ICU国際基督教大学高等学校に川内有緒さんと一緒にお邪魔してきました

今年で数えてみたら、すでに4回目なんですね、この企画。

国際基督教大学高校さんでは、6月の第1週はキリスト教週間ということで、水曜日に各界で活躍するいろんな社会人を呼んでお話を聞くという、マルチイベントと呼ばれる企画をやってらっしゃるのですが、野崎は2011年より、嬉しいことにこのイベントにお声をかけていただいております。

1回目は自分がしゃべり、2回目以降はゲストをお呼びして「洋子の部屋」形式でお話しをうかがう、という(笑)そんなシリーズになっています。

2回目は通訳の染谷和美さん、3回目はカメラマンの畔柳ユキさん、そして4回目はペッテリ・サリオラが担当し、今日は、あの新田次郎賞をゲットした作家の川内有緒さんをゲストにお迎えしました。子育て中で忙しい中、朝早くから川内さん、ほんとにありがとうございました。

というのも、なんといっても川内さんは「パリの国連で夢を食う。」って本を出してるんだから! 「パリ=素敵な海外」「国連=外資の最高峰」ですよ(笑)

高校生と言えば、将来が不安で不安で仕方ない年頃。その生徒さんみんな、川内さんの話を聞きたがるだろうってんで、お願いしたわけです。でもさすがソルボンヌで教鞭を取っていただけあって(詳しくは「パリの国連で夢を食う。」参照)、川内さんの話、すごく面白かった!!

まずは雑誌レポに連載された「国連で働いてみました」の前編&後編を生徒さんに前日にお渡しし、これである意味、生徒さんにはガッツーン!とショックを与える(笑)

国連は硬直したお役所社会の最高峰、川内さんにいわせりゃサファリパークなみの個性派揃いの連中が集まっている。すごい高学歴なのにパワポのクリックを押すだけの仕事をする同僚…など笑えるエピソード満載。そして川内さんは、長く勤めれば一生安泰という職員の座をあっさり捨ててしまい、たまたま勤務中に聞いた「バウル」というバングラディシュの無形文化財に惹かれ、それを訪ねて旅に出るわけでですよ。そしたら、なんとその2週間の旅を書いた本が新田次郎賞をゲット!…という、ホントにすごい人なんですよ。

それにしてもすごいですよね。普通国連に勤めることが出来たら… 辞めないと思うわ。私だって国連に受かったら(受からないけど)、自分を押し殺してその場にしがみついてしまうかもしれない。川内さんのすごいところは、そこに留まらず、自分の「書く」という夢を諦めず、大変権威のある賞までゲットしちゃったところ!!

それにしても面白かったなぁ。特に、これは生徒さんみんなが聞きたかった質問だったと思うので、私が代表して突っ込んだんだけど、国連の、驚異の2,000倍の倍率を突破した勝因。それはなんですか?と。そしたら、川内さんの答えは「笑顔、かなぁ」とのこと(笑)

実際、川内さんはその後、面接官として新規採用の面接に立会う機会もあったのだそう。その時、やはり自分でも考えたのは「この人はこの個性豊かなメンバーの中でちゃんとやっていける人か」ということだそう。結局は面接官は、その人のキャリアうんぬんよりも、人柄を見ているんだよ、ということ。なるほどねー

あと「直感」に従う、みたいなことを川内さんが言ったら、それに反応した生徒さんがすごく多かったね(下の感想参照)。あとで話を聞いたら、川内さんもジョブズ大好きなんだって。ドットとドットをつなぐ、自分の心と直感に従え…などなど。本当にジョブズの言葉には響くことが多い。ジョブズも直感を信じていた。

それから面白かったのは「ハワイで映像撮ったりするのが夢で〜〜、でも親に反対されて〜」って子に対する川内さんのアドバイス。「まずは逗子海岸から撮影をはじめなさーい!」だって。爆笑。でもそうだよね、そうやってボケボケしてないで、少しずつ夢を形にしていくんだ、遠回りになっても。最近の若い子は最短距離を行きたがりすぎ!(←おばさん発言)

あと「夢を叶えるのは職場ではなく自分」ってのも、すごく響いたみたいね。それを感想に書いてる子が多かったよ。でもホントそうだもの。私もなんか感動しちゃったよ、川内センセイ!!

と、まぁ、以上、すみません、私の記憶とメモを頼りにこのブログを書いているので、間違った理解があったらすみませんが、今日は本当に楽しかった。帰りに学食で大盛りのカレー(しかも唐揚げが3コくらい載ってた)を食べて、帰路に付きました。

さて、以下はいただいた高校生の皆さんの感想より。

「川内さんの直感を信じて生きる生き方がすごい楽しそうでキラキラしてて、とても憧れだなぁと思いました」

「川内さんの話を聞いて直感って大事なんだと思いました。あともう1つ印象に残った川内さんの言葉が“ダメな理由を考える前にチャレンジしよう”というので、私も、これからそういう風にしていきたいと思います」

「“自分の人生をまじめに考えてなかった”と言っていましたが、行くところでしっかりと自分の能力を発揮し、実行している姿、尊敬しました。何にでも興味をもつと可能性が広がっていくのだなとも感じました」

「頭より心を聞いてあげるという事を聞いて、自分の今までの考え方をやめようと思った」

「自分がやりたいことを見つけるのは大変だと思う。国連のように期待を裏切られることもあるだろうし、直感で生きるのは勇気がいることなんだと思う。それなりにリスクも伴ってくるはずだし。私もやりたい事とか決まってないから、旅とかもしてみたい。目標をしっかり決めないくてもやりたい事をやろうと思った」

「社会人として何がしたいか、どこで働くかも大事なことだけど、それ以上に“与えられた場所で、そこで自分が何をするかが重要である”と感じました。時には寄り道も必要で自分の選択が何につながるかは予想できることではないので、常に前向きに挑戦しつづけたいなと思います。“自分の人生をコントロールできるのは自分”という言葉が響きました」

「夢を叶えるのは職場ではなく自分。結局自分の選択や努力でどんな風にでもなるんだと思うと恐くもあるし、よっしゃ、やったるっていうのも少し思う」

「将来の夢は? 将来なにになりたいの? よく聞かれる質問です。聞かれるたびになんだか急かされている気分になるのです。今回お話しを聞いて、目的へ一直線に向っていかなくてもよいということを知りました」

「話の中で“道筋をたてすぎると、それが上手くいかなかったときに大変”という事が、一番心に残っています」

「私にICUHSを紹介してくれた先生は“高校でやりたいことはたくさん見つかるはず。だから今は自分のためにがんばりまなさい。夢を見つけるのは自分、かなえるのも自分”といつも言っていた。そのときは言葉の意味がわからなかったが、今日の話を聞くとなんとなくわかったような気がした。これも直感です❤」

「川内さんの“人生を一直線に考えると全てがプロセスになってしまってつまらない”という話を聞いて、軌道修正はいつでも出来るんだ!と少し目の前が明るくなりました」

「自分の経験を生かしたくて国連にも少し興味を持っていたのですが、今回の話を聞いて、この仕事でなければだめだ!という考え方ではなくてもいいのかな、と思いました。今の時点では決まってなくて、ざっくりと世界の歴史や文化について勉強したいなと思っています。ICUに入ったからこそ良い国際関係の仕事につかなければならないと思っていたのですが、大学でやりたいことをまずやってから仕事を探すのもありかなと思いました」

「自分の心の声をよく聞いて行動できると良いと思った」

「大学に行ったり、有名な企業に入ったり、ひとつの企業に勤め続けることが自分を幸せにしてくれるわけじゃなくて、自分で幸せを探すことが大切だということを学びました」

「道順を決めちゃうと全部が中間地点になっちゃうという言葉が印象に残りました。ちょっとずつ自分の道を探していく生き方をしたいです」

「自分が本当になにがしたいのかを考えて、周りがどう考えるかではなく自分のやりたい、好きなことを優先すべきだと今日の川内さんの話を聞き、そう思いました」

「私は夢を叶える話だと思って来ていたので、裏切られたと思いましたw 川内さんは何でも直感で行動できていて、どんな困難にも打ち勝てるのだろうなと思いました。何度も仕事をやめて、旅をして、国連までも辞めてしまうなんて私には出来ないと思います。それでも話を聞いていて、自分がやりたいこと、好きなことは職場ではなく自分で叶える、という言葉に説得力があるなーと思いました」

「私はこれまでの生活で迷ったり悩んだりしてばかりいたので、川内さんのお話しを伺い、正直とても驚きました。今は“試験が〜” “部活が〜”と自分のやりたいことをやらずに生きているので、これからは自分の心に正直になりたいと思います。また若いうちに海外に出て価値観を広げたいです」

「職場は必ずしも夢を叶える場所じゃない、というのがおもしろいと思いました」

「国連みたいな場所で働けば幸せになれる、やりたいことができるわけではない。最終的には自分が夢を叶える、という考え方が体験を聞いてよく理解できた気がする」

「自分の人生を考え直す良いきっかけになった。これからは自分が“何が好きなのか”もっと考えていきたいと思う」

高校生の皆さん、ありがとうね!!

ちなみに嬉しい事に川内さんの名著「バウルを探して」が文庫本として10日に発売になるそうです!やった! タイトルがちょっと変わって「バウルの歌を探して」まだ読んでいない人はチェック! 私があの本を読んだ直後、大興奮の(笑)感想はここ。川内先生、おつかれさま。私もなんだか元気になったよ〜