堀江貴文『多動力』を読みました


先日の『ゼロ』が堀江さんの優しい部分を表しているのであるとすれば、こちらはいつもの過激な期待通りの堀江さんの姿が描かれている。まぁ、売れるだろうな…という感じ。幻冬舎だし、編集も箕輪さんだし、いかにもという感じのヒット作だ。

この本、ちょっと気になってたのは、『多動力』ってタイトル。というのも私も結構多動性なんだよね(笑)。いわゆる落ち着きがない、あきっぽい。とはいえ、この慌ただしい時代の自営業者としては、どちらかというとどっちの欠点も長所だと思っているのだけど、だけどやっぱり悪いところでもある。例えばいつも一気に10本とか20本の企画を走らせている。アイディアはその100倍くらいあって、その中から具体的に動き出せるのが100本中10本くらいかな…  そして結果が実るのはそのうち1本くらいかもしれない。とにかく「多動」というか、落ち着きのなさが仕事のスタイルなのだ。じっくり丁寧に、みたいなことがとても苦手。

そして何かを始めるとすぐ他のことを忘れて打ち込んでしまう。同時にめっちゃ飽きっぽい。よくブログなんか毎日更新してるとマメですね、と言われるが、とんでもない。私ほど飽きっぽい人間は滅多にいないと思っているくらいだ。あと、このあとは誰がやっても同じだと思うと対象アーティストに急に興味を失ったりする。また、こりゃダメだと思えば深追いはしない等々。

同時に注意欠陥症みたいなところもある。この本でも、あまりの多動性で服が着られないどっかの偉い人の話が紹介されているが、彼なんかはボタンをかけている間にやりたいことが次々浮かんでしまい、服がなかなか着られないんだろうそうだ(笑)。気持ちわかる!

まぁ、いけないのはインターネットだよね。あれは多動性を加速させる。メールをチェックしてて「あ、あの件は確かツイッターで誰かが言ってたな」と確認したくなると、そっちに行き、そこにたどり着く前にツイッターのタイムラインにひきずられ、もともとの目的になかなかたどり着けない。そういうのってありませんか? まことに私は落ち着きがない。紅茶とかも入れて蒸らしている間に入れっぱなしで真っ黒。洗濯物、洗って洗濯機の中に放置して干すのを忘れてシワシワとか、日常茶飯事だ。

でもそれが今の時代にはあっているのだろうなと思うのところは多々ある。私はラッキーだった。

という中でこの本。この本のこのタイトル。まぁ、そういう私と堀江さんは思っているところが重なる部分がたくさんある。彼を知れば知るほど私の中の「ホリエモン性」をまさまざと感じるのだ。私はきれいな心の芸術家にはなれない、とちょっと思うわけ。この悲しさがわかるかなぁ…

話はちょっとずれるが、いつだったか「音楽ビジネスの今後」という話題で話をしている堀江さんを動画でみかけた。同じテーマでひろゆきさんもまったく別のところで語っていた。そして二人が似たような答えを出していたのが印象的だった。そして、それは音楽の仕事を20年以上している私が苦労して導き出した答えと実は一緒だった(具体的に何を言っていたかは内緒)。この二人、すごいな、とちょっとその時思った。でもその答えは、儲けようと思ったら、間違いなくそっちの方向に行くしかないということを表している道で、それについては、私の中の綺麗な部分というか中2の部分が(笑)、それをしないようにと私を今の位置に引きとどめているのだ。わかるかな? もちろんそれは犯罪ではない。でもそれをしたら自分の魂を売るのと一緒じゃないかと思えるくらい…まったく今とは違う道なのだ。まったく悩めるわたしなのである。まぁ、もっともそんな綺麗事言ってられるのも今だけで、このあとアフター・コロナで自分もそちらに転向しないと、音楽業界で暮らしていけないかもしれないということもあるのだけど。いや、今のスタイルが維持できないんだったら、他の業種に転向もありうるのかもしれない。

すみません、話がずれた。まぁ、言いたかったのは、私が25年かかって出している答えが瞬時にわかってしまう… そのくらい堀江さんは頭がいいし、経験もつんでいるということだ。だから「野崎さん、ホリエモンの本なんか読んで」と単純に批判しないでほしい(笑)。

印象に残ったところを未来の自分用にメモ。

●肩書きは掛け合わせると何万人に一人のレアな自分になれる。今どき1つのことしかできないようではダメ。

●子供のころはノリだけで文化祭とかやったくせに大人になると何もやらないのは夢がなさすぎる。

●ひとつのことにサルのようにハマれ。ひとつのことを根っこまで掘り下げれば、そのジャンルの真髄がわかり、他のことも一気に理解できるようになる。(これ、私もめっちゃ共感するし、若い人にも言いたい!)

●仕事を選べ。やらないことを決めることで進むべき道がひらける。

●悪い質問とは(1)FAQみたいなあまりに基本的な質問(2)論点がばらばら(3)前提条件がはっきりしない(4)不要な情報をだらだら説明する 良い質問は明確に完結に!

●会議は感情論に流されないこと、何を決めるかわかってない会議では結果はでない。

●堀江さんは時間が無駄になることを何よりも嫌う。それは私も同感だ。

●電話をかけるな。(私も電話はほとんど取らない)

●仕事の早さはリズム これ前の本にも書いてあったよね。仕事が早い人ってのは、テンポがいい。速度ではなくてリズム。これが大事。そしてリズムを崩してくるような駄馬のようなランナーは置き去りにせよ、ということ。厳しいが仕事で成果をあげたいならそれが正解。

●ヒマな人ほど返信が遅く、忙しい人ほど返信が早い。「メールやLINEは即レス」「見た瞬間に返信」「(情報の)渋滞は作らない」

●刑務所で一度もメルマガを送らせなかった。→ これ、めっちゃ重要。例えば津田大介さんとか大好きで、メールマガジン最初から取っているけど、それがあまりにも不定期すぎて、ちょっと考える。まぁ、でも津田さんは津田さんの良いところがあるので深くはここでは書かない。ちなみに堀江さんのメルマガはわたしは読んでいない。

●最強のメンタルをつくる。恥をかいた分だけ自由になれる。失敗したらどうしようみたいな感情はすてる。「小利口な人間があれこれ考えて行動をおこせずにいる間に、手を挙げるバカがチャンスを手にする」「言い出しっぺが本気にならねば、プロジェクトは絶対に成功しない」「最初に手をあげるバカは少数派である」「リーダーはバカであっても構わない」これ、私もすごく考えるところがあって、コロナ前から思っていたのだけど、実は自分は「バカなリーダー役」というのがあっているのではないかと思うところがある。仕事は私よりよっぽどできる人がいくらいでもいる。堀江さんの「小利口」という言い方はちょっと他人をバカにしているように思えていらっとするが、つまりはそういうことなのである。

●永遠の三歳児たれ。資産(守り)は人をダメにする。

●人生に目的なんてない、とにかく今を楽しみなさい。→「人生に意味はない、味わいなさい」言ったのは誰だったっけ。それを思い出した。

最後に堀江さんからのメッセージ。「言いたいことを言い、食べたいものを食べ、やりたいことをやってみよう。自分で自分をしばる必要はない。生きたいように生きればいい」

まぁ、めちゃくちゃ過激な本であったけど、共感する部分はたくさんある。でもこういう本、読んでも行動しない人って、絶対に行動しないのよね。

行動するのはバカな人間だけだ。堀江さんも、私もバカだ。でもバカで結構、楽しく生きよう、って気分なのだ。