萩原健太さんのotonanoラジオに日向敏文さん出演1 #日向敏文 #toshifumihinata

先日行ったエストニア、物価高かったけど、大量のベリーやチェリーは安かった。

 

7月27日に発売・配信開始になる日向敏文さんの新作のプロモーションで、先日FM横浜にお邪魔してきました。この番組は1週間ほどRadikoのタイムフリーで聞けます。ぜひ〜

番組内でのお話をソニーさんに許可いただきましたので、書き起こしました。あくまで野崎が「こう聞いた」という内容なので、文責:野崎でお願いいたします。

萩原さん「来月なんと13年ぶりのニューアルバムを出すという日向敏文さんです。ちょうど去年の今ぐらいにゲストに来ていただいたのですが、およそ1年ぶり」

「今日はちょっとイレギュラーな形で僕がリモートで参加して、日向さんはFM横浜のスタジオに来ていただいているので…」

日向さん「(笑)僕は画面で見ているという…」

萩「僕が日向さんの番組にお邪魔してるみたいですね。すみません。以前出ていただいた時は1986年の『ひとつぶの海』がアナログで出るということで来ていただいたんですが、今回は新作、オリジナルアルバムということですね」

日「はい。なんか思いもよらない展開で」

萩「7月27日にリリースされるということです。『Angels & Dystopia Nocturnes and Preludes』から1曲」

M1:Angels in Dystopia

萩「タイトルチューンを聞いていただきましたが、このアルバム、タイトルが対比になっている感じですね。意図したことがあったのでしょうか」

日「僕がinstagramを始めて、いろんなリスナー人たちと接するようになったんですけれども、若い人たちが僕にDMをよく送ってくれるんですね。悩みとか不安な気持ちを言ってくるんです」

(のざきコメント:ちなみにSpotifyなど、配信で分かった正確なデータによると、日向さんのリスナーは18-22歳が一番多いんですって。意外でしょ?)

「僕の音楽を配信などで聞いて、それを聞きながら自分が考えていることを整理できる、みたいなことを言ってくれるんですね。その中で、なんていうんだろう…今の世界の中でいろんな人たちがどういうことを考えているんだろうということを考えてしまって…」

「いろんな困難とか悩みにつきあたった時に、こういう音楽を聞いていると自分が休まって気持ちがやすらいで…っていうのかな。いろんなことを考え直した、みたいなことを言ってくれる人がたくさんいて」

「わざわざ僕にそういうことを言ってくれるということは… 気持ちがわかるんですが… 悩んでいる若者が多いんだなぁ、と。それが実感としてありました」

「彼らが何を聞きたがっているのかというのが分かるようになってきて。それが今まで僕がやってきた音楽と一致しているのが、ものすごく嬉しくて」

「その路線で、今、どういう曲を彼らに聞いてもらえるかな…と。そういうことでこのアルバムを作りました」

萩「乱暴に言ってしまうと… 日向さんの音楽って「Reflections」とかのイメージが強いんだと思うんですけど、ちょっとマイナー寄りのキーで、三拍子で…みたいな」

日「(笑)そうなんですよね、暗いんですよね。はっきり言えば(笑)」

「僕は別にそれを暗い気持ちで作ったわけじゃなかった気がするんですけど、でもやっぱりそういう曲ができた背景には、自分が思ってたことに通じる何かがあるのかなぁ、と」

「世界は良くなっていくって言われている中で、全然良くなっていない、と。当時も今もあるじゃないですか。ウクライナのこととか…  僕の若い頃と、今の若い世代と同じなんだ、と。全然世界は進歩してないな、と。歴史が繰り返されちゃっている…」

萩「(この作品は)以前の日向さんらしい楽曲以上に、さらに内省的になっている気がしますね」

日「そうかもしれないですね。最初はReflectionsのピアノヴァージョンを配信できないかなという1曲の予定で始まったものだったんですけれども、そのうちに自分で今、書いている曲があるので、ピアノのアルバムにしようかという話になったんです」

「だからNocturnes & Preludesってつけたんですけど、そのうちに昔、中西(俊博)くんにヴァイオリンやってもらったし…とかいろんな欲が出てきて。それで理沙・グレイさんのチェロも加えたんですけどね…」

萩「ちょっと話はずれちゃいますが、桑田佳祐や佐野元春、Charなどが今の状況に対しての自分たちの気持ちを表現した曲を出したりして話題になったりしてたじゃないですか。で、日向さんも世代的にはそこじゃないですか?」

日「まったく同じですね」

萩「アメリカでもニール・ヤングが「若い奴から声がでてくるのを待ってたんだけど、誰も言わないから俺がやる」みたいなことを言って吠えてて」

日「あぁ、なるほどね。世代的なこともあるかもしれませんね。高校生、大学生の頃感じてたことが、まだ残ってて、それがまったく変わっていないという…。今の若者たちは悶々としちゃっていると思うんですよ」

「いろんなポップな音楽は世の中にすでにあるわけじゃないんですか。それを聞きつつ、頭の中にクレスチョンマークは常に持っている…という」

「それはつまり流行りの音楽っていうのは、学校で話題になって、それを追いかけるのは当然と思うんですけれども…。流行っているものを自分はどう受け止めるか…と。やっぱり若者は悩むと思うんですよ」

萩「こういうやり方もあるんだよ、ということを上の世代から見せてあげることも大事なのかもしれませんね」

日「ニール・ヤングはすごいですね。そういうことを常に言って、怒りを持って自分の音楽をずっとやってきているじゃないですか。すごいです」

萩「今回のアルバムは、さきほどのお話にもあったようにかつてのレパートリーを再演してみようということがあったわけですね。ご自分でやってみてどうでしたか?」

日「かつての曲はヴァイオリンとピアノという組み合わせで作っていたから、ピアノだけにしてみるとまた違った感じになるんですよね。それもおもしろかった。今までそれをやってみようという発想があまりなかったから」

「ReflectionsもMenuetsも聴いてくれている人たちが勝手にピアノで演奏してくれているんですよ。(You Tubeなど動画サイトで検索すると驚くほどの数のカバー、「弾いてみました」的映像がアップされている)だから、それを自分でもやってみようと思ったんです(笑)」

M2:Reflections - piano version

萩「日向さんらしさというものが、すごく聴こえてきますね」

日「まぁ、自分がやってるから、そうなっちゃうんですけど…(笑)なんでこんな音になってくるのかなって自分でも思ったりしますけどね」

萩「それが一つの個性ですからねぇ」

日「こういう曲ってね、簡単なようでいて、意外と難しいんですよ。三拍子のピアノの…三拍目のコードを小さくしないとバランスがくずれるとか… いろいろあるんですよ。そうじゃないと、その曲のニュアンスがたもてないというか…」

萩「この曲、本当にいろんな人がピアノで弾いてカバーしてますけども、これがある種、一つの正解…と言うことですかね?(笑)」

日「(笑)こういうふうに弾いてくれるとちょっと助かるかな…ってのはありますよね。イメージが保てるから」

萩「なるほどねぇ。なんか本当に面白いですね。かつてから、たくさんの名曲があり、同じ曲をいろんなプレイヤーが弾いているわけで、絶対にそれぞれの(プレイヤーの)色合いになるじゃないですか」

「でも曲としての色彩ってのは、何百年も変わらず続いたりする。音楽の深みというか…」

日「そうですね、いろんな解釈があって当然ですよね」

萩「でも、ほら、例えばジャズみたいな解釈を思いっきりほどこせる世界でもないじゃないですか。クラシカルなものもあるし…」

日「そうなんですよね。僕もクラシックの学校に行ってたから分かるんですけど… 教授たち、すごかったです。共演する時に解釈で大げんかして…もう二度と会うかみたいな喧嘩よくみてきたんで(笑)、解釈でここまで争うのかな…という」

萩「そういうものの一つの素材というか… 素材という言い方が正しいのかな… 日向さんの曲が一つの素材として世の中に流通している(これだけのプレイヤーに演奏されている)というのは、感慨があるんじゃないですか?」

日「そうですね。いろんな人に弾いてもらっています。例えばチェロのクラシックのプレイヤーが弾いたりしてSpotifyにシングルとしてあげている人たちもいるし。それを聞くと、すごく丁寧に解釈してくれていて、嬉しかったりしますね」

萩「いいですね! このアルバムの中から、またそういう曲が生まれていくんじゃないかと思います。副題にNocturnes and Preludesとつけたのは、当初はピアノのアルバムだったということと、それ以外にも何かありますか?」

日「このアルバムに入っている曲の何曲かは、僕が管弦楽や室内楽を作曲している上で使っているモチーフから誕生したんです」

「そのモチーフをピアノ曲にしているというのがあるので、それで短めにまとめて、それに対してのプレリュード、それにたいしてのノクターンという、いわゆるショート・ヴァージョンを、このアルバムに入れました」

「タイトルにもそれをあらわしているものがあるんですけれども…Rhapsody in G Minorとか…」

「タイトルって本当につけるのが難しくて、こういうタイトルに頼っちゃうというのもあるんですけれど。元の管弦楽の曲がそういうタイトルをつけているんで、それをそのまま使いました」

萩「ちょっと個人的な話ですが、先日、入院生活を一瞬送ってたことがあって、ナースコールを押すとクラシックの名曲が電子音みたいにして流れるんですよ。バッハとか、ショパンのノクターンとか、サティの「ジュ・トゥ・ヴ」とか…」

日「ショパンのノクターンは今でいう… ポップスですよね。ものすごく練られたメロディで、ショパンが意識して作ったかはわからないですけれども、この何百年という歴史に耐えているのがすごいですね」

M3:Nocturne in E Flat major

M4:Phantom of Hope

萩「7月27日にリリースになる日向敏文さんの「Angels in Dystopia Nocturnes and Preludes」からお聞きいただきました」

日「このアルバム長いんですよね。24曲も入ってて、これをLPにする場合はどうしようかと思っているんです。ちょっと課題ですね」

萩「でもLP欲しいですよね」

日「本当に欲しいです。なんとかソニーさんにお願いしたいんですけれども(笑)」

萩「このラジオを聴いてらっしゃる方にも、そういう要望をがんがんソニーへお寄せください。ジャケットも大きいもので楽しみたいという事もありますものね」

日「全然違いますよね。ジャケットのアートディレクター(田口英之さん)がものすごく素晴らしいものを作ってくれたので、LPサイズでみていただきたいですね」

萩「この時代に生まれた作品だなという感じがしますね。曲の内容、ジャケットも含めて」

というわけで続きは来週。さてさて日向さんについて。TVドラマのサントラや「ひだまりの詩」しか知らないという方が多いかもしれません。

日向さんの功績については、栗本斉さんが書いてくれた、この記事がとてもわかりやすい。栗本さん、ありがとうございます。