
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◎1996年からかかげてきたTHE MUSIC PLANTの看板は2025年12月にて下ろしました。公式サイトは近日中にアーカイブ化する予定。自分の主催公演や招聘はもうやりません。ただ2026年も若干の雇われ・お手伝い案件(笑)があるので、そちらはゆっくりとこなしていく予定です。
◎現在リリースしたCDの販売は終了しておりますが、書籍はあいかわらず販売しております。アイルランド名盤ガイド。楽曲への配信のリンク(Spotify)や、来日時のインタビュー、エッセイなど充実の内容。ポール・ブレイディ、メアリー・ブラック、マーティン・ヘイズ&デニス・カヒルの3冊です。こちらへどうぞ。
◎神保町すずらん通りのパサージュにてケルト書房という棚を運営しております。ケルト関係の書籍や友人の書籍などを販売中。こちらへどうぞ。
◎パンデミック後くらいから作曲家:日向敏文さんのお手伝いしております。昨年の6月25日に新作「the Dark Night Rhapsodies」がリリースされました。こちらが特設ページ(Sony Music Labels)。アナログ盤と、ピアノ小品集の楽譜は日向さんのサイトで通販中。
◎その日向さんは、91年の大ヒットドラマ『東京ラブ・ストーリー』のサントラを手掛けていたわけですが、そちらが35周年記念のリイシューされることになりました。詳細はこちら。 最新インタビューをotonanoにて連載中!
さらに今まで配信されていなかった『アナザー・グラフィティ』『妹よ』『陽のあたる場所』『愛という名のもとに』『ええにょぼ』も3月25日より配信スタートしております。

