能町みね子さん『ほじくりストリートビューザ☆フューチャー』を読みました 妙に沁みる!!

 


能町みね子さんの新刊。「散歩の達人」の連載をまとめたものだという。いや〜、面白かった。実はうちの近所の話もネタになっているよという情報筋からの情報により、さっそく購入。

あっ、あったよ、足立区新田。確かにうちの近所は本当に変わっている… いや、これがノーマルなのか。

まず、うちは墨田川と荒川の間に浮かんでいる島なのだ。足立区と言っても、ちょっと飛地みたいになってて、住所は足立区なんだけど気持ちは北区という不思議な場所。

そして、西東京に住んでいる人のほとんどがびっくりしてしまうと思うのだけど、本当にこの辺にはいわゆる「お店屋さん」的なものがほとんどない。

あっても、汚くて接客にはとても向かないような段ボールが積み上げられた八百屋の奥におばあちゃんが一人で座っているとか、客席に山のような私物が積み上げられた喫茶店とか、なんというか、もう終わった感がすごいんだ。

しかもかろうじて環七の内側なんだけど、タクシーは拾うものではなく呼ぶもの。交通の便もバスがなければ非常に悪い。

そんなすごい近所のことがどんなふうに書かれているんだろうと興味が湧き、思わず新田1丁目の回を最初に読む。

能町さんが新田を「荒川と隅田川に挟まれた細長い土地で」と書いておられるのを見て、いやいや、能町さん、ウチは土地というよりかは島だよ」と突っ込みたくなったけど、よーく地図を見てみれば、私は島だと勘違いしていたけど、確かに土地は東京湾の方まで一応つながっている。

つまり千葉県よりは小さいけど(千葉県もこのロジックでいうと島になる)、島にしてはかなり大きいのだった。だから能町さんの言う「土地」の方が正しいのだ。

そうそう、そして、ハートアイランドと名乗っているのは、そうです、私がいる地域です。上からみるとハートの形をしているから。私は勝手に足立区お台場とよく呼んでいた。つまりお台場みたいな「でっち上げ」の街だから。

私はこの地に災害対策によいのではないかと思って、2011年の秋に越してきた。前にいた板橋は大都会の真ん中で高速道路の2階がちょうど自分が住んでいる高さに見えており、排気ガスをばんばん吸って生活していた。

ここなら広いし、何かあった時の避難エリアだし、トイレや公園もある。最初は北区に住みたかったのだけど、希望していた赤羽は家賃が高く、ロケーションよりも部屋の中の環境がいいものを選んだら、ここになったのだ。

引っ越してきたらランニングが習慣になってしまい、おそらくこれ以上素晴らしいランニングコースが見つからないかぎりは、他の場所へ移ることはしないだろうと思う。

そして、そう、能町さんも書いているが、この辺は化学工場とかがたくさんあったらしく入居の際には「この土地の土壌汚染については説明を受けました」という文書に署名させられる。

まぁ、住むといっても賃貸で買うわけじゃないし、小さな子供がいるわけでもないから全然気にならなかったけどね。

それにしてもこの本を読むまで気づかなかったのが、なんとほぼ毎朝のように私がランニングの時に見ている工場。能町さんによれば、島側と北区本土側が川によって分断されており、渡し船のようなものが存在するというのだ。全然気づかなかった!!!


ぜーんぜん気づかなかった!! 
こちらが今朝のランニング時の同じ場所。


うーん、見る人間が違うとこうも見方が違ってくるもんなのか。

そもそもこの工場についても、こんな住宅地によくこんな工場があるよなぁと思って眺めていただけだった。能町さんが書いている、小学生が歩く通学路の上を走る工場のパイプ…とか全然知らなかったよ!!



しかしいったいどんな会社なんだろう。ググってみたら、すごい立派なホームページが出てきた。これ。でもオフィスはなんと丸の内にあるという。違う会社なのかなと思ったら、これだった。東京研究事務所。ここにある色素材科事業部(赤羽地区)ってなんだろう。

それにしても楽しい。で、この本をちゃんと最初から読んでみたら、この足立区新田以外にも、私が出没するエリアが取り上げられている回が3つもあった。

実際行ったことはないんだけど土手からよく見える川口エルザタワー(55階)の周辺なども興味深い。なんと周辺は住宅地の道がほとんど舗装されておらず砂利道だらけなのだそうだ。こいう感じはハートアイランドを始め「でっちあげられた場所」にはよくある。

うちのハートアイランドも一歩でればスラム街(失礼)のような、大型火災でもあれば一発で焼け野原になりそうな古い住宅街が広がるばかりなのだ。そして「お店屋さん」がない。

あと駒込病院なんて、かなり長い間入院していて、庭というか屋外の駐車場の裏の神社の前あたりにあるベンチに行ってよくiPadで動画をみていたりしたもんだけど、近所のこんな変な道、全然気づかなかった。

うーむ。

なお能町さんによれば、ストリートビューを見たあと、そのエリアのマンションの間取りや家賃相場などを見たりするのも楽しいのだそうだ。わかる!!

その他紹介されているエリアもすごくおもしろい。なんで神田は神田なんとか町とか、神田ほにゃらら町みたいに名前が細分化されいてるのかとか、ロシア大使館の裏の路地とか、あと大泉学園の巨大ショッピングモールが豪雨になると水槽の中を移動しているみたい!?とか。

埼玉県の飯能高校などは線路に分断されて学校の施設が分かれているのだけど、そのトンネルで卒業生の会話を耳にし思わず気持ちがあがる能町さんとか(ここで正式に地元の人に取材!とかやっちゃうとちょっと能町ワールドからはずれてしまうのだ。この距離感が良いのだ)、とにかく能町ワールド炸裂で、いや〜 ほんとに楽しませていただきました。




それにしても荒川土手は本当に綺麗だよなぁ。ぜひ下の写真をクリックして大きくして見て。右側が岩渕水門。左側に見えているのが能町さんの本に登場する日本化薬。


ここに目次の一部がちらっと掲載されているので、気になる人はチェックしてみて。あなたのエリアもネタになっているかもしれない。