日本敗退

久しぶりに走り始めているのだが、今日は足の調子を考えてたったの2km。たったの2kmでも嬉しい。「くにまるジャパン」のラジオを聞きながら走っていたらネパール人のジギャンさんによる陸前高田のレポートがあった。大手メディアは東北を取り上げない、とか言う人多いけど、文化放送の「くにまるジャパン」は本当によく東北の話題を取り上げていると思う。

ところで今朝はサッカーがあったんですか? 冒頭でジギャンさんが「日本のサッカーは熱意や根性など気持ちに頼るより、このチームにはこう、とか戦略が必要なんじゃないか」とおっしゃっていたのが印象的。これ、実はすっごくするどい事言ってくれていると思う。サッカーのことは何も知らないが、日本の問題のすべてにおいて、それは言えると私も思うからだ。

例の都議会のヤジオヤジもそうだけど、日本人は自分がダメ人間だというのをまず知らないといけない。そして…個人の善意や努力に頼ることを辞めて、社会の構造や仕組みを変えて行くという方向に行かないといけない。そんな風に思うの、私だけですかね?

だれがだれを攻められるだろう。正直あの程度のセクハラは日常社会に溢れている。言った方の議員も単にヤジというか、場を面白がらせよう、という程度の気持ちでヤジを飛ばしたにすぎない。それを後から「結婚なさればいいのにな、と思った」とか、謝罪会見して、バっカじゃねーの、と思う。問題の論点がまるでずれてしまっている。

残念ながら私はあまり迷いがないため何を言われようが動じないけどね。結婚してない,多いに結構。実は結婚しない人生の方がいいと思っている。ほんとに羨ましかったら、金使ってでも、人脈使ってでもホントに結婚するわいな… 言われた方の女性議員にも、もっとなんかこう歯切れのよい格好いい反応をしてほしかったなぁ。せっかく世界が注目してるんだから。 

それにしてもダメな日本人。原発だってそうだよ。自分がダメ人間だって謙虚さがないから出来るんだ。死刑だってそう。自分が間違っているかもしれない…って冤罪の可能性を疑わないから、人を公式に殺せる。そう我々は人を公式に殺している。それを言うとヨーロッパの人は目を丸くする。死刑がある国はEUに加入できない。

昨日も都内、三鷹とかで雹(ひょう)が大量にふって大変なことになっているのに、都の公式twitterで活躍してたのは消防庁のアカウントくらい? 後はツイートしてても他のアカウントのRTばかりだったり… こんなんで次に大きな地震が来たらどうすんだろ、と思う。

しかしネパール人のギャンさん、すごい。陸前高田で瓦礫処理のボランティアをしたらしい。外国の人は日本にいることを感謝してくれているんだろう、と思う。日本が好きなんだよ、みんな。東北とか言って、私なんて今だにコンサート制作で2回ほど東北を訪ねただけだ。自分中心の企画を作ることは得意でも、ほんと自分はバケツリレーが出来ない人間なのだよな、と軽く落込む。

ま、いいや、自分が出来ることを一つ一つやらないとね。それが少しでも良い世の中を作る、ということを信じて。

こういう気分のときは、こういう音楽を聞くと元気が出る!



こういうのいいよね。ヴェーセンが面白いのはリズムは実はニッケルハルパから出ていることだ。このスイング感はメロディから出ている。もちろんローゲルのギターはリズミカルでかっこよくて全体をパワーアップさせるパワーエンジンだ。だけど、あくまでウーロフのスイング感が、バンドのリズムの要なのだ。それは聞けば分かる。

ヴェーセンは正三角形ではなく二等辺三角形だ。何度かここに書いているが、よくミカエルとローゲルは「ウーロフは自分たちのことを聞いてくれていない」と言う。(そんなことないと思うのだけど)でも反対にミカエルとローゲルはウーロフが聴こえなくなると演奏がまったく止まってしまうのだと言う。

ウーロフは絶対的なメロディプレイヤーだ。こんなにはっきりとしたメロディプレイヤーは、実はあまり存在しない。他に誰かいるかな…と自分で考えてみても、例えばハラール・ハウゴー?とか? でもハラールの場合、メロディプレイヤーというより彼の才能をドライヴするソリストであり、ウーロフみたいにメロディをがっつり自分で押さえているというのとは、また種類が違う。

このヴェーセンの不思議な二等辺三角形が一つの生物のようにアメーバみたいに形を変えグニョグニョしているのがヴェーセンの構造だと言える。光の当たり方によって、それはまるで違うものに見える。だから面白いし飽きないのだ。病み付きになるのだ。

一時4人のヴェーセンを呼んだことがあった。アンドレは素晴らしいパーカショニストだったが、4人になっちゃうとやっぱり違うんだよね。やっぱ3人だってのが、ヴェーセンの秘訣なんだと思う。これについては、またなんかの機会に書いてみたいと思う。

しかしこのスイング感はどうだ! 決して早い曲…いや充分早いけど…を演奏しているわけでもないのに、スピード感がある。この一体感はこの曲において、すごく分かりやすいでしょ? そこがヴェーセンの素晴らしさだと思う。これはほんとにスペシャルだし他のバンドでは絶対に実現できないものだ。

いつだったかご自身も演奏家でいらっしゃる名古屋のIさんが言っていた。「他のアイリッシュや北欧のバンドは、ものすごく練習したら、もしかしたら同じように弾けるかな、って思わせるんだけど、ヴェーセンとマーティン&デニスは、これは絶対に無理だとわかる。ほんとにすごい」まったく同感!