ロマの歴史を描くパペットアニメ from フィンランド/チェコ など

今日は営業/打ち合わせの合間に面白いイベントに行ってきた。1つはリンガパックス・アジア主催の映画上映会。リンガパックスというのは「バイリンガル、マルチリンガル」を奨励し、文化間の相互理解を推進していこうという組織で、それによって世界をより理解しよう、人権について考えようというそういう団体なのであります。ちょっと説明が固いね。でも確かに英語だけだったとしても、外国語をしゃべれると世界が違ってみえるから、確かにそうかもしれない。

で、お題目がフィンランドだったわけですよ。それにしてもこういうイベントが無料で普通に行われているし、東京はほんとにいいなぁと思った。学生時代にインターネットとかあったら、もっとこういうのに積極的に参加してたのになぁ、と思う。今の学生さんが羨ましいねぇ。でも150名募集とかあった割に来てたのは50-60名か。もっと大学生さんとか、こういうのに積極的に参加してほしい。なんといっても無料なのだから。

映画は2つ上映された。1つはロマの歴史を描いたフィンランド/チェコのパペットアニメ。すごく良かったよ。9分×7編のシリーズなのだそうだが、そこから2本。ロマの発祥のストーリー。ちなみにフィンランドにもすごく強いジプシーカルチャーがある。それについては書きだすと長くなるので、また今度。ちなみにこのシリーズは英語でナレーションも入っているし、You Tubeで全部見られる。興味ある人はぜひ! 



もう1本は「フィンランド人がサーミランドにやってきた」というドキュメンタリー映画。フィンランドは第2次世界大戦が終わったあと国としての統一を強化するためにサーミの子供たちを無理矢理親からひきはがしフィンランドの学校に入れたという歴史がある。(ちなみにサーミとはヨーロッパの現住民族の一つで北極圏でトナカイを飼って暮らしている)

90年代に入って状況は変化し、サーミ語は正式なフィンランドのマイノリティ言語として認められるようになり、サーミの子供たちもラップランドの学校でサーミ語も学べるようになった、という。こちらは映像を探したのだけど見つかったのは、フィンランド語のこのドキュメンタリーを紹介するTV番組のみ。フィンランド語分かる方はぜひ(笑) 私が見たのは英語の字幕がついていたのだが。

簡単に内容を説明すると、母国語がまだ完璧でない6歳のころ親から引きはがされてフィンランド語の学校に無理やり入れられ、母国語であるサーミ語が完全には話せないという女性が、悲しい子供の頃を思い出し語ったり、お母さんの話すサーミ語に「それはなんと言う意味なの?」と

そのサーミ人強制寄宿社学校で両親が先生をしていたというフィンランド人の少年(今はおっさん)の話とか、またサーミの権利運動を推進してきた人たちが紹介されたり…。この二人はなんか漫才コンビみたいで面白かった(笑)。ジョークがすべったりしているし。

で、もちろん90年代に状況は一転し、最初に出てきた女性も現在はサーミ語のラジオ局で働き(アイルランドのTG4みたいなもんだね)、その子供たちはサーミ語を学校で習っているというハッピーな空気のエンディングでドキュメンタリーは終わる。



というわけで、ホントに奥深いフィンランド。いろいろ知ってみたいという人は、ぜひこちらへ→フィンランド祭はこちら!