「好きでやっている人が出すCDは売れない」の法則は本当か

ちょっと前に手にいれた本(左)をちらちら読んだりしているが、どうも集中できない。芸術とサポート、そして社会的責任について。正直、あまりピンとこないが、まぁ、その中から自分に響きそうな部分を拾いつつ…といった感じだろうか。

昨日ワールドミュージックのレーベルの中でも最もがんばり屋さんだと思われるレーベル、NRTを主宰されている成田さんが、こんな投稿をFBにあげていたので興味深く読んだ。公開になっているので、皆さんにも読めるはず。こちら

いや、実際悩ましいよね。自分はお金もなければ力もない。でも,この世で一番素晴らしい音楽をプロモーションしている事は間違いないわけだから(笑)

私がここで「結婚」と書いたのは、あくまで本人同士の問題だ、ということもある。お互いが幸せで、誰にも迷惑かけていなければ、外野がとやかく言うことではない、という事。アーティストの方も選んでくれて私がいる、ということ。もちろん結婚には離婚の可能性もあったりするんだろうけど、それはそれでまた一つのステップ。お互いの努力と、いろんな事を話し合い合意の上でやっているわけだし、縁もあったのだろうし…ということ。

それにしてもこのバイヤーの話はひどい。でもこういうパワハラな奴ってレコード店では、沢山いた。私もイヤな思いをした経験は数知れず。だいたい大きなレコード会社の営業部長みたいな人まで現場の若いアルバイトのバイヤーにヘコヘコするわけだから、ちょっと頭が悪い子だとすぐ勘違いしちゃうよね。ごもっとも。でも私たちみたいに広告をパーンと打ったり、店頭ディスプレイに予算をまわせるわけではない小レーベルは、ヘコヘコ相手の裁量に甘えるしかない。そんな中、応援してくれるホントに素晴らしいバイヤーさんたちもいたし、それが結果でたくさん売れれば,お互い嬉しいわけだし…良い人間関係もあった。

とか書いていたら、こんなブログをFBで紹介している人もいた。2008年のブログであるが、いろいろ考えさせられた。出版業界もこんな感じだ。音楽業界でも「良い音楽を紹介している」ということに甘え、ビジネス面のツメが甘くなり、人に迷惑をかけてつぶれる会社、借金のこしたまま消える人物など、後をたたない。

仕事っていったいどういうことなんだろう、と悩む。先日も業界セミナーみたいなのに行ったけど、確かに当てている大きな会社はものすごいお金を投資し、現地人のスタッフも雇い、すごい勢いでプッシュし、広告を使って媒体を、販促費を使って店頭を占拠してくる。本気度が違うとも思った。これなら当たるのが当たりまえだ。彼等からみたら、ウチらのやっていることなんてお遊びにすら見えないだろう。ビジネスどころか、同じ土俵の上に載れないというのが実情だろう。大きな会社はそうやってお金をつかって業界全体の経済を回さないといけない。売れているやつは業界全体に責任がある。が、セミナーは正直、あまり面白いとは思わなかったし、説得力もなかったように思う。そんな業界のいろんなことを、あれこれアナライズしたりするよりも、その人たちが何をやっているのか…それをもっと聞きたいと思った。誰が何をやっているか、何を実現させているのか、という事の方が、よっぽど大事だ。

いつだったかゲンロンの東浩紀さんが某ラジオ番組で、世の中のいろんな大きな問題についてさんざん語ったあげく、最後の最後にそのラジオ番組の放送されないポッドキャスト部分で、「俺は【ゲンロン友の会】という自分の小さな村のことしか考えてない。●●さんがラジオをやっている、●●さんが本を出している、それしかないと思う」と語ったのを思い出す。私も気分はそんな感じだ。

私は私に期待してくれているお客さんと、自分のアーティストをいかにつなげるかという事しか考えていない。えらそうにアナライズしたところで、何か意味があるのだろうか。人が何を言おうが、究極的には自分のことを分かっているのは自分だ。所詮人が言うことは「バイアスがかかり、無責任」(from 勝間和代「断る力」)なのである。

人に迷惑をかけないように、そして自分の周りの人に役にたてるように。「自分の小さな村の運営」に頑張る、それだけだ。