話題の『香川1区』観たよ。いや〜 面白かった。
選挙ってやっぱりすっごい楽しい。祭りだよ、祭り。盛り上がって、勝利して狂喜乱舞して、負ければガックリして。
もう何度この映画の最中に涙が出たかわからない。小川さんに感情移入し、ご両親は素晴らしいと感動し、奥様にも感動し、お嬢さんたちにも感動し、小川さんのスピーチや応援する人たちのコメントに涙し、いや〜 見てる間、とにかく最高に盛り上がった(笑)
例の維新の候補者に「立候補を取り下げてうんぬん」の件は、小川さん的には痛かったのかもしれないけど、あれはドキュメンタリーの中では良いアクセントになった…と言ってしまうと小川さんがかわいそうか。でも、まぁ、人の仕事人生なんて、小川さんでなくても、その程度のもんなんだと思う。
あんなエピソードも自分の未熟さとして必死で受け止め(それでも最後の最後まで納得してすっきりという感じでは決してないのだけれど)、進む小川さんも素晴らしいというわけで、結果プラスにしかなっていないのは事実だと思う。
だから小川さんには気にする必要なんて全然ないですよ、と言ってあげたい。
それよりも、よくないと思うのは、日本の選挙って、こうやって人生のすべてを捧げていどまなくてはいけないのか、ということ。
そして投票する側も政策や例えば調整能力とかそういったことよりも「小川さんなら分かってくれる」「小川さんなら聞いてくれる」「小川さんはいい人」ということで政治家を選んでいいのかということだ。
また映像作品としては、もう少しキレがあった方がいいかなぁとは思う。とにかく長い。すごく楽しいから時間は感じさせないけれど、それでもやっぱり2時間に収めてほしかった。
といいつつも、そもそも制作費とかいろんなバランスで、その中でこれがすべての限界(最高地点)だったのだろうと想像する。そもそも選挙から党首選までをこの時間で映画にしているのだから、それだけでものすごく無理がある。
だから文句は言わない。製作陣には、こんなに良い映画を見せてくれたことに感謝しかない。
それにしても何度も書くけど、選挙ってやっぱりすっごい楽しい。例えば私みたいな者が絶対に売れないようなアーティストに入れあげて、頑張って周りの迷惑にかまわず無心でプロモーションする、あの感じにすごく似てる。熱狂だ。バカになれる瞬間だ。
わかるんだ、それが生きてるっていうそういう感覚。本人はもとより応援する人たちも。
でもその一方で、映画を見終わると、あっという間に現実世界に引き戻され、覚めてしまう自分もいる。ぜひ監督&プロデューサーさんには、続編を期待したい。というか、続編もあるんじゃないかな。続編があるとしたら、きっとまた見に行くと思うが…。
あ、そうそう、田崎史郎さんの登場が良い味を出してた。たまたま事務所にきていた保守派の論客、田崎さんと、ばったり帰ってきた小川さんのちょっとした言い合い。
あとから車中で仲間にうながされ小川さんが謝罪の電話をかけるところとか、むっちゃリアル。
笑えたのは自民党陣営。ひと言で言えば「ちっちぇーっっ」。最初の平井さんのインタビューはよかった。あのくらい最後まで堂々としてればよかったのに。なんてちっちゃい、威張っているおじさん(笑) 威張ってるおじさんなんてあんなもんなんだと、どっちらけ。
いくらなんでも、ちょっとカッコ悪すぎだし、もっと毅然と望んでほしかったよね。脅しみたいなこともしたりして、ほんとにみっともない。ちっちぇえ奴ら。でも世の中の威張ってるおじさん、みんなそうなんだと思う。
マウント取り合ってなんとか自分を持ち上げているけど、実態なんてスッカスカ。自分に自信がないから堂々としてられないんだ。怖がってるのは、あっちの方なんだわ。
そして彼らの背後にちらちら映る郵便局。郵便局ってやっぱり…(以下、こちらの本でも読んで)演説とかでも局員、動員してるんだろうなぁ、きっと。
あ、そうそう、あの市役所の目の前で投票したことを証明させられる、あの自民の集票マシーンにはびっくりだ。すごいよね。投票する権利を職場で奪ってしまい、それに対してまったく疑問に思わない人たち。
田舎では、ああいうことって多いと思う。あれって、もっとちゃんと語られるべきだよね。すごいスクープだと思う。あ、あとパーチーの(笑)あの20人分会費払って3人出席要請ってなんだよ。
あとは、まぁ、自民党が負けるからこそ気持ちがいいんだよね。そこは私も自分の小ささを認めるわ。だからこそ痛快なんだわ。
でもその痛快は悪いものをやっつけたお祭りみたいなもんだ。大変なのはこれからで、勝ったからといって映画館を一歩出たらそこには厳しい現実しかない。
ただすごく言えることはこの映画でも見て「選挙面白い!」って思って投票に行く人が少しでも増えればいいなと思うんだよね。それは本当に心からそう思う。
将来、小川さんが総理大臣になれる事があるとしたら、それはものすごく良い社会なんだと思う。でも私とはいえ、そこまで夢を見る人ではないので、それはたぶん無理だろうなと思っているところだ。
あ、そうそう、この監督、大島新さんって、お父さんが大島渚さんなんだね。知らなかった。そして女性プロデューサーもすごい。前田亜紀さん。ヤクザみたいなおじさんたち相手にすごい頑張っている。
私も夢見てるんだ、映画プロデューサー。仕事人生引退前に一度やってみたい職業なんだけどなぁ。こういうドキュメンタリー映画に関わってみたい…と、また夢が広がってしまったり。
そうだ、和田さんの本も続きが出たんだっけ。ゲットしなきゃ、ってんで、さっそくポチり。
あ、そうだ、会場でパンフレット是非買ってください。選挙本でお馴染みのジャーナリスト畠山理仁さんが選挙解説を寄せていて、これがめっちゃわかりやすくて良いです。というか、面白いです。必読。