汚れちまった悲しみに〜時々再発する中原中也病を癒すため

なんか自分の馬鹿さとか、愚かさとか、ダメなところを癒してくれる中原中也が読みたくなって、人生始まって早20度目くらいの中原中也マイブームを50代にして発症。普通、高校生が読むもんだよね、中原中也(笑)

ほんとに大好きだったなぁ、高校生の時。私は当時やなせたかしが編集長をしてた「詩とメルヘン」という雑誌を購読していた。そのくせ不思議なんだけど読書少女というわけではなかった。

そこで中也の特集をやっていて、それを読んで中也を読んだ私は、すっかり中也ファンになったんだよね。だって絶対に響くでしょ、高校生とか中学生の時にこれ読んだら!

「汚れちまった悲しみに」とか「ゆあーんゆよーんゆやゆよん」とか「海にいるのはあれは人魚ではないのです」とか「愛するものが死んだ時は自殺しないといけません」とか

「私はもう歌なぞ歌はない 誰が歌なぞ歌ふものか みんな歌なぞ聴いてはいない 聴いてるやうなふりだけはなする」とか「ほらほら これが僕の骨だ」とか

何度も言うけど、特に高校生くらいの時に誰でもが一度ははまる世界なのだ…

今や読もうと思えば著作権フリーでネットにあがっているし、でもなんかモニターを見つめながら読むのはいやで、ちゃんとした読み物を持っていたくて、でもなんか文庫本とかで買っちゃうより、雑誌的なものがほしいなぁと思い、見つけたのが中原中也の記念館で売ってるこれ

残念ながら大好きな「頑是ない歌」だけは掲載されておらず、しかたないので、それだけはネットに上がっているものをプリントアウトして雑誌に挟みこんだ。

ところで「頑是ない歌」はご存知海援隊の「思えば遠くへ来たもんだ」の元ネタになった詩だけど、なんと武田鉄矢さんはそれを公言ことはないらしい。まぁ、誰が聴いてもそうだし、逆にこの曲(ほんと名曲です)から中也を知った人も多いと思う。

それにしてもいいよね。「なんだか自信が持てないよ、さりとて生きていく限り 結局がんばる僕の性(さが)」とか。

もう響きまくり!! くそぉーーーっっ!!

というわけで、いい歳して、いまだに時々中原中也ブームがきてしまう50過ぎの自分への慰めの一冊でした。

しかしこういう博物館の図録みたいなやつ、作るならコード取って一般に売ればいいのに…というのは無理な話でしょうか? 博物館の通販で買ったんだけど、クレカ使えないし、事前に郵便局振り込みでちょっと面倒くさかった。

いや、でも中也の帽子とかが売られたりしていい感じのネットストアでした…(笑)いつか訪ねてみたい記念館。山口県かぁ。