bar clear all


2018年3月5日月曜日

映画『ルイ14世の死』を観ました

いや〜、これまた重厚な映画でした。映画『ルイ14世の死』を試写会で見せていただきました。ありがとうございます。

試写会場着くなり配給会社社長がいて「うーん、洋子ちゃんはこれ好きかなぁ!」と言われたけど…(笑)

いや、好きでしたよ。かなり好きでしたよ。本当に素晴らしいと思います。さすがムヴィオラさん。映画の神様が付いてるな…

っていうか、これは観たくなるでしょう。このチラシといい、キャッチコピーといい、ホントにいいよね。このデザイン、狙っているよね〜。

一番上に、横書きで入った「これは一体!?」というキャッチコピーがいい!! なんか最近流行った『怖い絵』の展覧会というか、本というか、それに近い路線だよね。縦に入った「豪奢で陳腐な死」というコピー。これも最高にかっこいい!! そうなんだよ、こういう時代、いったい人は何を考えて生きて来たのか、誰だって気になるでしょう〜

映画を見て、まず思った事は、ありきたりだけど「誰にでも死は訪れる」ということ。そして貴族世界のあまりの陳腐さ、ばかばかしさ。弱った王がビスケットを食べたといっては「食欲が戻った!」「ブラボー!」とパチパチ拍手したりする,お取り巻きの皆さんたち… あまりにもチープすぎるでしょう。バカすぎるでしょう。
 
ネット上で発見。なんでもあるね、インターネット
ルイ王朝といえば、私たちの世代には、なんといっても「ベルサイユのバラ」でしょうな(笑) で、映画を見ながら最初私はルイ15世と14世を混同してた。死ぬ直前に愛人のデュ・パリー夫人をを見捨てたり、天然痘でドロドロになって死んだんだっけなぁ、と思ってたら…違った。(左のシーン)それはもう1つ先のルイ15世の話で、この映画は、そのおじいちゃん、もう1つ前の王様、ルイ14世。ベルサイユを建造した太陽王のルイ14世の話でした。

どうやらこの映画は残された文献に忠実に、ホントにこんなだったんだよ、ということで作られたらしい。画面がとにかく暗い。暗くてよく見えないのだが「死」を扱っているというのに、チープなドラマチック・ドラマに落ち入らず、しっかりとアート作品に仕上がっているのは、監督の冷静な距離感があるからだと思う。 とにかく画面に圧倒的な迫力があった。

しだいに黒く壊疽が広がる左足。そのうちに毒が身体中に回って、死んでいく。糖尿病だったんだろうなぁ、彼は。糖尿病の人で,あぁいうふうになっちゃう人いるもんね。それにしても怖い。足を切断すべきか、迷いながら、迷ってる間に手遅れになっちゃったわけで…

それにしてもなかなか死なんもんだなぁ、と映画を見ながら不謹慎にも思ったよ。それが、また本人の死をさらに辛い、苦しいものにしている。しかも亡くなったあとの解剖とか…とにかく、こういう時代のこういう人たちの話とはいえ、すごすぎる。人間が人間らしくない、あまりに「豪奢で陳腐な死」

映画を見終わったと、ご飯食べながら、ルイ14世、15世、16世と、それぞれの死に方をウィキペディアで確認してしまったぜよ。うーん、あれこれ知りたい事がありすぎる。なんというか、知識欲を刺激されるというか、まだまだ彼らの死について知りたくなる。そういう映画だった。これが、やはり史実に忠実なゆえの説得力のなせる技なのか!?  まさに「これは一体!?」というキャッチコピーの通り。うーん。

そうそう監督はカタルニア人の男性らしいんだけど、写真観たら、これまた若くてかっこいいのね〜。素敵だわ〜

英語字幕のトレイラーしか見つけられなかったけど、貼付けておきます。こんな風にとにかく暗いのよ、画面が。ほとんどが病人の寝室のシーンだから仕方がないんだけど。王の笑顔があったのは、冒頭の犬と戯れている時だけ。 なんだかなぁ、と思う。「可哀想」とすらも思わせてくれないのが、これまたこの映画のすごいところ。そういうチープな同情は必要ないのよね。

5月にシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。必見ですよ!


THE DEATH OF LOUIS XIV Trailer from Cinema Guild on Vimeo.

PS
そういえば、ルイ14世役の俳優さん(ジャン=ピエール・レオ)は、カウリスマキの『ル・アーヴルの靴磨き』にも出演してたよね!