あらためて音楽とは何か

 


この本、昨年のわたしのプラチナ本なんですが、読んでくれた人はいるかなぁ。読んだ当初の感想はここに書きました

改めて、この本に書かれていた「音楽は作曲家にとっても演奏家にとっても聴衆にとっても謎の存在なのだ」ということを噛みしめる。「その謎の前では誰もが平等である」ということを何度も考えています。

そして「音楽」は、「演奏する人」それを聞いている「観客」、ほかにも「同じ会場で一緒に聞いている人」を絶妙な距離でつないでくれる。帯で波多野さんが書いているように、なんというか日頃のいろんな憂さから引き離し、一人にしてくれる。ほおっておいてくれる。そんな不思議な心地よさが音楽にはあります。

そして同じ会場でそれを聞けば、そこに不思議な一体感が生まれる。不思議な三角形… いや、その頂点に「音楽」があるのだとしたら、三角錐かな?…と形成しているわけです。そう考えると妙に納得する。一人で聞いているんだけど、一人じゃないという不思議な感覚。

わたしは普段からコンサートには一人で行く。一人で行って現場で知り合いと偶然一緒になって終わったあと、ご飯に流れたりすることもあるけれど、公演の内容が良ければ良いほど実は誰ともしゃべることなく、一人で延々と帰宅の道を歩いて帰りたくなるんです。わざと遠回りしたりして。

あの感じ、好きでねぇ…

そんなわけで明日はウォリスの上映会。ウォリスおもしろくって、最初の15分の内容は結構笑えるものです。スタートが「こんにちは、あけましておめでとうございます」で始まるのは収録が1月15日だったから(笑) そして家で演奏しているのに弦が切れたり、歌い出しをド忘れしたり、なんか天然なんだよな。あ、エイダンもマスク姿で登場しますよ。本当にこの上映会のためにわざわざ収録してくれてありがとう。まぁ、笑ってやってください。

そして彼女の6枚のアルバムをセッションした動画からのセレクトは、さすがのパワーで、ここで一気にギアが入ります。この感じがいいんだよな。このドライブ感。あとスパの音響を利用した大合唱には涙がでます。最後は女性だけのバンドのトリオの演奏で、合計74分の映像になります。終わりがはっきりしているのが、いいね(笑) 先日、ライブハウスさんの方にはすべてマテリアルを納品済み。技術のスタッフに映像と音声を確認してもらいました。あとは本番を待つのみ。

なにせこの緊急事態宣言下ですから、それほど人は来ません。当初シアター形式にしようかと思っていた会場ですが、テーブルもだしてゆったり感を出すかも。なにはともあれ当日ぷらっと寄っていただいても入れますから、その点はご安心を。もちろん感染対策もあるし、気は緩められませんが、とにかくみんなで集まって音楽を楽しみましょう。

それにしても動画って、You Tubeの生配信コメントを追いながら見ているだけでも結構面白いもんね。同じ会場で、少ない人数ながら、一緒に見たら、いったいどんなふうになるんだろう。一応1曲終わるごとに拍手とか来るのかしら(笑)。自分のイベントながら、ちょっと興味深いです。

なおすでに第2回のTOKYO SCREENINGも、別アーティストで準備に入っています。がんばるよん。

明日木曜日18:30スタート、代官山の「晴れたら空に豆まいて」にて。