映画「犬部!」見た〜 楽しく笑える、そして泣ける


映画「犬部!」を見てきました。邦画は滅多に見ない私ですが、いやー 良かった。泣いたらいかんと思いつつも、わんこが出てくるたびに泣いちゃいました。

実は、この映画の元ネタが片野ゆかさんといって、尊敬する高野秀行さんの奥様が書かれたノン・フィクションなのです。

なので、いつかちゃんとこの本を読んでみようと思っていたのだけど、実は積読になっちゃってて、まだ読んでいなかった。それにしても高野さんの「早稲田三畳」を通り越し、奥様のこちらの方が先に映画化されたというニュースを聞き、これは見に行かねばと西新井へ。

久しぶりの西新井。どこででも見られる普通の映画は、毎回ここで見ることにしている。というのも、ここはうちから一番近い映画館で、加えて子供映画以外はガラガラなことが多い(笑)のでこういう時期にはぴったりだ、と。お盆だし、誰もいないだろ、あの映画館はマジで子供向けの映画じゃないとお客は入らないんだ…と思いながら。

でも予約を取った時点で、画面を見ると、小さめの会場のスクリーンながらも、かなりいっぱいの状態。もっとも緊急事態宣言下でキャパ半分だからかもしれないのだけれど、なんとかギリギリ席が取れた。

そして実際、会場を眺めてみたら… 親子連ればかり!! しかも子供は女の子が多い。この子たち、みんなが獣医になっちゃいそうな勢い(笑)

聞けば上映の延長が決まったり、全国的にかなりヒットしているらしい。すごい。

それにしても楽しい2時間だった。まずはわんこたち、ちゃんと演技してるからすごいよね。片野さんは撮影とかのぞくチャンスはあったのかなぁ。動物の撮影って、どうしたら、あんなに上手くいくんだろ。

例えば、檻から抜け出して逃げてきたわんこが帰るのを嫌がるシーンとか…。指導の人がここで待てとか言ったら、その人がOK出すまでは、他の俳優さんがひっぱっても足をふんばって動かないように…とかしてる…みたいな感じ。

鳴き声や吠える声なんかは、たぶんダビングだろうけど、いや、本当にすごすぎるよ、もう!!

ワンちゃんたちも素晴らしかったけど、この主人公の子、やばかった。弱いんだ、私、こういう「自分が世界を変えてやるーーーっ」って一直線の主人公に。

当然のことながら彼も荒波にもまれる、もまれる…「とにかく絶対に一匹も殺させない」と。俳優さん、ぴったりの役だねぇ。林遣都さんっていうんだって。

いや、まじで弱いんだ、こういうのに。こんな人実在しないでしょとか、普通もっと迷うだろと思いつつも、彼は少しずつ少しずつ不器用ながらも周りを動かして行く。とにかく命を救うために!!

脇を固める皆さんの中では、彼をヘルプする動物病院の看護師さん(安藤玉恵さん)が、本当に素敵だった。あの「やっちゃいけないことリスト」の「カリカリを食べないこと」には笑った!

そう、過度にお涙ちょうだいみたいな演出はなく、逆にかなり笑える要素もたくさんあるんだ。ドタバタしながら、迷いながら、悩みながら、とにかく奮闘していく彼らがとても眩しい。いや、大変だ。大変なんだけど、なぜだかとっても楽しそうなんだよね。

しかし私も社会人になる前に、大学時代に動物飼っておけばよかったかな…とちらっと思った。いや、当時は貧乏だったし、当然4畳半のペット禁止みたいな場所に住んでいたので絶対無理だったわけだけど、せめて時間はあったように思う。その時間を私は自分が楽しむことに精一杯使ってしまった。

いや、飼うなら逆に「今」か。映画を見ながら、最初の30分はそんなことばかり考えていた。そうやって時間はどんどん過ぎていってしまう。途中からは映画のストーリーにすっかり引き込まれ、主人公と一緒に私もドキドキ!

でもマジで保護犬のセンターとか譲渡会なんて行って目があったら…もう終わりだなぁ。私も「一番人気のない子ください」とか言っちゃいそうだ。

それにしても彼らが考えた「犬部」っていう部活動名がいいよね。ウチの「ケルト市」みたいでさ(爆)、なんか直球ストレート。

そして真っ直ぐに不器用ながらも進んでいく主人公と、現実的でありながらも夢を描き、夢に向かって少しずつ進みながらも挫折する親友の、これは、また再会の物語でもあるのだ。うん、良いエンディングだった。見終わって、さわやか!!

で、はりきってパンフレットを買いにカウンターに走ったのだけど、残念ながら売り切れ。ポスターも見当たらないし、せめてチラシもらって帰ろうとしたら、こちらはこちらで見事に1枚もなし。

ありえない、TOHO西新井!! やる気がなさすぎるだろー 次のシーズンの新作紹介はいいから、今、映画館やこのショッピングセンターに来ているお客にアピールしようよ。もしかしたらもう1本見て帰ろうかってなるかもしれないのに。

それにしても獣医ってのも、外科医同様、若いころからのコミット力が必要な職業だよなぁ。そういや私の高校の友達で獣医になりたい、と言っていた子たちはみんな獣医になってる。医者になりたいと医学部行った子たちも医者になってる。当然だよね、医学部行ったわけだから。

でもなんかそういう職業につく人って不思議な気がする。もちろん頭が良くなくちゃできないわけだけど、究極的に逃げ場がない、みたいな。私みたいに旅行業界と音楽業界いったりきたり…最後は会社もやめてフリーランスなんて人生は彼らにはないんだよね。

でもなんというか、人生に対してコミットしている人の姿なんだよなぁ。なんか覚悟が違うんだよなぁ、と思ったりした。こういう人が真面目に次の世代へと、世界をより良いものにして引き渡すことができるのかもしれない、と思った。

ちなみに、こちらが実在するモデルになった方らしい。すごい。めっちゃ感動的だから、ぜひ読んでー

しかし皆さん、ご想像のとおり、私は、どっちかというと「映画という物語」よりも「実際にあったこと」の方に興味津々。原作がノン・フィクションっていったいどういうことなんだろう。

実は片野さんの原作本は、ずいぶん前に買ったまま積読(現在推定60冊くらい積み上げ中…orz)になっちゃってる。今、読んでる本が読み終わったら、これをすぐ読もう。

そして読み終わったら、すぐここに感想を書きますね! おそらく…想像だけど本の方が面白いというか、私には響くに違いないとは思っている。ふふふ、期待マックス!

…と詰んである本をみたら「犬編集部」の方だったー がーーーーっっっ。あわてて「犬部」の文庫本をポチり。さすがアマゾン、昨晩遅くにオーダーしたのに、今日にはもう届くらしい。


PS
そういや、ほんとこの獣医の太田先生、世界を変えつつあるよね。

自分 → それが本になる → 映画になる → 多くの人に知れ渡る → いくつか過程を経て → 世間がかわる