ミュージシャンの方への具体的なアドバイス

線路は続くよ、どこまでも とある日の都電

ホリエモンのネタ書くと、このブログはアクセスが下がる!! こっちは具体的なアクセス数を数字で見ているので、気づいちゃいるんだ、私も。ウチのお客さんたちは、堀江さんみたいな人を嫌っているってのを。でもこれ、すごくいいので一度見てみてください。この、高校生の質問に答えるシリーズ、すごく良いです。今回は津軽三味線が楽しめるレストランをスウェーデンに作りたい、というご相談。

高校生の「その夢、壮大すぎるだろ」「無理だろ、そんなの」というところを突き放さず、真摯に答える堀江さん。すごくいい。


この動画見て、「JAZZと津軽三味線じゃ、全然違うだろ」とか言っちゃう音楽関係者多いと思うけど、そういう人はメタ認知ができてない。普段音楽聞かない人にしてみたら、JAZZだって、津軽三味線だって、ワールドミュージックだって、ケルト音楽だって、まったく認知度は変わらない。いわゆる「わけわかんない音楽」なのだ。

「コラボしろ」っいうアドバイスもすごくいい。私も同じようなアドバイスはよくミュージシャンにしている。これ基本中の基本だよね。よっぽどの飛び抜けた天才やヒット曲メーカーでない限り、それが活動の基本なんだよ。チーフタンズだって、なんだって多くのアーティストはそうやってやってきたわけで…堀江さんがチーフタンズを知っているはずもないけれど(笑)

成功しているバンドのバイオを見ればわかる通り、お金になる・ならないは別として、まずはバイオグラフィーにきちんと書ける活動をしていかないとダメなのだ。実際、これが一番かけているのが、北欧のバンド。国が手厚く活動を援助しているから、その弊害で、そういうことに対する危機感がまったく欠如している。おかげで彼らのバイオグラフィーを書く時に、こっちは本当に苦労するのだ。「誰々とコラボ」の欄にならんだ、世界レベルではまったく認知されてない名前の数々(笑) ヴェーセンだって、せいぜい普通の音楽ファンがやっと分かるところで、クロノス・カルテッド、パンチ・ブラザーズくらいだろう。それだって音楽聞かない人には「なんじゃ、そりゃ」である。(反対に北欧バンドのバイオの良いところは「どこどこで演奏」が多いこと。国が飛行機代の一部を援助してくれるから、たいていのバンドはアメリカ、アジア、他のヨーロッパにはキャリアの早い段階で演奏経験が構築できる…もっともそこで30人くらいのお客しか相手にしてなかったりもするわけで、それはそれで問題なのだが)

話がそれた。つまり「誰々とコラボ」というのは「受賞歴」「レコードセールス」「年間公演数」「フェスティバルへの参加」「演奏した国数々」などと同様、大きくミュージシャンのプロファイルを構築する要素なのだ。そういう要素を組み立ててこそ、明日はベターな環境で演奏できる。そういうことだ。

そういや某フェスのプロデューサーが「フェスのメインステージじゃないところで演奏させろと無名のミュージシャンが大挙して押しかけてくる。みんな無料でフェスを見たいだけ、そして自分のバイオにここのフェスで演奏しましたよ、と書きたいだけなんだ」と愚痴っていたのが思い出される。

…と、まぁ、それは別の話(笑)

一方で、堀江さんが動画で言ってる「鼓童」や「阿波踊りのチーム」とかとのコラボは一見相当ハードル高そうだけど、無理のない抜け道かもしれない。例えば彼らの世界ツアーについていって、その場でロビー演奏なんてどうだろう。ロビー演奏やらせてくださいってオファーして、断る主催者はほとんどいないだろう。ギャラは当然出ない。でももしかしたら自分のCDくらいは売らせてくれるかもしれない。何よりマーケティングの勉強になる。

ここで、自分たちの演奏にPA(音響設備)がないとダメ、自分たちの楽屋がなきゃダメとか言っていてはダメだ。自分たちの費用で、皆さんのツアーバスの後ろからレンタカー運転してついていきます…くらいの勢いでのぞんでほしい。うまくすれば楽屋へのアクセス(着替える場所やケータリングなど)は許可されることもある。もっとうまくすればツアーバスにも乗せてもらえるかもしれない。

だからまず自分で収入なくてもそんな生活が維持できる予算を作って、期間を区切ってトライしてみたらいいかもしれない。ロビー演奏なら本体のステージのスケジュールに迷惑かけない。ちなみに本体のステージにあがるとなるとステージのプロダクション、タイムテーブルに多いに迷惑をかける羽目になるから、「前座やらしてください」はハードルが高すぎる。っていうか、前座やりたいなら金払え、だ。が、ロビー演奏であれば、主催者にはあまり大きな問題は発生しない。お客さんにも喜んでもらえるのではないか。

いや、ロビーなんて無理っす。PAや照明がないと演奏できないっす… そういう人は例えばまずストリートパフォーマンスから初めてみるといい。最近のストリートの人はみんなPAを持ってきているが、あれはうるさいし、ストリートの鉄則に反すると思う。PAなしの演奏の練習にストリートは最高だ。ヴォーカリストだったら、声が大きく、遠くの人にまで届くように歌えるよう鍛えられると思うよ。ストリートは練習スタジオや自宅で練習するよりも全然効果がある。人前で演奏することは、とにかくミュージシャンを成長させる。いや、PAないと楽器のバランスが悪いんです…そういう人やバンドは小型のPAかを自分で買うか、アンプを用意するしかない。でもアンプが一つあっただけで電源の確保が必要とか、パフォーマンスに制限が加わってしまう。電源1つで足かせ1つだ。足かせは少ないほうがいい。そうして、なるべく身軽になり「これがないと演奏できない」という要素を消していくのがいい。いずれにしてもロビー演奏させてください、PA必要です、じゃ話にならない。ロビー演奏は基本PA、照明なしで。これ鉄則。主催者の負担になってはいけない。主催者の負担にならなければ、ロビー演奏のアイディアはうまく機能する可能性は多いにあると思う。

…とまぁ、やれることはいっぱいある。これ以上は書きません。この先の相談に乗ってほしい人は有料で承ります(爆)

…というわけで、堀江さんのビデオに影響を受けて、このブログを書いてみました。何度も書いているけど、何かというと「野崎さん、勝間さんとか堀江さんとか津田さんとか、大好きですね」と揶揄してくる人がいる。何度も言うが彼らのすべてに共感しているわけではない。ただ全否定してしまって、何も話を聞かないというのはもったいないと思う。同時代にこう言う人が活躍してくれてて、すごく励みになるよね。

堀江さんの本で一番好きなのは、これ。他の本はイマイチ乗れなかったけど、これはなんかあったかい気持ちになれる良い本です。